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Google Classroomなど複数のICTツールを組み合わせたオンライン指導方法|宮崎教室【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウィルスの感染拡大により、学習塾業界は教育サービスを提供できず、事業の継続が困難となるリスクが発生しています。これを防ぐために急速に高まっているのが、オンラインでの指導体制の整備の重要性です。

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。今回は宮崎教室の宮崎先生にお話を伺いました。

宮崎教室について

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宮崎教室の宮崎です。うちの塾は神奈川県大和市の中央林間にあり、今年で33年目を迎えます。これまでずっと1教室でやっており、基本的には私が一斉指導をし、卒塾生がチューターとして個別指導をするという形態です。

定員は小学生が各クラス5名、中学生が各学年10名、高校生が各学年5名です。小5で入塾し高3年までうちで勉強して、大学生になったらうちでチューターをやるという子が多いです。

学習塾以外にキッズクラスが併設されていて、そろばん、習字、プログラミングも教えています。ただ、これらはコロナ禍の休校中はお休みです。

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うちは以前から、積極的にICTを取り入れてきました。Assistは小中高生に10数年使っており、高校生にはベリタス・アカデミー小学生にはビット・キャンパスも取り入れています。

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それから、モノグサというツールが非常に気に入っています。これは例えば「difficult:難しい」と情報を入れると、AIが勝手に5択や6択の選択肢を作ってくれるというものです。また、音声認識もできるので表示された英単語を生徒が読んで、それがあっているかどうかを判定してもらうという使い方もできます。自分の発音を自分で聞くことで、リスニング技能の向上に役立つでしょう。

もちろん、モノグサは英単語以外にも使えます。今、チューターたちは大学の授業もなく時間があるので、英単語や社会・理科のデータをモノグサに入れてもらっているところです。

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その他使っているICTツールはExplain Everything、manabo、吉備システム、それからStudyplusです。今回オンライン指導に切り替えるにあたり、もともとこうしたものを利用していたので、コロナ後も、私自身も生徒たちも非常に移行しやすかったと思います。

うちの塾で以前からICT化を進めていたのは、人を雇って一緒にやっていくのが苦手だったからというのがあります。人を使うより機械を使った方が早いというのもあり、いろんなツールを使い始めました。

オンライン指導の流れと使用しているICTツール

コロナ騒動を受けて、4月8日以降にオンライン指導に切り替えることを決め、その方針について小中学生の生徒には動画で話しました。内容は、まずコロナウイルスに感染しないように気を付けること。そのために塾には来ず、オンラインで授業をすること。そして休校期間中もダラダラせず、家族の一員として家事などをすること。最後に、イライラせずに他人に優しい気持ちで接することなどを話しています。

休校中は家事をお家クエストと呼んで、犬の散歩やトイレ掃除など、生徒が自分でクエストを見つけて実行してもらうことにしました。塾からはクエスト用のシートとシールを送付し、一つこなしたら一つシールをはっていくという形で、休校明けにシールが多かった生徒に景品を渡す予定です。

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4月8日以降の指導方法についてですが、基本的にZoomをつないでオンライン指導をしています。やり方として、まずStudyplusで学習プランを立て、ベリタスアカデミーやExplain Everythingというアプリで作った映像授業を試聴してもらいます。その後zoomで授業をして、小テストや課題をこなし、Google Classroomに提出するという流れです。

授業で教材として使っているのが、デジタル新小学問題集やiワーク、NHK for schoolといったものです。3月中からオンライン指導を始め、色々と試行錯誤を繰り返して今の形に落ち着きました。

Google ClassroomとGoogleフォームの利用

オンライン指導は、どうしても一方的な授業になりがちです。生徒の手元を映しても、なかなかリアルな授業と同じようにはできません。そうなると、評価のための小テストなどが出来ず、そこに課題を感じていました。しかし、Google classroomを導入してから改善しました。

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Google Classroomのメリットは、とにかく整理整頓がしやすいこと。LINEで課題を提出されると学年も内容もバラバラに届きますが、Google Classroomなら生徒ごとや教科ごとに自動でまとめてくれるので、その分管理が楽です。

LINEで提出されると、画像を保存して編集アプリで添削しそれを画像にしてまた送るという工程が必要でした。しかしGoogle Classroomなら一連の流れをほぼ一括で完結できます。

生徒それぞれにどんな課題を出していて、どれが未提出で、どれが終わっているかが一目瞭然で分かるようになっています。そこから課題を選ぶと、そのまま編集できるので直接添削でき、返却をクリックすればすぐに生徒に返却されるというものです。

ほぼ全ての生徒が家庭でプリントアウトできるので、何人かに郵送するだけであとは全てオンラインで完結するので簡単です。

一覧画面では課題ごとに何人に出していて、そのうち何人が提出しているかも確認できます。チューターに丸付けを頼むのも簡単ですし、ファイルや映像も添付可能です。だから理解ができていなさそうな生徒には、Explain Everythingでちょっとした授業を作ってあげて、それを添付して「これ観なよ」と指導することも可能です。

またオンラインで完結するので、紙と違ってなくなることもありません。コロナ騒ぎが終わった後も、課題はこのままでやっていこうかと思っているくらいです。

Google Classroomは課題提出以外にも役立ちます。例えば掲示板のような使い方もできるので、「今週の授業について」という情報をまとめておいて、生徒たちがそこを見るだけで授業変更などを知ることができます。

Google Classroomだけでなく、今後はGoogleフォームも使おうと思っています。例えばこれで単語テストを作って解答を入力しておくと、生徒が解答したものを自動で採点できるんです。ラジオボタンでの解答もチェックボックスでの解答もでき、記述式も可能です。うちではまだ導入できていませんが、まず英単語テストからやるといいのではないかと思います。

Googleフォームはテストだけではなく、毎日の学習記録や一日の振り返りにも有効です。「今日の体調どうでしたか?」という質問に、「良い」「悪い」と選択肢を作ってあげて、数分で終わるようなフォームを準備すれば、生徒の状況を簡単に把握できるのかなと思います。

オンライン指導における課題

Google Classroomを使うにはGoogleアカウントが必要ですが、小学生は保護者のアカウントを使用していることが多いようです。土地柄かITスキルの高い親と保護者が多く、タブレットがないというご家庭はありませんでした。

もともとうちが前からタブレットを使っていたり、保護者には公式LINEに入っていただいてそこでやり取りしていたりしたので、スムーズにできました。ただ、問題がないわけではもちろんありません。

オンライン指導では授業中の採点や進捗管理は難しく、一番いい方法を挙げるなら、PCでZoomを繋いで同時にスマホでLINEも繋げて、手元を映しておくというやり方です。また、分からない問題は写真に撮って送るのもいいと思います。

ただ、この環境を作るのは生徒にとってほぼ不可能なので難しいですね。デバイス一つでやろうとすると、まずZoomを繋いでおいて、分からない問題があったらZoomをとめて問題を写真に撮って、LINEで送るという工程が必要になります。生徒にスキルがあれば共有機能をONにするというやり方はできるかもしれませんが、なかなか厳しいでしょう。

課題は各自家でやるので、やろうと思えばカンニングは簡単にできてしまうという問題もあります。高校生は大学入試という目標があるので大丈夫だと思いますが、中学生は難しいところです。ここは生徒本人に自覚を持たせて、信じてやっていくしかないですね。

保護者や生徒とのコミュニケーション

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保護者との連絡は公式LINEを使っており、積極的に色んな情報を送信しています。グループわけができるので、学年ごとの情報も送りやすいです。月間1,000通までは無料ですが、うちではそれ以上やり取りがあるので月額5000円のアカウントを使っています。

保護者とのコミュニケーションでメールはもう使えませんし、ましては電話では話になりません。やはり日ごろから使い慣れたツールが一番なので、LINEがもっとも適しています。LINEのハードルはものすごく低く、普段話せないこともどんどん喋ってくれます。

生徒も、LINEはすごく使い慣れているツールなので、気軽に連絡してこれるようです。

IT補助金申請の可能性

今まで、IT補助金を申請するには新たにシステムを入れなければいけないという条件がありました。そのため塾がPCやタブレットを買うのは対象に含まれなかったんです。しかし新しく特別枠が設けられて、非対面的ビジネスを構築すれば補助金がもらえるようになるようです。

私は、非対面的ビジネスとはまさしくオンライン指導のことだと思っています。補正予算が通れば特別枠が申請できるので、みなさんもぜひオンライン指導を始めたらこの補助金を申請してみると良いと思います。

コロナ後に展開される新しい塾の形

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うちは大きな塾ではありませんが、昨年からオンライン指導で四国や九州の生徒を受け持つようになりました。また、BASEに教材を置きGoogle Classroomに課題を提出してもらい添削するという形の指導も始めようと思っています。また、Studyplusや成績Apを活用して、新しい高校生向けのオンライン指導塾を立ち上げているところです。

新しい指導方法が定着するなかで、大小に関わらずどの塾も、どういうICTを組み合わせてどうやって生徒を指導をしていくか、もっと考えていかなければいけないのではないかと思います。

ただ、個人塾の場合はその塾の先生の考え方が全てです。だからどんな考えを持っているかを日常的に発信して、保護者や生徒と密な関係が構築していくことが大切だと思います。うちもこの騒ぎの中で色々やっていますが、おかげさまで退塾者は一人も出ていませんし、ITに弱い保護者も一生懸命頑張ってくれています。これはやはり日常的に発信していて、こちらの考えを理解してくれているからです。

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オンライン指導ができるようになったことで、コロナ騒動後は時間と空間を超えた新しい塾が作れるようになると思います。場所の概念がなくなって、大手の塾や予備校もどんどん新しいシステムを構築して、新しい形態が出来ていくのではないでしょうか。

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オンライン指導会は、今後継続的に開催していきます。ご興味のある方はこちらから詳細をご覧いただき、ぜひお申込みください。


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