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LINE連携機能を活かし保護者との繋がりを強くする|ベスト個別学院motto【Studyplus for School Award 2020】

Studyplus for School Award 2020とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。 

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従来は、授賞式や受賞者によるプレゼンテーションを含むイベントを開催しておりましたが、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、この度オンライン配信で受賞者によるプレゼンテーションを実施いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。

今回ご紹介するのは、高校生部門自立指導と中学生部門で受賞された、福島県のベスト個別学院mottoの川口先生の回です。

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生徒に特効薬を処方できる塾

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ベスト個別学院mottoの川口です。私は大学卒業後、福島県内の集団指導の塾に入社しました。大学時代も塾講師をしていたため、トータルで20年ほど業界経験があります。

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当塾は、2019年の夏に開校したのですが、開校にあたり、集団指導ではできなかったことについて突き詰めて考えました。集団指導では40人くらいのクラスを担当していましたが、講師が知識をインプットしても、それを100%受け取れる生徒は多くありません。

というのも、40人全員が同じカリキュラムを受けるため、授業内容はどうしても一律になるからです。一般的に、集団指導は偏差値50~55の生徒に合わせてスタートし、最終的には偏差値70台の生徒が満足するような内容に引き上げていきます。

そのため後半になると、半分くらいしか理解できない生徒も出てきます。授業が終わった時、表情がなかなか冴えない生徒を見るたびに、課題を感じていました。

集団指導で講師が提供できるのは、いわば「万能薬」です。ある程度の知識や技能は伝えられても、それが一人ひとりにとって本当に必要なことかと言えば、疑問が残ります。こうした背景から、当塾を開く時は「万能薬」ではなく「特効薬」を提供できる場所にしようと考えました。

一人ひとりにあったカリキュラムで自律自走を目指す

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当塾のターゲットは県内トップ校を目指す生徒で、想定偏差値は60~75程度です。カリキュラムは、完全カスタマイズ制です。初回に行う、学習プランニング面談を通して、一人ひとりにあったオリジナルの自立カリキュラムを作成し、学習を開始します。

ライブ授業はほとんどなく、ほぼ全て映像学習です。映像を見て分からないところがあれば、1対1の個別指導で解説したり、講習会を開いて教えます。テスト直前のみ、集団授業を行うこともあります。まだ開校して1年ですので、色々と試行錯誤をしながら指導をしているところです。

当塾のキーワードは、「自律自走」。生徒がセルフマネジメントできる状態に育成したいと思っています。勉強に限らず、自分が抱えている悩みや課題をしっかり認識し、それを解決するために何をすればいいのかを自分で決定して欲しいと思っています。

つまり、自己決定権を重要視しているのです。そのため、カリキュラムもこちらから押し付けるのではなく、自分で必要だと思ったものを取捨選択できるようにすることが理想です。

また、塾を家・学校以外の第三の居場所にしたいと思っています。塾に「行く」のではなく「帰る」という感覚を持てる温かさを追求しています。

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当塾は2019年7月の夏期講習会から開校して、現在ありがたいことに満席です。募集のチラシなど出さなかった分、不安もありましたが、なんとか満席で運営ができています。

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入塾希望生徒の保護者様に当塾の説明をする時には、病院に例えています。患者は、熱がある、肩が痛い、腰が痛いなど、何かしらの症状を抱えて病院に行きます。医師が問診をしながら、どういう状態なのか、いつから始まっているのか、何を期待しているのかなどを把握します。そして、看護師と共に処方箋を出し、薬を提供し、しばらく飲んでもらったら経過を観察。1~2週間後にまた病院に来て次のステップを試します。

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塾の面談も、これと同じです。生徒の抱える悩みは千差万別で、部活と両立ができない、学習時間がなかなか確保できない、勉強が遅れている、もっと先に進みたいのに学校が許してくれないなど、色々とあります。そのような悩みを聞きながら、1時間かけて学習プランニング面談をし、何が必要なのかを分析をして、カリキュラムを提案しています。

Studyplus for Schoolを使って生徒との接触量を増やす

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当塾では初回に学習プランニング面談をしますが、そこで核となるのがStudyplus for Schoolです。生徒と話した内容をしっかり保護者様と共有し、進み具合まで握り合う、つまり「グリップ力」という観点からカルテ機能やLINE連携機能が役立っています。

集団指導をしていた頃は、三者面談が1学期に1回できれば良いくらいのペースでした。送迎時に話しをすることもありましたが、100人規模にもなると、お会いできない方も多々いらっしゃり、電話もつながらないことが多かったです。ですが、Studyplus for Schoolを使うことで、タイムリーに情報提供でき助かっていますし、なければどうなっていたか考えると恐ろしくもなります。

また、「接触量」も大切なキーワードです。集団指導は通塾頻度が週に2~3回なため、生徒と会う時間自体少ないです。授業中は1対40ということもあり、一人ひとりの表情を見たり、声を聞いたりすることは難しくなります。

休み時間に話せる生徒も多いですが、人前だとなかなか自分を表に出せない生徒もたくさんいます。その中で、Studyplus for Schoolを通して生徒の頑張りを褒めたり質問を受けることで、交流する時間が増え、接触量を増やせるようになりました。

さらに、家庭学習のコントロールも大きな課題でした。集団指導では、宿題を出しても、それをどのくらいの時間かけてやっているか、どこでつまずいているのかは分かりませんでした。それが今では、Studyplusに記録をつけさせることで、毎日の学習記録を追えるようになりました。

成績が上がらない生徒に対して、単純に勉強時間が足りないのか、他に原因があるのかなど、きちんと分析して的確な指示ができるようになりました。


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成績を上げるには授業後の演習が大切ですが、そのためには、自宅で勉強する時間が必要です。ですが、生徒にとって部活や習い事もある中で、時間のコントロール・マネジメントはハードルが高いでしょう。

Studyplus for Schoolで可視化することによって、自分がどのくらい勉強をしているのか分かり、ライバルと競い合うことによってモチベーションも上がり、自分の成長過程も実感できるようになりました。また、それらを保護者様と共有することで、子どもの頑張りを承認するきっかけにもなっており、色々な効果を生んでいます。

とはいえ、当塾でも、最初から完璧に記録づけを習慣化できたわけではありません。初めのうちは、抜け漏れがありました。そこで、塾でiPadを貸与し、授業が始まる時にログインするように指示したところ、だんだんと記入率が上がっていきました。

生徒任せにするとどうしても習慣化するまでは時間がかかるため、塾に来た時に記録をつけるところからスタートしました。今は、ほぼ漏れがない状態で進んでおります。

また、記録をつける意味をしっかりと伝えることも重要です。学習時間を可視化することで、今までの勉強の履歴を見ながら話せて、学習のプランニング面談に役立つという点を理解してもらえるように伝えていくことが、大事になるかと思います。

生徒を競わせてモチベーションを上げる
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当塾は個別指導で、他者と競い合わせるという文化がありませんでした。集団指導であれば、同じクラスの中でランキングをつけたり、授業中に褒められたりすることで生徒はモチベーションを上げることができます。それが個別指導では、なかなかできません。

そこで私たちは、アナリティクス画面を常時パソコンに出すことで、日々の学習時間を生徒が見られるようにしました。夏期講習会はランキングで掲示しましたが、これをモチベーションに頑張る生徒もたくさんいました。

生徒は「あの人には負けたくない」というライバルがいるもので、入退室画面を見てQRコードをかざす時に、「あの子に2分勝ってる」というような話をよくしています。これはやる気を引き出すのに効果的な方法の一つだと思います。

その他、生徒を褒める時には、他の生徒の前で褒めることも効果的です。大勢の前で承認されることに喜びを感じている生徒には、ヒーローのように褒めてあげています。他の生徒も、「あの子がこういう風にやっているなら、私も同じことを同じくらいやれば、成績が上がるのではないか」と思え、良い循環になります。

休校中もStudyplus for Schoolで他者と繋がることができる

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コロナ禍では、当塾でも一時休校措置をとりました。3月末から4月にかけて完全にオンライン指導をしていたのですが、その際、Studyplus for Schoolを使い、「motto5challenge」というイベントを行いました。

これは「1日5時間勉強する」というもので、私たちから随時メッセージを送ったり、生徒同士で励ましあったりと、Studyplus for School間で多くの交流が生まれました。


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また、こうした面白い問題をゲリラ的に出題し、Studyplus for Schoolで返信してもらい、最初に解けた人に賞品を渡すという企画もしました。
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学習時間のランキングも作り、連携している生徒全員に送ったこともあります。
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休校期間中は、Studyplus for SchoolでToDoリストという教材を自分で作り、その日の計画を毎朝立てる生徒も現れました。これは塾の方針である、セルフマネジメントや自己決定権に大きく関わることです。

この生徒の画面を私がスクリーンショットし、「こういう風に計画を立てている子がいるよ、振り返りがあるのはいいね」と話し、承認することで、本人も喜びますし、他の生徒も「こういうやり方があるのか」と学びになります。

実際に、他の生徒も真似し、全員がToDoリストを作るようになりました。「今日も頑張るぞ」「昨日はあまりできなかったから、今日はちょっと頑張ろうかな」など、Twitterのように書き込んでいる生徒もいました。休校で家に1人でいる中、他者と繋がる大切さを感じた出来事です。

生徒はやはり褒めてもらいたいと思っていますし、コロナ禍では繋がっているという実感を求めていました。1人で悶々としていると、他者と繋がっている感覚を失いやすいですが、Studyplus for Schoolのおかげで、失わずに済んだため、非常に良かったです。

LINE連携率100%ならではのメリット

学習塾は、合格実績やカリスマ講師の授業、地域ナンバーワンなど色々なウリがあると思います。しかし保護者が求めているのは、「自分の子に対して、何をしてくれるのか?」という一点です。

そのため私たちは、まず現状を分析し、生徒に合わせた改善策を提案し、進捗状況を1~2週間ごとに行い、必要に応じて修正しながら学習を進めるサポートをすると提示しています。そして、目標を達成した後に、どうなっていくのかまでお伝えします。

自分の子がどうなっていくのか、具体的に可視化できるようになった時、保護者が安心するというのは当然のことです。

LINE連携を通して保護者と繋がり、きちんと情報を共有するようにしています。現在、連携率は100%です。当初はLINEでのメッセージが頻繁にきて、返信に追われてしまうのではないかと思っていましたが、特に問題ありませんでした。20200911ベスト個別motto_Award登壇資料.pptx-43

連携率100%のメリットは、伝達の漏れが少なくなること、イベント案内が簡略化できること、教育情報を発信しやすくなることです。3つ目に関しては、当塾の保護者様は、教育情報に敏感な方が多いため、県内の入試情報や全国的な教育の流れをお知らせしています。


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時間割や月間スケジュールは、JPEGで送信しています。欠席連絡や講座追加の連絡も、LINEで伝えます。連絡方法を一元化したことによって、チェックミスがなくなり伝達の漏れがなくなりました。
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また、個別に寄り添ったメッセージも送ることができます。学習プランニング面談で生徒と話した内容は、カルテに記入しており、そのまま即日送信しています。今何をしていて、どういうような状況なのか。それに対してどういう提案をしているのかまで送っています。

保護者からも、悩みや相談を長文でいただけることもあります。このような内容に対しては、LINEで返すのではなく、緊急度を見極めて、必要に応じて電話することもあります。また、直接お会いすることもあります。

基本的に、対面での面談は年間2回設定しています。6月の受験生を中心とした志望校についての面談と、10~11月に志望校の最終確定面談と、成績が伸び悩んでいる生徒を対象とした面談です。これ以外に、上記のような悩みなどをいただいた際には、随時面談を設けるようにしています。

こちらからすれば、「生徒の一人」でも、保護者からすれば、「たった一人の自分の子ども」です。「我が子に対して何をしてくれているのか」を重視されている方が多いため、保護者様の希望に沿えるよう、今後もStudyplus for Schoolという窓口を活用していきます。


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一方で、デメリットもあります。それは、情報を伝達したつもりになっていたり、当事者意識が低下したり、未読スルーが起きたりすることです。カレンダーの画像を送っても過去の方に埋もれてしまい、日程を忘れられることも増えてきました。

また、自分に関係ある情報かどうかが分からないと、当事者意識は低下します。そのため、「中学校2年生の皆様へ」や「小学校の皆様へ」と宛先を明確化する必要が出てきました。今はタグ付け機能があるため、学校別・学年別・属性別にタグを付けて対応しています。

頻度が高いと、「またか」と思われ、未読のままになってしまいがちです。そのため、一斉連絡の頻度は、多くても週2回までに絞り込まなければいけないと思っています。重要な情報については、Studyplus for Schoolだけではなく、紙でも渡し、伝達漏れをカバーしています。

課題はLINEのルールづくりとスタッフの教育

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今後の課題として、まず返信のルールづくりをしていきます。例えば、授業中は生徒に専念するため、午後2時から3時の間に返信することをあらかじめ周知したいです。

クオリティの担保も課題です。ベテラン講師であれば機微に触れた対応ができる人材が多いのですが、1~2年目のスタッフは返信の言葉遣いなどまだまだ未熟な部分があります。クオリティを一定以上保つためにも、文言を定型化したり、スタッフを育成する予定です。

この様な課題の解決を目指ししつつ、これからもStudyplus for Schoolを活用し、生徒・保護者、そしてスタッフと連携をとっていきたいと思います。

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