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アナログの活動も一元管理しコミュニケーション力UP |藤わら塾【Studyplus for School Award 2021】

Studyplus for School Award 2021とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。

昨年に続き今年も、受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントをオンラインで開催いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、自立指導部門で受賞された、藤わら塾(岡山県)の藤原先生の回です。

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生徒とのコミュニケーション不足を課題に感じStudyplus for Schoolを導入

当塾はもともと、個別指導と集団授業を組み合わせた形でしたが、ここ5年ほどは自律型サポート学習というスタイルで指導しています。今回は、当塾でStudyplus for Schoolを導入したきっかけや、活用方法などをお伝えします。

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こちらは教室の様子です。左側は授業教室で、生徒たちは壁に向かって座って勉強します。右側は、予約制の自習部屋です。

対象学年は、小学生と中学生メインです。

Studyplus for School導入前、私たちは2つの課題を抱えていました。
1つ目は、以前から紙媒体で記録表や計画表を作成していたものの、授業時間内に内容を把握するのに時間がかかっていたことです。

2つ目は、生徒とコミュニケーションを取る時間が減っていたことです。設定した勉強時間の実施状況や勉強の内容を対面で聞いてみても、うまく話せず時間だけがかかり、通常の授業が圧迫される悪循環になってしまいました。

そこで、授業時間の確保のためにやり取りをできるだけ減らし、授業の時間を最大限まで増やしたたころ、今度は雑談などを通してコミュニケーションをとる時間がなくなってしまいました。開塾した当初は、部活や友達の話などをしながら勉強していたのですが、だんだんと、塾の時間が勉強以外に何もない無機質な雰囲気になっているように感じてきました。

これを脱却するため、もっと生徒とのコミュニケーションをとりたいと思っていたとき、京都の進学塾SOILの村東先生からStudyplus for Schoolのお話を伺い、すぐに問い合わせました。魅力に思った点は、授業時間とは別のところでやりとりができ、オンラインでコミュニケーションができる点です。料金やシステムの面で導入しやすかったのも大きなポイントでした。

さらに、ちょうど入退室管理を検討していたので、QRコードでこれが実現することもメリットに感じました。

ICTツール導入にあたり活用の目的を意識づけすることが重要

当時、私たちにとってICTツールを導入するのは初めてのことでした。塾内で完結する指導から大きく変わるため、「何のために活用するか」意識づけを行い、保護者にも面談でなぜICTツールを使うのか説明しました。

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こちらは、これまでに当塾で導入したICTツールです。丸の部分は今も利用しているもので、三角の部分にあるものは利用停止しました。左側の青い背景は塾でやること、黄色い背景は家で使うものです。

家でやると言っても、ただ勉強してもらうわけではありません。こちらが用意した授業動画を見てもらったり、Zoomでオンライン自習をしたりしています。それらの内容を把握するために使っているのが、Studyplus for Schoolです。

オンラインで学習するポイントは、質問できる場を設けることだと考えています。生徒がつまづいたときに、LINEやZoomで質問できる環境が必要です。保護者からも、「その場でリアルタイムに質問できますか?」「学校の宿題をやっているときに、わからない問題があったら聞けますか?」と質問がありました。

ですが、実際にオンラインでの対応を始めると、そこまで多くの質問は来ませんでした。そこで、わからない問題の写真を撮ってStudyplus for Schoolで送ってもらい、解説動画を送るか次の授業で説明するという形に変えました。

生徒とのコミュニケーションが増え、保護者へのカルテ共有が口コミにつながる

Studyplus for Schoolは、主に4つのシーンで役立っています。

1つ目は、もともと課題としていたコミュニケーション面です。授業中に雑談をする時間がなくても、代わりにStudyplus for Schoolでコミュニケーションをとれるようになりました。

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こちらは、コロナ禍での記録です。日記を書いてくれたり、休校期間中にどんな勉強をするか自分なりの時間割を作ってのせてくれます。また、一部の生徒は、家庭科としてお昼ご飯に作った料理をアップしてくれました。

この生徒はこれがきっかけで料理が好きになり、現在中学校1年生ですが、将来は料理の道に進みたいと考えるようになったそうです。受験生になっていきなり夢を考えても難しいですが、この期間にStudyplus for Schoolへの記録付けを通して楽しいことに出会えたのはとても良いことだと思います。

ほかの生徒も、「釣りに行った」「キャンプをした」などその日の思い出をStudyplus for Schoolで送ってくれて、今までできていなかったコミュニケーションをとれるようになりました。

2つ目は、「カルテ機能」で講師間の情報共有と同時に保護者に指導報告ができるようになったことです。毎日の授業の内容を記録し、講師同士が情報を共有します。そして、その内容を保護者に報告することも可能です。

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こちらは実際のカルテの画像です。保護者に送る内容としては、指導報告書のような形式にならないようにしています。基本的には「今日の授業」「今日の成長」「一言メモ」の3つにしぼり、長くなり過ぎないようにするのがポイントです。小テストをした日は、何問中何問正解したかも書きます。

「今日の授業」は、その日に学習した内容です。「今日の成長」では、生徒が成長したことを保護に知ってもらうため、どんなことができるようになったかを積極的に探します。「一言メモ」は今後の課題や、次回に向けての方針などを書きます。

生徒がどんなことを頑張っているか、何をしているかが日々わかることで、保護者からの反応はとても良いです。何が苦手で小テストの成績がどのくらいかなどわかりますし、「どこかおすすめの塾はない?」と聞かれたときに、「こういうカルテが毎週送られてくるんだよ」と見せられるため、口コミにも繋がっていると実感しています。

Studyplus for Schoolがリアルとオンラインをつなぐ役割を果たす

3つ目は、リアルとオンラインをつなぐ役割です。オンラインでのコミュニケーションやカルテ共有などで業務を短縮し、リアルでできることの幅も広がりました。例えば、プリント整理ボックスというものを導入しているのですが、生徒はStudyplus for Schoolでどこまで進んでいるかを簡単に確認できるようになりました。

昨年の9月、プリントの整理が苦手で提出物もほぼ出さないという生徒がいました。保護者も成績よりこの点が気になっていたとのことで、次のテストまでは成績のことは何も言わず、とにかく整理することに注力しました。そこで作ったのが、プリント整理セットです。プリントを入れるファイルと、使い方を書いた紙を用意しました。

青いファイルはオールインファイルという名前で、授業の1時間から6時間目まで配られたプリントを入れます。科目ごとに整理するのではなく、とにかく順番に入れるだけにしました。

家に帰ってから科目ごとにわけて、整理した状態を写真に撮ってStudyplus for Schoolで送ってもらい、空になったファイルをまた翌日持っていくという流れです。3日間できない日が続いたら、保護者にも手伝ってもらっていました。

途中で中だるみはありましたが、何とか継続して整理することができました。すると、それだけでテストの点数も上がりました。散らかっていたものをまとめて、提出物にもきちんと取り組めるようになったからだと思います。テストの後の面談では、保護者から「奇跡です」と言ってもらえました。

このように、リアルな部分とStudyplus for Schoolをかけ合わせながら、リアルとオンラインをつなげています。

4つ目は、「コンテンツ配信機能」です。こちらはまだ検討段階なのですが、去年1年間で200~300の動画を制作したので、それを生徒に見せたり、QRコードを貼って進捗を確認したりしたいと思っています。現在、授業時間で分からない場合は、塾のHPにアクセスして動画を見るという流れです。これをStudyplus for Schoolを通じてできるようにしたいと思っています。

記録づけが習慣化するまでは根気強く声掛けを続けていく

Studyplus for Schoolを導入して、生徒情報をカルテで共有できるようになったことは大きな変化です。また、生徒に関してはStudyplus for Schoolで大きく変わる子と、そうでない子がいます。生徒にとって勉強の選択肢が増えればいいと考えているため、無理矢理に使わせるわけではなく、少しずついろいろな働きかけをしています。

例えば、授業中の記録は塾内のオペレーションとして必ずつけさせるようにしました。授業が終わったら1時間ごとに休憩に入りますが、その度に必ず「わかったこと」「できたこと」「わからなかったこと」を記録します。わからなかったことは画像を送ってもらって、できるだけ解説をしています。

「何でもいいから書いて」という指示では、生徒もどうすればいいかわからなくなってしまうため、こちらで何を書いてほしいかをある程度指定しました。慣れてきた生徒は、この枠組みにとらわれず自由に記入しています。

初めのうちは、なかなか記録づけが習慣づきませんでした。それでも授業終わりに「必ずつけようね」と声掛けをしました。場合によっては、「記録をつけていないなら、勉強していないと受け取られても仕方ないよ」と厳しい言い方をすることもあります。

複数のツールをStudyplus for Schoolが土台として支える

当塾でのStudyplus for Schoolの活用をまとめると、3つの側面があります。1つは、コミュニケーションツールとしての利用です。2つ目は、すべてのアプリ・サービスを支える土台としての利用。そして、3つ目は、リアルとオンラインを繋ぐツールとしての利用です。

コミュニケーションのきっかけがあると、そこから話を広げることができます。結果的に、授業時間の勉強に集中できるようになりました。また、いろいろな管理画面を見るのではなく、ひとつに集中することで仕事の効率が上がりました。今まではバラバラに確認していましたが、今では授業時間外に一括してチェックできます。私は13時ごろ出社していますが、毎日30分ほどStudyplus for Schoolを確認する時間をとっています。その後は、前日の授業内容をカルテに書き起こし、保護者に送るまでがルーティンとなっています。生徒が記録していたものは、時間を決めずにその都度チェックして、「いいね」やコメントをします。

そして、私はアナログな取り組みも好きなので、オンラインが合わない生徒に関しては紙で管理表などを作っているのですが、こちらを把握する際にもStudyplus for Schoolを活かせるため、アナログとデジタル2つの架け橋になっています。

まだまだ使いこなせているわけではなく、日々少しずつ変化させながら活用しているところです。それでも導入前に比べて、生徒の細かい部分が見えるようになったと実感しています。




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