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スタプラの導入からはじまった、塾同士の協力関係(後編)Customer Story#16|ラボ寺子屋

Studyplus for schoolを導入いただいた先生方にお話を伺うコーナー。今回は塾を「教育サービス業」ととらえ、勉強を教えたり学習を習慣化させたりするだけでなく、人格形成まで指導しているラボ寺子屋を尋ねました。色々なツールを活用している塾ですが、Studyplus for Schoolも2年以上ご利用いただいています。

ラボ寺子屋はどんな理念を持ち、どのように運営され、課題をどうやってクリアしてきたのか。また、Studyplus for Schoolの導入とその効果について、前回に引き続き塾長である小泉さんに伺いました。

前編は「業務効率化でワンオペ問題を解消、新たに生まれた余裕で塾の新しい可能性が広がる」をご覧ください。

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―前回は2年前にインタビューさせていただきましたが、当時は映像授業をしていなかったり、集団指導を行っていたりと、今とは形式が違いますよね。

あれから変わってますね。もともと高等部もなかったのですが、中学生の子たちが進級するときに持ち上がりでできました。ラボ寺子屋は今年で7年目ですが、高等部ができたのは3年ほど前です。

この7年を振り返ると、直近の1年は特に変化が大きかったなと。2回引っ越しをしているんですが、現在の場所に移ってからやりたいことができています。例えば高3になると、本人がこれまで以上にきちんと学習管理ができるように、より細やかなアプローチが必要になってくるんです。でもそこをていねいに対応するのは、そもそもの業務量を減らさないと厳しいんですね。

うちは小中と高校生をわけたりスタッフを潤沢に集めたりするのは難しいですし、僕だけで全部やりきるのも難しい。だからきちんと成果を上げさせてあげられるような仕組み自体を、この1年で作りました。

―具体的にどんな仕組みを作っていったんですか?
学びエイドの映像授業を取り入れたんです。ただ、映像の数が多くそのまま与えても使いこなせない生徒はいるので、定期テスト対策や日常の勉強向けにそれぞれプランニングしていました。おかげで、今年の2月までは僕が生徒に直接入試対策を指導していたのですが、それは今はもうやっていません。他には、数学の指導強化のためatama+も取り入れました。

2年前は高校生の学習管理や勉強のさせ方に課題があったので、Studyplus for schoolもそうですし、他のツールも使ってデジタル化を進めないといけないという意識があって。場所と資金の制約があるなかで、高校生だけでなく小中学生もきちんとみたいと思っていたので、色々と仕組みを作っていったんですね。

―そういったデジタル化を進めるうえで障壁はありましたか?
お客様が理解できるかどうか
が問題でした。東京というたくさんの選択肢がお客さんにある場所で、理解を得られて、選んでもらえるのかと。大学受験の経験がある親御さんは特に、「こうあるべき」という形が自分の中で決まっているんです。それに、予備校が万能だというイメージもある。その一方で、この10年で状況は大きく様変わりしています。だからそのギャップを説明するのが難しいですね。

まず前提として、私たちは一般的な予備校とは違います。授業で勉強を教えるだけではなくて、勉強の仕方を指導したり、学習計画を管理したりと、広い意味での指導ができる場所です。だからうちにいらした親御さんには「予備校には予備校の役割がある」と説明しています。筋トレに例えて、トレーニングは週1回でも毎日の食事管理を徹底すれば効果が出ると言うと、学習管理の大切さがわかってもらいやすいです。

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―効率化が進む中で新しいチャレンジもされていますが、一方でご自身の塾の管理し続けるのも大変ですよね。
今、1人で2教室を管理するという状態なんです。一か所なら簡単だけど二つに別れていて、50人くらいの生徒を遠隔で管理します。僕がいない日は授業自体の数を少なくして、午後はzoomで繋いでおくと。

―それだけの管理をどのようにこなしているんですか?
スタッフを戦力化していってます。学生であったとしても、いろんなことができるとかにしてあげたいなと。そうすると僕らも助かるし、実際に技術や考え方の伝承をしていますが、ちゃんとできるなと思います。インターンのように働いているスタッフにも裁量を与えています。

勉強を教えるとなると教育が必要だし、習熟していかないといけないんです。でもそこをITで置き換えたので、あとプロフェッショナルなところを僕がフォローしていけばでいい。

今は、僕以外に常に1人置いておきたいと思っています。それで、働き方改革みたいなことをしていて。うちにいたあるスタッフが研究室に入るから出勤できなくなるということで、辞めるという話がでました。彼には学生のシフトの調整をお願いしていたので、それだけなら出勤しなくてもできるだろうと。月数千円支払って、その作業だけお願いしています。

―色々な変化がある中で、2年前にStudyplus for schoolを導入していただきましたね。
この2年で、いろいろと機能が増えていますよね。カルテ機能のテンプレートが装備されたのはとてもよかったです。生徒へのヒアリングの蓄積の仕方が講師によってまちまちだったんですが、テンプレートで項目を作って共有することで、いちいち指示をしなくて済むようになりました。

僕自身も使い方が変わってきていて、最近はStudyplusのアプリを自分自身が使うようになりました。それまでは通知がどう表示されるか知らなかったんですが、去年1年間使ってみて「ここに出てくるんだな」とか、「プッシュ通知にしていないと画面に出てこないんだな」といったことがわかりました。そういう学びから、新しく入ってきた子には最初に「必ずプッシュ通知してね」という話ができています。

―Studyplus for schoolのどんな機能をよく使っていますか?
メッセージ機能はよく使います。僕は今ナカジュクに行くこともあり距離が離れているので、直接話せないということが増えたんです。そこでメッセージを送ったり、伝えるべきことを伝えるっていう使い方になったかなと。初めのころはもっと広く、メルマガのような感じで生徒に情報を送っていたこともありました。また、タグ付けして特定の生徒にだけ送ることもできるし、便利ですよね。

入力率も導入時に比べて上がっていて、今は100%近い状態です。自分の意識が変わったこともあるし、そこにかけられる時間も長くなったからかと思います。生徒との話題や面談のきっかけになるので、スタッフにもそういうところに注目してほしいと話しているんです。

―生徒や先生とのコミュニケーションにStudyplus for Schoolのメッセージ機能が役立っているんですね。
そうです。生徒を色々サポートしてあげたいという気持ちがあっても、いろんな制約があるから思いだけでは何も実現できないですし、むしろ迷惑かけてしまうかもしれません。だからといってただ人を雇っても、それが値上げにつながってしまうし、業界として次のステップに行けない。やはり道具を使ったり仕組みを変えたりしないといけないわけで、そこでStudyplus for Schoolなど、ITの力が活きてきます。

Studyplus for schoolを始め学びエイドやatama+が盛り上がってきたのはここ3~4年くらいだと思うので、これが何かのタイミングだったと思うんです。僕がやろうとしてきたことに、世の中が付いてきたという感じ。でもこれは狙っていたわけではなくて、必要に迫られていろんなことを質も落とさずやろうとするとこうなったという形です。

周りの人も賛同してくれて、共感も得られています。僕が始めた頃は全然見向きもされず、そういう企業もなかったと思うんです。Studyplus for schoolをができたのって何年ですか?

―リニューアルからだと、まだ2年経っていないですね。
これはもう、ある意味運命的なタイミングですね、もっと前から自分で事業をやっていましたが、その頃にはなかったわけですし。運命的にタイミングがぴったりあったと。

Studyplusを導入してから、類は友を呼ぶではないですが、同じ志を持つ方や、勉強になる方との出会いもありました。考えていることを求め続けると巡りあうのかなと。すごく不思議なんですが、ここ一年は一個ずつとピースがはまっていってる感覚があります。

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―学生との面談にもIT化を進めているとか。
まだ本格的には始めていないんですが、一部でzoomを使った面談をやっています。

―LINE@の受験相談もやられてますよね。
はい、「国公立に行きたいけど今からでも大丈夫か」とか「受験勉強で何をすればいいのかわからない」といった悩みを受験生が気軽に相談できるサービスですね。これは今も続けているんですが、実はテラコヤイッキューさんとアライアンスを組もうかなと。正直、前回のカウンターナイトの時に話して最初は苦労するだろうなと思ったんですよ。詳しく聞いてみたら、やり方はいいと思うんですが、エリアとターゲットを考えると受け入れられづらいだろうと思う部分もあります。

オンラインでやる仕組みがなかなか理解されにくいだろうというネックがあるんです。一方でうちは、オンライン自習室というものをやっています。生徒が家にいながらカメラ付きのパソコンをつないで、他の生徒が勉強している様子を見ながら、自分の姿も見られながら勉強するというものです。

これをやっている分オンラインに慣れているし、うちの生徒の方が相性いいんじゃないかと提案しています。そこから波及させて、市場理解を進めた方がいいと。

―オンラインが故の障壁があるんですね。
そうです、オンライン自習室などに対しては、どうしても心理的障壁があるんです。そこをクリアして、徐々に認知していってもらわないと。いきなりやりますよと言っても、多分なかなか増えないと思います。それは自分が通ってきた道でもあるので、苦戦するやり方を見過ごさないようにしています。

―ご自身の知見を活かしてオンライン化を進めていくと。
はい。やっぱり、お金をもらうためには、公開されているデータを見せても意味がないんです。ここに人が入って、どういうことを読み取れるか、それをどうモチベーションにつなげるのかなど、解説を加えてあげる必要があります。

例えば先日、早稲田大学や明治大学の勉強時間の数字を出しました。そのデータをただ並べるだけだと、見ている高校生も「すごい」という話だけで終わります。彼らはデータの中で、合計時間しかチェックしないんです。だからそこに大人の目線で解説を加えていくと「なるほど」と理解してくれる。意識がすごく変わります。

―今、オンライン生は実際にいるんですか?
うちの卒業生で高校受験終わって引っ越した子がいるんですが、その子が続けたいということでオンライン生第一号になりました。もう一人でやりたいと言っている子がいるので、その子が二人目になります。

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―どんどん「持たない経営」化が進んで、スマートになっていますね。
経営環境の変化で、そうなっています。それでナカジュクさんとのご縁があったり、LINE@をやっていたりすると。今はもう、ものを生産する時代ではなくなっていると思うので、そのかわりにどこに落とし込むのか。大切なのは、課題解決を常にし続けるということです。

以前は気が付きませんでしたが、首都圏にいないと分からないことがこんなにあるのかと。日本の中に困っている人がこんなにいるのかと気づき始めました。Studyplus for schoolを入れ始めた段階ではそこまで考えていませんでしたが、オンラインでいろいろなものが提供できると気が付いて、これなら解決できるなと思っています。

―Studyplus for schoolを入れたことが、ある種の気づきに繋がったわけですね。
はい。構想は1、2年していましたが、やっと実現化できそうだなというところにきました。足りないものは他から借りればいいんだという発想も持てたし。以前、Facebookで別の塾の先生と3人で「作った映像をシェア出来たらどうか?」という話もしていたんですよ。それでやりましょうという話になっていて。

―面白いですね。
私は文系科目を教えているので、数学をやられている先生とならお互いシェアしてWin-winになるのではという思いがずっとあったんです。それを実現するのが、クラウドとかオンラインサービスの組み合わせ。うまくやれば、お互いを助け合えるんじゃないかと思っています。

―塾同士で協力関係を作るわけですね。
競争ではなく助けあっていって、その協力的な形が成熟していけば、この発想が世の中にも浸透していくはずです。そうしたら、ブラックな業界ではなくなると思うし、生産性が上がっていくかなと思います。

大手の塾さんだとそれができないと思うんです。塾は毛細血管のように日本中に張り巡らされていますが、それぞれの責任者の発想が変わっていかないと、日本全体の生産性が上がらない。だから自分ができる範囲の中で提供できるものや影響を与えられるものに取り組んで行けたらと思っています。

ー本日は貴重なお話、ありがとうございました!

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