講師一人の教室でも、レベルに合った高校部新設が可能|成績Apシステム/教科書ナビ【EXPO】~映像授業部門~

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、あらゆる産業でアナログからデジタルへの転換、サービスのあり方・働き方の見直しが迫られています。教育業界においても、少子化、採用難、地域格差、そして、新型コロナウイルス感染拡大と社会課題が広がる中で、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方の模索が加速しています。

Studyplus for Schoolでは、教育(Education)とデジタルトランスフォーメーション(Degital Transformation※略称DX)をかけあわせた「EDX」を標語に、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に挑戦する教育事業者を広く発信する取り組みを行っています。

そして、この度、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方を語る上で外せない、デジタル教材のオンライン展示会を開催することになりました。今回は、映像授業の成績Apシステム/教科書ナビの長澤様とみしま時習館の斎藤先生にお話をお伺いします。

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塾の高校部立ち上げに役立つ成績Apシステム/教科書ナビ

成績Apシステム/教科書ナビを開発している、株式会社TripleWin代表の長澤です。私は、以前、学習塾の講師として集団指導を担当していました。キャリアは15年ほどで、そのほとんどが高校生指導でした。大学受験指導に携わっていたノウハウや知見、人脈を活かし、現在は、高校生に特化した学習塾向けにコンテンツサービスを提供する会社を経営しています。

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弊社では、塾の運営もしておりますが、メイン事業はICTツールの提供です。2009年にスタートし、2011年に法人化しました。主力商材は、上記の通り3つあります。

2020年の春は、緊急事態宣言もあり、新規生徒の募集がほとんどできませんでした。そのため、夏を過ぎても空席が続いている塾が多くあるようです。一年で落ち着けばよかったのですが、現在も自粛状態です。こうなると、2021年春の募集も厳しくなるかもしれません。

コロナ禍で、特に、個人塾では教室をたくさん展開し、広く面で取っていく戦略は難しいでしょう。その中で、中学3年生の生徒がごそっと抜けてしまうと、経営的に厳しくなります。ですので、彼らをどのようにして高校生でも通塾できる状態に繋げていくのかを考えた方がいいと思います。

その中で、弊社のコンテンツがどんな風に役立つかをご紹介します。高校1年生の継続で課題を抱えている方や、新たに高校部にチャレンジしようという方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

受験状況が変わる中で伸びてきた推薦系入試

高校部をつくる上で、ゴールは大学入試だと思わいます。そのため、先生が大学入試をどういう風に捉えているかが重要になります。

今まで、中学生を指導してこられた先生は、高校受験に関しては精通されていると思いますが、大学受験については、よく分からないというのが現状ではないでしょうか。実際に、どういう高校部をつくればいいかイメージできないなどご相談をいただくこともあります。

そこで、まずは、大学入試自体を俯瞰し、現状がどうなっているのか、どういうところに力を入れて高校部をつくるのがいいかをご説明します。

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1985年から大学進学者は増え続け、進学率も伸びています。一方で、少子化が進み子どもの数はどんどん減っています。現在の中高生の保護者は、いわゆる団塊ジュニアと呼ばれている世代で、今の子どもの約2倍くらいの人数がいます。

ですが、画像のように、人数は半減しているのに、進学率が上がっているということは、つまり、「大学に行こう」と考える層が広がってきたことを表します。以前は、主に地域で1番の進学校の生徒が進学していた状況から、現在では、進学校以外の生徒も進学を希望している状況に変化しています。

そういった生徒も、当然ですが、共通テストでは、偏差値65を越えるトップ校の生徒と勝負しなくてはなりませんしかし、歯が立たないことも多いのも事実です。にもかかわらず、進学率が伸びているのには、推薦系入試が増えていることが背景にあります。

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現在、4年制大学の進学率は、50%台で高止まりしています。地方でもこれくらいの数字ですし、首都圏や関西圏では6割を超えています。

私大の定員の半数は推薦系が占めていますし、国公立大学でも30~40%の生徒が推薦系入試で入学しています。

また、一般入試でも、調査書活用の流れが出てきています。内申点や学校での活動を重視し、学校推薦型選抜や総合型選抜で学力検査を課します。つまり、筆記試験の結果のみで合格できたり、内申点だけで合格する時代からは変わってきています。

合格者数の厳格化も進んでおり、中堅大学でも、定員の110%までしか合格者を出してはいけないというルールになっています。簡単に言い換えると、一般受験がものすごく狭き門になっているのです。

実際に、4月からずっと河合塾の模擬試験でA判定だった生徒が、受験では落ちてしまったという事例もあります。もう従来のデータは使えず、いわゆるセンターリサーチも意味がなくなってしまいました。

そして、高校3年生になって予備校に通いはじめ、知識を詰め込むやり方では、上手くいきません。これからは、学習の積み重ねが問われていきます。

高校3年生の選択肢をできるだけ多く持つ

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現在の受験の定員は画像の通りですが、3種類ある選択肢を全部持つことができれば、受験のチャンスは広がります。そのためには、「高校3年生に進級した時、どれだけの選択肢を持っているか」を重要視する高等部をつくる必要があります。

しかし、生徒はその重要性に気がついていません。受験生になって初めて進路と真剣に向き合った時、「志望校は学力的に厳しいから、推薦系入試を受けたい。でも、内申点が足りなくて出願できない」となってしまいます。

学校としても、中堅校であれば、進学実績を上げるために、推薦枠を使った方がいいと思います。上位層の生徒と競争せず、学校での勉強をコツコツ頑張ってくれればいいからです。それでも、内申点が足りず何百という推薦枠を余らせている学校が多くあります。

ただし、「推薦のために学校の成績を上げる」という解釈ではありません。大切なのは、高校3年生になった時に可能性が残っていること、そして学習習慣がきちんと身についていることです。高校1年生の時から、きちんと学校の勉強をしておくことができれば、一般受験をすることになってもスムーズに移行できます。

中学卒業と同時に退塾し、高校3年生になって慌てて戻ってくる生徒もいますが、それではどうにもなりません。他の塾に行くこともなく、部活かバイトしかせず過ごしても、受験には間に合わないのです。

だからこそ、自塾で高校部をつくり、高校1年生から面倒を見てあげること。これができれば、保護者も予備校に大きなお金払うことなく、受験を迎えることができます。

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予備校には中学生・小学生部門がないため、外部集客をせざるを得ません。そのため、莫大な広告費用をかけます。有名予備校であれば、一千万単位の報酬を払ってカリスマ講師を連れてきます。

しかし個人塾では、この必要はありません。ほとんどの塾では、中学生向けの指導がベースとなっており、その上に高校部がある形だと思います。この場合、高校部の在籍数目標は全体の20%くらいになるでしょう。

例えば、80人いる教室であれば、高校部に進むのは15人です。1学年5人程度ですから、そのために外部集客する必要はありません。中学を卒業した生徒が残れるような高校部をつくることができれば十分です。

定期テスト対策に注力し生徒の層に合わせた指導をする

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新たに高校部をつくるとなると、どうしても青い矢印の部分を意識します。地域のトップ層の生徒を集めるならば、これでもいいのですが、自塾の中学部から生徒を持ち上げるならば、その生徒の学力層に合った高校部をつくる必要があります。

個人塾に通っている生徒の多くは、黒い矢印の部分にいます。そのため、受験対策用の高校部をつくっても、マッチしません。そこで、赤い矢印部分の定期テスト対策にシフトする必要があります。これであれば、青と黒の全てのゾーンの生徒を対象にすることができます。

中には、「高校卒業後は就職するだろうから、塾はいらない」と考える人もいます。しかし、地方でも首都圏でも、高校生の就職はほぼすべて推薦で決まります。何を基準に推薦するかというと、内申点です。つまり、高校1年生、高校2年生の間に学校の成績を上げることがものすごく重要になります。

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高校部をつくる時、中学生と同じ学習サイクルを確立することが大切です。中学生の場合、どの塾でも、まず予習をしています。すると、生徒は学校の授業がよく理解できるため、「塾に来てよかった」と満足度が上がります。そして、塾でテスト対策もできると、学校の定期試験で良い点が取れ、また満足度が上がります。これにより、学校の友達を呼んできたり、保護者の中で口コミが広がったりします。

ですが、このサイクルを、高校1年生、高校2年生で回せている塾はほぼありません。というのも、高校生を対象にした予習型の授業は、非常に難しいからです。中学の授業と比べてボリュームも難易度も上がるため、きちんと予習できる講師を採用することは難しい上、、教科書や進度も生徒一人ひとりに合わせた授業をするとなると、大学生講師では準備が間に合いません。

そのため、生徒は予習せず、学校の授業を受けることになり、高校1年生や高校2年生で、「学校の授業が分からない」という生徒が増えています。その結果、塾に来て「これをやったけど分からなかった」となり、個別対応することになります。

また、テスト対策も中学生より難しくなります。塾用に、教科書別の定期テスト対策教材を出している会社は、ほとんどありません。私が講師をしていた時には、生徒の教科書を丸々コピーし、徹夜で問題を作っていました。

しかしながら、多くの塾でうまくテスト対策できず、テストで点を取れないことからモチベーションが下がったことにより、退塾者が出てしまっています。高校生の退塾率は中学生とは比較になりません。例えば、大手の個別指導塾では、4月に高校1年生の生徒が10人でスタートし、高校2年生に上がる時も10人いるものの、全員メンバーが違うということもあります。つまり、1年での退塾率が、100%ということです。

私はずっと、こうした現実を見てきました。だからこそ、中学生と同じ学習サイクルを確立する必要があると思っています。

高校生でも中学生と同じサイクルを回せる成績Apシステム/教科書ナビ

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弊社のICTツールは、高校生にも中学生と同じ学習サイクルを確立するため、まずは、学校の授業に合わせた映像授業を用意し、塾での予習型授業を可能にしました。

授業を受けた生徒は 当然質問があります。これには、『写メQ先生』で対応できます。講師不足で質問対応ができないという課題も、質問をそのままこちらに投げていただくだけで解決できます。講師不足の教室で、高校生指導ができる人材がいなくても運営することができます。

さらに、文系教科については定期テスト対策問題を用意しました。教科書別、学校別で対応しており、生徒に合わせた準備ができます。これらを駆使して定期試験で結果を出すことで、滞留率を伸ばすことができます。

弊社のコンテンツは、現在、27都府県の塾で活用いただいています。導入時には、一度お会いして、きちんとお話しした上で始めるようにしているため、「コンテンツとしてつまみ食いをしたい」、「何でもいいからとりあえず入れておこう」ではなく、「高校部自体の設計をどうするか」という話からスタートします。

そのため、コンサルタントに近いかもしれません。全体的なコンセプトを考え、一緒に高校生部門をつくっていきましょうというスタンスでいます。

大切なのは、高校部までを含めて自塾であるという意識を持っているかどうかです。例えば、神奈川では中高一貫校が増えており、中学校1年生の段階で、先生も、生徒も、保護者も、大学受験を視野に入れています。そのため、中学1年生の入塾面談で、「最終的な目標は大学受験ですよね」という話が保護者にできる塾になっていく必要があります。

高校準備講座を受講すると生徒の継続率が上がる

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滞留率を上げるために、弊社のツールを使ってくださる教室の先生方がどんなことをしているのか、一部をご紹介します。

まず、9月から12月に、個人面談で高校部の案内を配布します。保護者会で高校部の話をしたり、塾通信に高校部の紹介をします。この時、あまり営業色が強くならないように、「高校はどんなところなのか」、「大学の入試の仕組みはどうなっているのか」といったことについて発信します。大切なのは、自分たちが塾としてどんな取り組みをしているか、早い段階から伝えることです。

よく保護者会はしないという塾もありますが、保護者への情報共有は重要だと思います。個別指導が半分を占めている今は、特に大切です。高校合格がゴールではないことや、高校1年生から塾に通う必要性などを、保護者に訴える必要があります。

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1月から3月前半は、入試直前期ですが、ここで高校準備講座を用意して、きちんと受けてもらいます。この講座の参加率が上がらない場合は、年間の授業料に組み込み、必須化することがおすすめです。

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こちらは、弊社で調べた調査結果です。高校準備講座の受講率と高校部の継続率には、因果関係があります。上位の生徒が多いから高校部に残るとか、生徒数が多いから高校部に行く生徒も多いということはなく、高校準備講座を受講して、生徒の啓発をしていくことが重要です。

ポイントは、4月も高校準備講座を続けることです。高校に行きながら体験授業を受けることができる状態にしておくことで、「高校に行ってからちょっと考えます」という生徒にも検討のチャンスを与えることができます。

時期については、地域ごとで調整が必要かもしれません。神奈川県の場合、2月末には高校受験の合否が出ます。そうなると、4月末までの講座では長過ぎるため、3月いっぱいを高校準備講座にしています。しかし、関西では3月20日前後に合否発表があるため、4月末まで講座をすると良いと思います。

高校準備講座では、英語と数学の授業が受けることができ、質問もLINEで対応します。無理のない料金でご提供しているため、3月末、もしくは4月末まで準備講座がおすすめです。

成績Apシステム/教科書ナビを活用し先生が一人で高校部を運営

長澤:ここからは、みしま時習館の斎藤先生と一緒に、成績Apシステム/教科書ナビの活用事例をご紹介します。斎藤先生はお一人で教室を運営されているということで、なるべく手がかからない状態で高等部をつくりたいとお話いただきました。去年度の中学校3年生が継続できるように導入したところ、途中から戻ってくる生徒もいて、人数が当初の倍近くになっているそうです。

斎藤先生が、弊社の教科書ナビを導入したきっかけは何でしたか?

斎藤:導入以前から大学受験の指導も細々とやっていましたが、高校1年生、高校2年生の在籍者はほとんどいませんでした。中学部を卒塾して、高校2年の終わりくらいに相談に来て、高校3年生から再び面倒見るというパターンがほとんどだったからです。

しかし、れではやりづらいと思い、高校1年生と高校2年生の継続率をなんとか上げられないかと、長澤さんにご相談しました。

長澤:高校1年生のオペレーションはどのようにされていますか。

斎藤:私自身はなるべく手をかけておらず、生徒の学習前後に、どんなことをやったか内容を確認する程度です。それ以外は、教科書ナビの学習システムを中心に進めてもらっています。

フロアに教室が4~5つありますが、私は基本的にロビーにいて、あちこち動いたり、生徒が私のところにチェックに来るという形でやっています。

長澤:塾には、先生以外の講師の方はいらっしゃいますか。

斎藤:小学生対応のために夕方には何人かいますが、夜の時間は私一人です。中学生30人、高校生は日によって7~10人くらいを、私一人で見ています。

中学生には、主要5科目の指導をしており、映像教材やプリント演習システムなどを組み合わせています。ブレンディッドラーニングという名前で、対面指導とeラーニングの2つを行っています。

長澤:生徒は週に何回くらい通塾していますか。

斎藤:基本は2回です。範囲が終わらないこともあるので、プラス1~2回は来ても問題ありません。キャパシティ的に難しくなってきたら、自宅受講を考えます。

高校1年生からの継続率アップを目指す


長澤:新たに高校部をつくる時、生徒や保護者からはどういう反応がありましたか。

斎藤:今までは、中学卒業と同時に卒塾と言っていたのですが、これからは続けますと伝えたところ、3分の1くらいが残ってくれました。

来年は、もう少しアナウンスをしっかりする予定で、実際に毎月発行している塾通信に高校部に関しての情報も入れています。そのため、来年はもっと残るのではないかと思います。

長澤:実際に導入してみて、良かった点を教えてください。

斎藤:手をかけなくても、生徒が自分でやることを決めて、学校の予習を進めていくことができる点です。成績も、今のところ順調に上がっています。当塾は、地域のトップ校や進学校の生徒がメインですが、それでも予習をしっかりできています。

長澤:ここから先、高校部をどのようにしていく予定ですか。

斎藤:今まで高校部といったら、高校3年生を数人見るだけでした。しかし、これからは今いる高校1年生をしっかり残して、そのまま高校2年生、高校3年生と繋げていきたいと思っています。

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