〈基調講演〉Studyplus for Schoolによる学習管理を通して、学習塾のEDXをサポートする |スタディプラス【EXPO】

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、あらゆる産業でアナログからデジタルへの転換、サービスのあり方・働き方の見直しが迫られています。教育業界においても、少子化、採用難、地域格差、そして、新型コロナウイルス感染拡大と社会課題が広がる中で、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方の模索が加速しています。

Studyplus for Schoolでは、教育(Education)とデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation※略称DX)をかけあわせた「EDX」を標語に、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に挑戦する教育事業者を広く発信する取り組みを行っています。

そして、この度、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方を語る上で外せない、デジタル教材のオンライン展示会を開催することになりました。

今回は、基調講演として、株式会社スタディプラス取締役COOの宮坂より、弊社サービスのご紹介と今後の開発計画についてお話した内容をお伝えします。

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先生が伴走することで学習記録継続率が約3倍に伸びる

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スタディプラス株式会社取締役COOの宮坂です。私は、2017年にスタディプラスに入社して以来、Studyplus for Schoolの事業責任者として携わっています。

当社は、2010年に創業し、今年11年目を迎えました。そのうち7~8年は、学生向けの学習管理アプリStudyplusを開発しています。使い方は、まずStudyplusを立ち上げ、アプリ内のストップウォッチをセットした後、通常通り、ノートや参考書、教科書、映像授業などを使いながら勉強します。勉強が終わり、アプリを確認すると、自分がどのくらいの時間勉強していたかが分かり、その時間を記録していきます。

教科書の何ページをやったか、問題は解けたかどうかなどの振り返りの入力もできますし、写真を添付することも可能です。これを続けていくうちに、生徒は自然に自分の学習を振り返ることができるようになります。

また、匿名制のSNS機能も備えており、志望校ごとにタイムライン表示ができるため、同じ志望校を目指す学生同士の頑張りをいつでも見ることができます。とあるユーザーの高校生は、「自分と同じ東大志望の学生を全国で探して、最も勉強している子30人を見つけ、その30人に負けないように勉強したら合格できた」と話していました。

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Studyplusを使っている生徒1500人にアンケートを取ったところ、このような結果になりました。具体的な学習教科の理解というよりも、モチベーション向上・維持に特化したサービスであることを表しています。

このような特徴が口コミでも広まり、教育カテゴリーアプリランキングの順位は、2017年7月から常に上位についています。

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2020年は、新型コロナウイルスによりユーザーが2倍弱増えました。勉強記録をコツコツアプリのため、もともとは学力や進学意識の高い学生に偏っていましたが、コロナ禍での「自分で勉強を管理しなくてはいけない」という気持ちの高まりにより、もっと広い層の学生も使ってくれるようになりました。

2020年に限って言えば、大学受験生の約半分が登録したことになっています。最近では、中学生ユーザーも増加傾向にあります。

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ですが、Studyplusにも弱点があります。それは、学生が一人で勉強記録を続けようとしても、すぐ断念してしまうことです。ダウンロードから1か月後も続けて学習記録をつけているユーザーは、全体の3割にすぎません。大人も家計簿アプリやダイエットが続かないのと同じで、習慣化が難しいことが分かります。

しかし、例えばダイエットであれば、RIZAPのようにコーチがつき、一緒に伴走してくれることで習慣化できるようになります。学習記録の継続も同じだと思っています。

そこで活躍するのがStudyplus for Schoolです。アプリを学習塾の先生と一緒に使うことで、生徒一人でやるよりも継続することができます。

生徒の学習記録やデータを手間なく自動で集められる

Studyplus for Schoolの機能には、「集める」「見える」「気づく」「話す」という4つの側面があります。これは、生徒情報を集め、可視化し、生徒の変化に気づき、生徒・保護者とコミュニケーションをするという意味です。

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第一ステップは、「集める」です。生徒は、自分の学習計画を、アプリ上で設定することができます。2021年3月には、新しくカレンダー機能を実装し、GoogleカレンダーやiPhoneのカレンダーと同じように使えるようになりました。

例えば、「自習」という予定を2月19日の16時から17時に入力し、毎週平日に予定として入れたい場合は、繰り返し登録が可能です。さらに、この予定に学習教材を紐づけることができます。例えば、『ターゲット1900』を選択すると、自動で学習計画時間がカウントされます。進捗を確認すると、画像右側のように緑のグラフで学習の経過チェックもできるのが特徴です。

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学習記録については、本棚というゾーンに勉強する教材を登録できます。市販教材はバーコードで読み取れますし、独自教材など自分で入力することも可能です。

また、コンテンツ配信機能を使えば、先生がYouTubeやVimeoにアップロードした授業をパッケージ化して配信し、生徒が視聴したかどうかチェックすることもできます。

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Studyplus for Schoolは、上記のようなICTツールと連携しています。これらを視聴すると自動で学習記録がつけられるので、負担がかかりません。Google Classroom™では、課題を提出するとStudyplusの履歴として残ります。このように私たちは、学習記録のデジタル化を徹底していくことをミッションとしています。

また、カルテ機能には面談記録を残すことができ、塾オリジナルのテンプレートの登録も可能です。入退室記録は、QRコードをかざすだけでLINEを通じて保護者に連絡することもできます。

生徒の勉強量や予定をグラフやゲージで即把握

第二ステップは、「見える」です。カレンダー機能では、生徒一人ひとりに対して予定を立てることができるだけでなく、どの時間に誰が何をして過ごしているかが一目で分かります。

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こちらはアナリティクス機能の画面です。誰がどれくらい勉強しているかが一覧で分かるようになっています。勉強している生徒は赤く、勉強できていない生徒は青く表示されます。よく青い生徒ほど退塾しやすいとの話を聞くので、そういった生徒に優先的に声かけできるようにもなります。

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また、生徒名をクリックすると、教材ごとの学習時間推移が分かるようになっています。面談の際に、どの教科をどのくらい勉強したかをヒアリングするとなると20~30分はあっという間に過ぎてしまいます。しかし、これなら一目見るだけで分かるため、一回の面談が短くなり、今までより頻繁に行うことができます。

計画の進捗をチェックする際に役立つのが、プランニング機能です。どの教材をどのくらい進めたか、ゲージで見ることができます。

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タイムライン機能では、生徒一人ひとりの勉強記録が最新順で出ます。先生はこちらから「いいね」やコメントでフィードバックできます。Studyplus for Schoolを上手く活用している教室では、生徒一人が月に30前後の「いいね」をもらっているという記録が出ているので、ぜひ参考にしてください。

生徒の変化を自動検知し、適切なコミュニケーションをサポート

第三ステップは、「気づく」です。学習状況などが不安な生徒に、先生自ら気づくことができれば良いのですが、複数の生徒対応をしていると、気づきにくい可能性があります。

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そこで役立つのが、アシスタント機能です。「高校3年生で、直近7日間の勉強時間が10時間を切った生徒」のように指定すると、その条件にヒットした生徒を自動でアラートします。これにより、うっかり気づかないという事態を避けることができます。

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第四ステップは、「話す」です。Studyplus for Schoolのメッセージ機能は、LINEのようにコミュニケーションをとることができます。しかし、LINEと違い、先生1人対生徒1人ではなく、生徒1人対教室1個という構造です。教室の中でのコミュニケーションがオープンになるため、常に目が届く状態になります。

Studyplus for SchoolのSNS活用については、出会いやトラブルに繋がらないよう、先生・生徒間のやりとりもすべて匿名化した上で、人の目で監視しています。もし問題があれば、レポートが上がる仕組みですが、これまでそういったトラブルが起きたことはありません。

昨年には、Zoomと連携し、ミーティングURLをZoomアプリを開かずに2クリックで生徒に共有できるようになりました。

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保護者とのコミュニケーションは、LINEで行え、学習時間や面談記録のデータをワンクリックで共有できるのが特徴です。

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対応端末はこの通りです。生徒はスマートフォンやタブレットでアプリ版を使うことが多いです。ブラウザ版、パソコン版は機能が少なく、カレンダー機能や学習計画機能が使えないため推奨していません。尚、Chromebookはアンドロイドアプリに対応しています。

定期的なイベントを通してStudyplus for Schoolの活用を徹底サポート

ここからは、当社のサポート体制についてご案内します。初めて導入される方には、操作説明の動画を共有しています。細かな使い方から実際に何ができるかまで、サービス内容を総合的に理解できる動画です。

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また、導入前のサポートとしては、3カ月の無料トライアル期間を設けています。こちらは、即導入したいという塾にも必ずご利用いただいています。というのも、Studyplus for Schoolは先生がやらなければならないことが少なくありません。そのため、実際にどれくらいの負担があるのかを見極めた上で、導入いただくようにしています。そして、導入していただいてからは、運用がスムーズに行えるよう、しっかりサポートさせていただきます。

イベントも定期的に開催しています。例えば、5月には、Studyplus for School Awardというイベントを予定しています。このイベントでは、全国のStudyplus for Schoolを有効的に活用いただいている塾の実践例を聞くことができます。モデル校の活用レポートをお配りし、ICTツール利用時に抱える「この使い方は合っているのか」「ツールが悪いのか、それとも使い方が悪いのか」などの不安を解消しています。

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こちらは、大学別合格者データです。40~50大学の合格者が、最後の1年間でどのくらい勉強したか、どんな教材を使っていたかという情報をランキングにしています。

そして、S-1グランプリという全国各地の生徒と学習時間を競う大会を開いています。春期講習・夏期講習・冬期講習期間中に開催し、塾の活気を上げたり、長期休みに起きやすい中だるみを防ぐ目的があります。

コーチング中心の指導を支えるICTツール

最後に、製品理念についてお話します。私たちは、これからの子どもたちにできるだけ良い人生を送ってほしいと思っています。一方で、昨今よく議論されているのが、AIや機械により、人間の仕事が奪われるのではないかという話です。仕事のメインは機械になり、人間はその隙間を埋めるだけになるのではないかという議論があります。

ですが、それでは人間の仕事にノウハウがなく、やりがいも成長も見出すことができなくなります。決められた時間だけ作業をこなすような未来になるのではないかと懸念されています。

こうした中で、経済産業省が始めた「未来の教室」プロジェクトでは、変化の激しい社会において個人が責任を伴う「自由」を手に入れて幸せに生きるためには、決められたことを決められた通りに行う力だけではなく、自分なりに考えて、自分なりのやり方で答えにたどり着くことが重要視されています。

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学習塾に目を向けると、少子化によって、特に高校生の集団指導クラスを成立させるだけの生徒が集まりにくくなってきました。個別指導は、この20年で数が増え、求人倍率が高くなったことにより大学生講師の確保が難しい状況です。さらに、首都圏では時給も高騰しています。

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だからこそ今、デジタル教材の導入が増えています。中には、直接指導を辞め、デジタル教材に一本化し、講師はコーチングだけをやるという自立型学習塾も増えました。

しかし、デジタル教材が普及する一方で、コーチングが空洞化してしいることも実態としてあり、その結果、実は理解していなかったし勉強もしていなかったということが、この2~3年で多発しました。

これを解消するためには、学習管理などのコーチング面を強化しなくてはなりません。

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一口にコーチングと言っても、その内容は様々です。生徒の話をただ傾聴すれば、学力が伸びるわけではありません。では、どういったことをすればいいのか考えた時、シチュエーショナルリーダーシップ理論が参考になります。

これは、上司と部下の関係性を表した理論ですが、学習塾でも活用できる部分があります。初めは、部下の業務に対する習熟度が低いため、上司の指示通り行動します。部下の習熟度が上がるにつれて少しずつ、部下側に提案をさせたり、上司は部下の行動を援助する関係性になっていきます。最終的に目指すのは、上司は指示を出さず、「基本的には好きにやりなさい」という関係性です。

学習指導においても、同じように、初めは、勉強が習慣化していない生徒に対して、先生が「これくらいやろう」と指示を出します。そこから少しずつ、生徒の自立度合いに応じて指示を減らします。理想形は、生徒が自分で学習計画を立て、学習進捗も自分でコントロールする形です。

しかし、こうした理想を実現することは簡単ではありません。教室に生徒が30人いる場合、それぞれの自立度合いを常に最新情報で把握し続ける必要があり、とても大変です。

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これを解決するためには、非同期型の学習管理が役立ちます。これは、先生と生徒は常に情報が共有され、先生は手が空いた時にいつでも生徒の様子を見て、すぐコミュニケーションできる状態です。

つまり、「生徒が自立していれば面談は不要なのに、自立しているかどうかは面談しないと分からない」というスパイラルから抜け出せます。そのためには、アナログからデジタル化することが必須です。

当社以外にも、教育に関するICTツールは増えています。それぞれの強みは異なるため、一つの塾で、複数ツールを導入するケースが多くなってきました。すると、その分だけ管理画面が増え、先生が毎日チェックする作業が増えてしまいます。そのため、Studyplus for Schoolでは多くのICTツールと連携し、管理の一元化も実現しています。現在連携しているツールは、ウイングネット、ベリタスアカデミー、デキタス、Assist、成績Apシステム/教科書ナビ(自律学習システムRatio)、Google Classroom、すらら、ピタドリ、eトレ、ビットキャンパスタッチ、TerraTalk、CHATTY、TechAcademyジュニア、そろタッチです。

Studyplus for Schoolを徹底的に活用する5つのポイント

先にも話しましたが、Studyplusでの記録づけが続かない生徒はかなり多くいます。そういった場合、塾の先生が上手く関わることで入力率を引き上げ、学習管理を行うことが可能になります。

より効率的に入力率をアップさせるため、Studyplus for Schoolを徹底的に活用している塾ではどのようなことをしているのかリサーチしました。その結果、5つの共通点が見つかりました。

1つ目が、「学習記録を教室のルールにしていること」。学習記録をつけて適宜振り返ることを、塾の中で当たり前にしています。

2つ目が、「フィードバックを毎日実施していること」。生徒の記録に対して、先生が毎日「いいね」するなど、オンラインでフィードバックしています。

3つ目が、「学習進捗を毎週/隔週で確認していること」で、4つ目が、「学習計画を毎週/隔週で確認していること」です。定期的に計画をアップデートし、進捗確認によってしっかりメンテナンスしています。

5つ目が、「学習時間ランキングを掲示している」こと。生徒同士で切磋琢磨する雰囲気をつくることができます。

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この5つの施策のうち実行している施策数と、その塾の生徒の学習記録率の相関関係を調べたところ、数が多ければ多いほどStudyplus for Schoolを活用できていることが分かりました。5つのうちどれもやっていない塾では、生徒の入力率はほぼ0に近い状態でした。

この5つをどう実現していくか、自立型や個別指導など各業態に合わせて落とし込む必要があるため、無料トライアル期間を設けて、担当のサポートもつけています。

最後に、私たちが目指しているのは、学習塾や教育機関のデジタルトランスフォーメーションです。Studyplus for Schoolを通して、これを実現するため、これからもカスタマーサクセスに注力しながら、学習塾の先生方を全力でサポートしていきます。



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