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地域間の教育格差をICTの活用でカバーする(後編)|京大個別会原町本校

Studyplus for Schoolを導入いただいた先生方に、お話を伺うコーナー。今回は、前回に引き続き京大個別会原町本校さんにお話を伺います。南相馬で都心と同じレベルの教育水準を得るために、ICTを活用されている佐藤先生。Studyplus for Schoolを含むオンラインでの指導の可能性について教えていただきました。

地元しか見えていなかった生徒の視野がStudyplusで広がった

-Studyplus導入時にどんなことを期待されていましたか?
生徒の視野を広げることです。この地区は偏差値平均があまり高くないので、井の中の蛙になってしまいやすいんです。だから国立に行きたいという生徒にこのままじゃダメだよと伝える必要があるのですが、合格までに距離があることを伝える根拠がありませんでした。

でもStudyplusを使えば、全国の同級生がどのくらい勉強しているかが見えます。そこがいいと思って導入しました。実際に生徒たちは他の地域の子たちの勉強量を見て、少しずつスイッチが入りました。また、コミュニケーション面でも効果がありました。

-コミュニケーション面ですか?
高校生の人数が30人くらいになって、一週間で面談を回すことができなくなったんです。それでも「いつも近くにいるよ」という気持ちを見せたかったので、新しいプラットフォームで生徒たちをまんべんなく見れるものが欲しいとも思っていました。

Studyplusを入れてからは面談の数も減らしながらそうしたアピールもできています。それに、高校卒業して地元からいなくなった卒塾生も、Studyplusで生徒と面談させられるのでアルバイトとして働いてもらえるようになりました。

-今はどのくらい面談されているんですか?
週1です。以前は私が月1でやっていたんですが、アルバイトの大学生が毎週面談するようになりました。1回30分で、その週やったことを振り返って、これからどうするかも話します。PDCAをまわすための時間ですね。

-プランニングはどうされていますか?
受験コンパスを使っている生徒の場合、受験コンパスの年間予定を月ごとに落とし込んでいるので、それを週ごとにしたものを作っていきます。基本的には生徒に入力させ、どの科目をどの比率でやるかも本人の裁量に任せています。

ただ、計画自体はできてもそれをStudyplusのプランニングの方に入力するところまでは出来ない生徒もいるので、ここが課題です。それが出来ればガンチャートで達成率を見て、遠隔でも対応ができると思っています。

-勉強記録については、生徒が入力するようになるまでどのような工夫をされましたか?
人海戦術ですね。まず最初の一か月はアラート作戦でいこうと、講師と話しました。毎日チェックして、「記録して!」とメールをしました。すごいテクニックがあるわけではなく、とにかく毎日徹底したという感じです。

—先生たちが協力して、毎日生徒に声掛けされていたんですね。
そうです。あとStudyplusの使い方でいうと、他の塾さんがどう活用しているかを見て、そこから真似することがあります。最近はgoogleドライブを使って、チェックテストの進行具合など生徒管理を全てドライブ上で管理するようにしているんです。そして、ドライブのURLをStudyplusでどんどん共有しています。今まで「ここまではできないだろう」と思っていたことも、全てできていますね。

生徒がStudyplusに記入したものを、こちらでドライブ記録するだけで、一元的に管理できるのはすごく楽です。

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-作業が効率化されたんですね。
そうです。私は生徒が来る前からStudyplusをチェックしたり、経営面でのやらなければいけないことを色々とあります。バックオフィスも全部自分でやらないといけずかなり大変なので、効率化できたのはありがたいです。

-お昼ごろまではそうした作業をされて、そこからは生徒対応という流れなんですね。
そうですね、まず小学生が来るので、そろばんをやったり、英語・算数・国語をやったりします。夕方6時ごろに帰っていって、入れ替わりで中高生が一気にやってきます。私は下のフロアにいて高校生は上のフロアにいるのですが、面談をするタイミングになったらStudyplusでメッセージを送って、下に来てもらって話すという流れです。

テストをやるときは下から遠隔で問題を出して、LINEで回答を送ってもらったら私がて丸つけして、またLINEで返すということもやっています。上のフロアは自習室になっていて、私が行くことはあまりないですね。

-フロアで使い方を分けているんですね。休憩はどこでされますか?
実は、休憩する場所がないということに悩んでいるんです。他の自立型の塾さんだと、受付の前や教室長の前のスペースが憩いの場になることもあるようなので、そこに来てもらってもいいかなと思います。

オンラインを活用して講師が遠隔から面談する

-教室では他の先生も出勤されていますか?
私と、新卒で採用した卒塾生は常駐しています。その社員には中学生をメインに見てもらっていて、私は小学生と高校生担当という形です。お互い、40人くらいの生徒をさばいています。

-アルバイトの方はいかがですか?
千葉など遠方にいます。だからZoomとSlackで連携して、面談も遠隔で行っています。ICTを導入して気付きましたが、もうアルバイトの先生が有名大学に通っていたり、塾に来られる範囲に住んでたりしなくてもいいんです。

要するに、コミュニケーションがオンライン上できちんと取れて、勉強ができなくても勉強の仕方を伝えてあげられれば成り立ちます。勉強の内容に関しても、写メQ先生という解説に役立つものがあるので、その使い方だけを教えてあげて、生徒本人がそれを使えばいいんです。

-確かに、そういったやり取りができれば問題ありませんね。
そういうこともあって、今年の4月から高卒生を新入社員で採用しました。偏差値が高いわけではないのですが、それでも問題ないと思います。

そもそも田舎には、18~22歳の人がいないんですね。都会なら塾で現役大学生くらいの人に教わるのが普通だと思いますが、こちらだとシニア世代の人が教えているのが一般的なんです。

だから入塾面談「塾ってどんなイメージ?」ときくと、「おじいちゃん・おばあちゃん、おじさん・おばさんでやってる」と答える子ばかりなんです。でも受験では全国の同級生と戦うから、同じ環境が必要だと思います。

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-地域的な格差を埋めるために新卒採用をされたんですね。
そういう人が身近にいれば、地元の生徒たちも「自分もこんな風になりたい」と思えると思うんです。だから地元の高卒生の卒塾生や、都会に出ていった卒塾生を雇おうと。

他の地域でも、ネットさえつながっているなら絶対にできると思います。最終的には、無人塾をやりたいんです。無人の場所を作っておいて、ログインしたらZoomがつながってコミュニケーションがとれたり、カメラで勉強を見てあげたり、そういうものができたらいいと。

そう考えると、今コロナで大変なことになっていますが、必ずしもデメリットしかないとは言い切れないと思います。

-どんなポジティブな面があると思われますか?
保護者からすると、オンラインに悪い印象を持っている人は多いと思います。対面の方がよくて、オンラインでは集中できないとか言われますよね。でも今回のコロナを機に、通塾できないのでオンラインで対応することが増えました。実際にやってみたら、「オンラインでもいいな」と思っている保護者のはずなので、ここで一気に広げられると思います。

ICTツールで地域での教育格差を埋める

-震災後に塾を始められて、感じたことはありますか?
震災が与えた影響を例えると、「子どもの一軍が抜ける」という感じがします。一時的に出ていったはずの子どもたちが、都心に出てそこで教育を受けると「なんだ、南相馬って学力低かったんだ」と気がつきます。これは保護者も同様です。

だからそこでそのまま順応して、もう帰ってきません。戻ってくるのはそれについていけなかった子が多いです。だから、震災のせいで学力が下がったと思いました。ただ、昔の自分を振り返ると震災より前からすごく教育水準が高かったわけではないんです。

-それは、どういった理由によるものだと思いますか?
まず、近くに大学がありません。だから進学するような子は、この地域から抜けていってしまいます。それから近くにハイレベルな高校もなく、偏差値50くらいの学校が進学高とされていて、その他に農業高校、商業高校があるくらいです。

つまり地域性の問題なんです。勉強に対する意識が低い状態の子たちが多いので、塾ではそれをぶち壊そうと。県外の話をしたり、この学区にはなかった自立指導を始めたりして、「先生自身も新しいことをやっているから、君たちももっと外の世界に目を向けて」という思いを持っています。

-今この地域にあるものがすべてではないと、分かってもらうためのチャレンジですね。
生徒たちが大人になってから「あの塾の先生、あの時変なことやってたな」と思ってもらえたらいいですね。今回もコロナが起きてすぐに、オンライン指導を初めてで市内の子を受け入れると宣言しました。

それから、うちではオープンにしていないのですが、東大京大プロジェクトというものをやっています。中学生が100人くらい集まっていて、東大と京大合格を目指すためのものです。これまで、東大・京大・東北大に入った実績があります。

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-プロジェクトについて詳しく教えてください。
この辺りでは東大や京大を目指そうという人がいないですし、保護者の方も「お前じゃ無理」という話をしてしまいます。でも都会ならそういうところを目指す子が多くいるので、当たり前だとよ伝えているんです。

対象は中学生なので、早くて3年後に結果が出るっていうものです。このプロジェクトで地域間格差をなくして、平等な環境を作りたいと思っています。

-東大・京大を目指すくらい、地域の教育レベルを上げていかれるんですね。
そうです。震災で一回外に出て、戻ってきてみると危機感を持ちます。だから「教育格差をなくしたい」と言っているうちの塾は、そういうギャップを埋めることが求められています。

保護者の方も、教育熱が高い人が比較的多いです。そういう方たちと一緒に、ICTツールを活用して南相馬の教育水準を引き上げていきたいです。




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