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コロナ禍というマイナスをプラスに変えるオンライン指導法|テラコヤイッキュー【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。ご興味がある方は、こちらからお申し込みください!

第5回はテラコヤイッキューの渡邉先生にお話を伺いました。


テラコヤイッキューについて

テラコヤイッキューの渡邉です。今日は「休校を生徒のプラスに変えるオンライン指導」ということで、一見マイナスに見えるコロナの休校期間を、どうやって生徒にとってプラスにしていくかをお伝えしようと思います。

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私は2009年から6年間、地元の岡山にある個別指導塾で働いていました。2015年に結婚して関東に出て、結婚1年半で癌になり、それをきっかけに開業を決意しました。

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テラコヤイッキューは2019年4月に千葉県船橋市で開校し、オフラインの対面指導とオンラインの指導を掛け合わせた指導形態で実施しています。塾には固定の教室がなく、週に1回授業のある日だけレンタルスペースを借りて、そこに生徒を集めて授業をしています。

授業のない日はオンラインで、生徒の家庭学習のサポートをしています。塾に当たり前にあるものがなく、オンラインやICTツールを駆使して補っているというイメージです。

生徒は小6が1人、小3が1人、あと中2が5人と超少人数ですね。ただし人数制限を設けているわけではなく、私一人で見れる範囲を超えたら人を雇おうと思っています。

オンライン指導のための機材やICTツール


塾で使っているツールは、Studyplus for School、Zoom、公式版と個人版のLINE、Comiruです。今後はクラウドサインを導入して、契約書のやり取りもオンラインでやる予定です。

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オンライン指導を始めるのには、最低限スマホかタブレットと、Wi-Fi環境だけあればいいと思います。私も全然、ツールを使いこなせているわけではありません。板書を画面共有するときは、ペンタブも使います。共有にはZoomが利用でき、PDFを映す先生もいればiPadのAirplayというものを使うこともできます。

Zoomのセキュリティー問題が取りざたされましたが、うちでは特に問題なく使えており保護者からも特に不安の声は特にありません。企業によっては使用停止になっていることもあるので、気になる場合はSkypeなどで代用されたらいいと思います。

オンライン指導を始めた理由


うちがコロナよりもっと前からオンラインを進めた理由は、大きく分けて三つあります。

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第一の理由は、生徒と保護者以外にかける自分のリソースを極限まで減らしたかったからです。教室を持っていると掃除などの作業で1日1時間は取られますし、紙でのやり取りがあると書類整理にも時間がかかります。そういった分をできれば生徒のために使いたいということで、教室なしのオンライン指導にしました。

第二の理由が「誰もブラックにならない新しい形の塾」を作りたかったからです。開業の前に働いていた塾はすごくブラックでした。働いている人も大変だし、生徒もすごい数の講習取らないといけないし、保護者の方も高額な費用を毎年払わなければいけないと。

こういうやり方だと、誰も幸せではないと思います。自分が開業するにあたりそれは嫌だなと思い、固定費を削減して講習を売らなくても利益が出る形であるオンライン指導を始めました。

第三の理由が、自分の体調と女性の働き方についてです。いつ病気が再発して入院しても生徒を放ったらかしにせず、病室や自宅からでもフォローできる体制を作りたいと思いました。

自宅からもできる体制を整えることで、女性でも無理なく働ける形になると思いました。女性の先生は結婚を機に退職される方が多く、家庭を持ちながらやりにくい仕事だなと思っているのですが、それを変えていきたいと思ったんです。そういった理由から、挑戦的に新しい形の塾を運営しています。


オンライン自習室の始め方と方針決め


オンライン自習室を一言で説明すれば、「Zoomをつないでみんなで集まって自習をする」です。

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うちでは以前から行っているので、他の塾の先生から細かいやり方について色々と質問をいただきますが、模範解答はないと思います。導入する先生方がどんな目的でオンライン自習室を使っていくのかに合わせて、ご自身の塾に合ったルールを作っていくのが一番良いのではないでしょうか。

例えばうちの場合は、合同自習室といって他塾の生徒さんも入れる状態だったので、顔を映さず手元だけを映してもらっていました。でも今は自塾の生徒だけでやっているので、むしろみんなで顔を映してワイワイと楽しい感じでやろうよと方針を変えています。こんな風に、目的や塾によってやり方を変えていっていいと思います。

ICTツールの使い方


生徒の学習の流れを簡単に説明すると、面談で学習計画を立てたらオンライン授業を受け、その内容を理解できたか確認テストをしたり、分からないところをヒアリングしたりして、改善をしながら自学を進めるという感じです。一週間終わったらまた面談をして、新しい計画を立てるというサイクルです。

このサイクルを支えるのがオンラインツールであるZoom、Studyplus for School、LINEです。生徒はStudyplusでその日やることを毎朝送って、タスクが終わり次第LINEで報告をしてもらいます。

勉強した内容を写真で送るように言ってはいますが、なかなか全員にやってもらうのは難しいですね。ともあれ、こまめに内容を報告してもらって、私がそれを逐一チェックして、オンライン自習室で繋がりながら勉強をしてもらうというやり方です。

Studyplusには一時間に一回や、一教科に一回などの区切りで記録をつけてもらいます。そうなるとその間に中だるみすることもあるので、もっと細かい報告をLINEでしてもらっています。

例えば「この参考書の応用問題をやりました」というように写真を撮って送ってもらい、私から一言メッセージを返すと。「全然分からなくなってきました」というような相談もLINEで来るので、その時はZoomのブレイクアウトセッション(その時参加している部屋から、別の部屋に参加する機能)に呼び出して1対1で指導します。

指導方法としては、画面共有出して生徒に送ってもらった資料に上から書き込むか、ホワイトボードに自分で書き込みをして見てもらうかのどちらかです。

うちでは毎週、学習計画を立てるための個別面談をやっていますが、この時もZoomを使っています。生徒はこの計画に沿って学習し、こちらが学習内容と進捗をStudyplus for SchoolやLINEなどで進捗チェックし、ズレが生まれたらその都度修正していくという流れです。


オンライン指導のメリット


現在うちでは、指導が完全にオンライン化されています。3月頭に学校が休校になった時、全ての対面授業をオンライン授業に切り替えて、教室には一切行かない状態にしました。私は家から指導をして、生徒も家からログインして勉強するという形です。

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オンライン授業のメリットは、三つあります。まず、生徒とのコミュニケーション頻度が高まります。次に、生徒の学習内容について把握できることです。Studyplus for SchoolやLINEを使って、毎日しっかり家庭学習をチェックできます。

普通、週1~2で来る生徒がいつ宿題をやっているかやどのくらいの理解度なのかは分かりにくいものです。しかしうちでは、Studyplusにつけてもらう学習記録、LINEで送ってもらう生徒のノート、オンライン自習室での生徒の勉強している姿の三つをチェックすることで、きちんと把握できます。

何か問題があればすぐ修正指示ができるので効率が良く、生徒と先生で毎日PDCAを回しているような面があります。

最後に、保護者の方とのコミュニケーションの頻度も高まり、しかも楽になりました。うちではStudyplus for Schoolの保護者連携の機能を使っているのですが、ちょっとしたことでもすぐにLINEで送れるので本当に楽です。毎週の授業カルテもワンクリックで簡単に送れますし、保護者の方も毎週詳しく内容を見れるので喜ばれています。

オンライン自習の中だるみ解消法


生徒は自習と休憩だけの繰り返しでストレスを感じ、マンネリ化してしまうことがありました。特に3月3週目くらいにダラダラやっているように見えてきたので、解決策として入室スタンプラリーというイベントを催しました。

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これはオンライン自習室に入室したらスタンプを一つ押し、一週間連続で来れたら景品を渡すというものです。これがスタンプラリーのカードで、入室したら桜の花びらを付けていって、生徒達には途中経過と一緒にこの画面のスクリーンショットとメッセージをLINEで送っていました。

「明日も頑張ろうね」と付け加えて、なるべくモチベーションを高めてもらうという作戦です。これにより入室率がかなり上がって、特に小学生とちょっと幼いような感じの中学生は頑張って入室してくれるようになりました

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他にも暗記道場を始めました。ただ自習で暗記するのではなく時間を区切ってみんなで暗記するというもので、生徒にとって刺激になったようです。暗記した数が多かった生徒にこうした賞状を送って、やる気を高めてもらいました。

さらに、生徒から「学校がないのが当たり前になってきたから、ダラダラする」という意見が上がってきたので、朝の会を開いてみんなで集まったり、アプリを使ってチャイムを導入して学校っぽさを演出したりしました。

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コツコツと色々な施策を打っていたのですが、休校が延びると4月にアナウンスがあり、また中だるみになってしまいました。そこで昨日から新たな取り組みとして、朝の会で筋トレを始めました。

さらに時間割を作り、自習室で生徒が同じ教科を勉強するようにしました。一日を四コマに分け、時間になったらチャイムを鳴らして「次は英語です」というように教科を統一していきます。同じ勉強をすることで、一体感が生まれるのではないかと考えて始めました。

オンライン自習室で自学するだけでなく、アウトプットの時間も作りました。生徒に先生役を務めてもらって、その日にやった勉強を一つピックアップして他の生徒に説明してもらっています。

最後に、お楽しみタイムも散りばめています。例えば脳トレをしたり、クイズを出して時間内に正解できたらポイントあげて、できなかったら保護者の方にLINEで同じ問題を送るから一緒に考えてねと言ったりしています。これはイー・キッズのアラカワさんにアイデアをいただきました。

お楽しみタイムは一日のなかでいくつかにわけています。例えばこれは昨日のタイムテーブルですが、9時から朝の会で、目標宣言や筋トレをします。それから英語をやって、休憩を挟んで学校の課題をこなします。

次に英語のアウトプットをしたらお昼ご飯食べて、13時半に集合して脳トレ。数学をやって休憩して、テラコヤ道場という暗記や計算の時間をとります。そして脳トレクイズをやって「みんな正解したね!やったー!明日もがんばろう!」とポジティブに一日を終わらせるというサイクルでです。


休校期間中の先生のスケジュール


コロナ禍で私は朝型になりました。
6時半に起きて、9時になったら机の前に座り自習スタートです。生徒が自習している間に私は自習室の管理をしたり、何か作業をしたりしています。朝の部が終わって、昼休みには休んだり、セミナーなどに参加したりしています。

13時半から昼の部が始まり、終わったら休憩して家事をして、18時から授業や面談をしています。今、別の塾と業務提携していて、そちらの生徒の面談も行います。21時半までそうした仕事を続けて、0時半に就寝という流れです。

家事にかける時間が減ったのは少し厳しいですが、かなりしんどいというほどでもありません。無理なく両立できますし、余暇も多少はあって生徒に教えてもらったスマホゲームもやっています。


オンライン指導への保護者の声


現在、平日の9時~11時と14時~16時は全員参加の自学タイムにしています。これは生徒の学習習慣と生活リズムを整えるためであると同時に、休校期間中の保護者の負担を少しでも請け負えたらという思いがあります。

保護者の中にはすぐにお仕事をお休みできない方もいるので、生徒の弟・妹も画面から見える所にいてもらって、一緒に宿題をやってもいいという形にしているんです。

今後オンライン家庭科というものも始める予定で、明日はお手伝い選手権を開こうと思っています。「お母さんは家のことで大変なので、せっかくおうちにいるんだからお手伝いをやりましょう」ということで、洗濯物を誰が一番速く・多く畳めるかを競います。また、金曜日は似顔絵コンテストを行う予定です。

このように色々な活動をしていることもあり、オンライン指導についてマイナスの意見をいただいたことは一度もありません。値下げしてほしいとも言われておらず、私としてもそのつもりはないです。

うちは元々、季節講習や振替授業を全てオンラインで行っていたので、「オンラインでも対面と同じクオリティだし、いいこともたくさんあります」と初期の頃から言い続けているので、保護者の方にも免疫があります。だから今回は朝9時からフォローしていることもあり、むしろ満足度が上がっているほどです。

こうした高評価が紹介につながって、新しく生徒を連れてきてくださったこともありました。生徒のためにやっていると、自分のプラスにもなるかなと感じています。


オンライン指導の落とし穴


オンライン指導を始める時みなさんツールや指導法に注目しがちですが、実際のところそれはどうにでもなります。一番重要なのが、生徒をどう観察していくかです。Zoomのカメラの画角外で生徒が何をしているかはわかりません。

机の下で何をやっているのも、どんな顔をしているのかも見えないんです。画面がずっと固まっていても他の勉強をしているのかもしれないし、友達とLINEをしているのかもしれない。つまり生徒がサボっている現場を押さえてたしなめるのが難しいんですね。現行犯で注意ができないというのが、オンライン指導の落とし穴だと思います。

特に休校が長引いて生徒も慣れて、中だるみになるタイミングが一番の注意点です。これには学力や学習力だけではなく、生徒の心の成長を促す指導が必要です。学習に取り組む姿勢を見直して、オンラインで学習している意味やなりたい姿を見直します。

「今、隣にお母さんがいたら自分の姿をちゃんと見せられる?」というような話を面談でもしますし、授業でも30分くらい時間をとって、生徒とディスカッションをしています。これを続けていると生徒もだんだんと「ちゃんとやらなきゃな」と感じて心が成長してくるんです。

これからオンライン指導を始められる先生は、ツールや指導法だけではなく生徒がオンラインでも問題なく自学・自習できるように導いてあげて欲しいと思います。


マイナスをプラスに変えるオンライン指導


休校が決まった時「これはすごくチャンスだし、一カ月後の自分がどうなっているか想像してみよう」と話をして、生徒のやる気を引き出しつつ前向きに勉強に取り組んでもらえるようにしました。

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実際、休校というのは学校の進度を気にせずに復習にも予習もたくさん時間を取れるという面があります。普段は部活で疲れ切っている生徒も、眠気もなく効率の良い勉強ができるようになりました。そこは生徒にとってプラスなのではないかと思っています。

私は個人的に、マイナスのことは絶対にプラスにできると思って日々生きています。コロナでどうしようとなっている方も多いかもしれませんが、生徒もそうなっているし、保護者もきっと同じです。それをどうやったら助けてあげられるのかなとか、どうやって塾としてフォローできるのかなという部分を考えることが大切です。

一生懸命やっていけば保護者の満足度も上がると思いますし、それが回り回って自塾のプラスになっていくと思います。だからこのコロナに乗じて「オンラインで金儲け」するのではなく、まずは生徒をプラスにして、塾もその流れでプラスになっていくという気持ちを持つと、素敵な未来になるのではないかと思っています。


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オンライン指導に関する情報共有会は、今後も開催してまいりますので、ご興味がある方はこちらからお申し込みください!




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