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オンライン指導のための準備内容と準備のタイミング|大学受験予備校エクザム【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウィルスの感染拡大により、学習塾業界は教育サービスを提供できず、事業の継続が困難となるリスクが発生しています。これを防ぐために急速に高まっているのが、オンラインでの指導体制の整備の重要性です。

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。ご興味がある方は、こちらからお申し込みください!
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第二回は、大学予備校エクザムの服部先生にお話を伺いました。

大学受験予備校エクザムについて

東京都清瀬市にある大学受験予備校エクザムの服部です。清瀬市は埼玉に隣接した典型的なベッドタウンで、うちは主に清瀬市と隣の東久留米市の生徒が通う、地元密着型の塾です。

私が担当しているのは教務系全体と進路指導、さらに国語と日本史の授業を受け持っています。塾では1対1の個別指導と、5人から10人くらいまでの少人数の集団授業をやっています。

生徒比は高3生が一番多く、高2生、高1生、浪人生、中学生もちらほらいるという変わった感じです。通っている層は、都立高校の最上位を除いた上位校から中堅、下位の生徒もいます。そういった生徒を現役でMARCHや日東駒専に入れていくのがひとつの目標です。

スタッフは社員が3人アルバイト講師がだいたい15人、それに加えて掃除やコピーなどを担当するアルバイトの事務が5人ほどいます。

コロナ騒動前のオンライン指導

弊社では、連絡は電話、物を配布する時は郵送とずっとアナログ対応でした。しかし、コロナ騒動の少し前からオンライン指導化を検討していました。というのも、ある2つの課題を抱えていたんです。

一つ目が、「大学の入学定員厳格化による合格実績の悪化」という課題。ここ2年くらい、ギリギリMARCHに行けそうな子が落ちてしまったり、補欠合格になって繰り上がらなかったりしていました。

二つ目が、生徒の「自分を相対化して捉える視点」が欠けてしまっているという課題。例えば模試が返却されて、そこで出た偏差値と志望校に15くらい開きがあると、「これから3か月頑張って、15くらい上げられるんだ」と考える生徒がいるんです。

もちろんそれ自体を否定するつもりはありませんが、偏差値というのは母集団の中での自分の位置づけであって、自分が頑張るだけで上がるというものではないと説明してもピンとこない。そういう生徒が増えてきて、指導が難しいなと、ここ5年ほど感じていました。

この2つの課題を解決するためには、もっと生徒の「自習」にコミットする必要がある。ただ、今までの形だと限界があるのでオンラインでの指導も必要になると思ったのです。

無題

そんな中、昨年12月ごろStudyplus for Schoolを知り導入しました。使ってみて気に入っているのが、アナリティクス機能です。ここでは生徒が一日にどれくらい勉強をしたかが一目で分かります。そこで1対1の個別指導の時に、「君は大体30時間だよ」「1位の子はこれくらいやっているよ」と折に触れて言うことによって、一人ひとりの自覚を少しずつ促していけます。

またタイムライン機能も利用していて、ここでは生徒がどの教材を何分やったかがわかります。タイムラインでは「古文の『る・らる』は文全体をみないと判断できないような気がする」など生徒が思ったことを書いているので、そこで毎日コミュニケーションが生まれました。

今までは対面の授業が週に一度しかなければそこでしか様子を聞けなかったのが、毎日できるようになったのは大きな変化です。また、文で書いてもらえるので私も文で返すことができます。

昨日タイムリーに、嬉しい投稿があったので紹介します。

休息日の今日を終えて、明日からの長い休みに耐えるために計画を立てました(実行する気はバリバリにありますが、出来るかどうかはまた別の問題です)。
・朝は7時に起きる、夜は11時までには寝る!!
・毎日夜8時~11時までTARGET・Vintage・核心古文単語の3つをやる
・布団のなかでスマホを見ないように、充電は廊下でする
・スマホの使用時間は2時間以内に収める!
誰かに宣言しないとやらない性分というのが分かっているので、勝手に宣言しました。頑張ろうと思います

生徒が自分で考えてルールを決めて、それを宣言したことがすごく良いですね。こういった事例を他の子に共有してあげて、「自分でも何かやれる目標を立てて、宣言してみたら?」と言っていくことによって、新高校3年生の勉強する時間や意識に変化が見えてきました。

オンライン化導入の初期段階

こちらから生徒や保護者に対して連絡をする手段は、ずっと電話でしたが、非常に煩わしい部分もあったのでLINEのビジネスアカウントを無料で作りました。通常のLINEと違うのは、1対1のやり取りではなく職員側を複数登録しておくことができること。生徒・保護者がメッセージを送ると、それが職員全員に届きます。

あとは広告宣伝媒体の少なさをカバーするため、Twitterアカウントを作って細々と運用しています。またオンライン指導をするにあたり、オンライン自習室について勉強しました。こちらは第5回にテラコヤイッキューの渡邉先生が登壇されますので、その時に詳しくご説明があると思います。

小中高校休校要請を受けての対応

2月27日に政府が全国の小中高校に休校要請したことを受けて、うちではまず春休み明けまでの対応を決め、保護者に説明をしました。当時はまだ保護者も塾とのLINEに慣れていなかったので、一旦電話を入れて「詳しい説明はLINEで送ります」という対応にしました。電話で冗長に話すより、スムーズにいったかなと思っております。

第2回オンライン指導情報共有会_大学受験予備校エクザム服部先生_20200408_ページ_3

ここでご案内したのは、下記の三点です。

・集団授業は実施しない
・1対1の個別授業は希望をとった上で実施する
・自習室は利用不可とし、代わりにオンライン自習室を使う

ここからオンラインで講師・職員とミーティングをする機会は増えるだろうということで、翌日、早速スタッフ向けのzoomの体験会を実施。みんなで集まって、画面共有の方法などを学びました。

講師は基本的に、自宅から出勤にさせようと思っています。また大学も授業開始を延期するという措置が出ているので、アルバイトの人たちのオンラインに対する親和性が高まってきています。授業を行うというハードルは高いですが、Zoomを使ったコミュニケーションは問題ありません。

また、授業数は減りますが補助金を申請してできる限り休業補償することを検討しています。さらにオンライン指導をするためのトレーニングに時間がかかるので、そこも無償でやるわけにはいきません。その部分も支払いをしていく予定です。

オンライン自習室とは

コロナ騒動を受けて、塾の自習室の代わりにオンライン自習室を利用していただくことにしました。これは「自習したい人はZoomをつないで、各自勉強する」というもので、管理は現在、私が行っています。

Zoomは無料アカウントの場合、3人以上生徒が入ってくると時間制限がかかってしまいます。一定時間が経つと接続が切れてしまうので、私が有料アカウントを取得して、そこで運用しているという形です。

休校措置延長による対応策と保護者・生徒の意識変化

3月31日に、東京都はゴールデンウィーク明けまで休校措置を延長するのではないかという話が出てきました。そこで弊社としてもその後の対応を考え、下記のような方針を決定しました。

・集団授業の中止は連休明けまで延長
・1対1の個別授業は今まで通り、希望をとった上で実施する
・自習室は利用不可、オンライン自習室を利用という方針を継続

学校の休校措置が延長となったことで、保護者・生徒、そしてスタッフの意識に変化がありました。4月の通塾を控えさせたいという話がちらほら出始め、アルバイトの職員からは「ゴールデンウィークまで教務を控えたい」という意見が出たんです。

それと並行して、オンライン自習室の利用者が少しずつ増えていきました。おそらく3月はまだ勉強に本腰が入っていなかった生徒が、また延期となったことで「そろそろやらないとまずい」という意識が醸成されてきたのだと思います。実際に、4月になって生徒・保護者から「通塾を控えたいが、オンラインで授業をしてくれないか?」という要望が出るようになりました。

学習塾への休業要請を見据えた対策

4月6日に東京都が学習塾に対して休業を要請するのではないかという観測報道も出て、翌日には非常事態宣言も出されました。弊社としてはそろそろ1対1の対面個別指導を再開するかと考えていたのですが、それを取りやめてオンラインの授業をしていくべきだと方針を転換しました。

判断を先送りしようかとも思いましたが、保護者・生徒の意識が変わっていましたし、ゴールデンウィークが明けても学校が再開しないのではないか、むしろ事態が深刻化して停止を余儀なくされるのではないかという懸念をひしひしと感じるようになってきました。

そこでオンライン授業の実施という方向で意思決定をして、私を含むスタッフは在宅勤務で稼働しています。弊社の一番ウリとなるスタイルは対面なので、コロナ騒動が収束したら対面の授業に戻したいと思っています。ただ、コロナ騒動がゴールデンウィークで収束するとは、とても思えません。だからこそ、オンライン指導をするという方向に舵をきりました。

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オンライン指導への投資はまず最小限でスタートしていきます。集団授業もオンラインでやることになれば別ですが、ここ1か月のフェーズとしてまずは1対1の個別スタイルでオンライン授業を確立していきます。

オンライン授業の導入と今後必要な準備

2月からZoomを使っていたこともあり、まず私が試しにオンライン授業をしてみました。この時は講義形式で、生徒に配っていたテキストを画面で共有し、書き込みをしながら説明をしていくという形です。

例えば文章読解をする場合、予習で使う紙を撮って公式LINEで送ったり、Studyplusを使っている生徒ならタイムラインで画像投稿します。そして生徒が書いた答案を写真で送ってもらって、それを見ていくというような形です。やってみた結果、生徒からの評判は良かったので手応えはありました

ただこれをすべての生徒に対して行うとなると、難しいと感じました。というのも、私は国語と日本史の担当で、他の教科は別の先生にやっていただくしかありません。ところが、先生方はまだオンライン授業の準備ができていなかったのです。

そこでオンラインの授業に関する講師・職員のトレーニングをこれから始めていきます。これはなかなか難しい部分もあると思うので、できる先生から順次担当してもらおうと考えています。

また、生徒側も「Zoomの使い方が分かりません」というところから始まりました。ここは初め苦労したところです。ただ、LINEを入れておいてもらえれば話はかなりスムーズに進みました。Zoomは導入のやり方を記事にしたものがあるので、それを見て「ここまでやってね」と進めています。

おかげで今は生徒もだんだんZoomは使えるようになっていますが、例えばメールで送ったプリントをダウンロードして印刷することなどはできない可能性もあるので、その点の工夫も必要です。

具体的には、まず塾にプリントを取りに来ていただいて、「この課題をやっておいてね」と伝えます。それをやってもらったら、丸付けをして間違ったところの解説を行うと。

この時、週に1回か2回、曜日・時間を決めてZoomを使います。これだけであれば比較的簡単なので、特に中学生とか小学生に導入すると、ありがたがられるのかなと思います。

オンライン授業のメリットとデメリット

弊社以外の塾さんでも、休校要請が突然出るかもしれない中で、できることからやらねば何もできなくなってしまうという状況だと思います。その中で私たちができたのが、オンライン授業の中でも個別指導でした。

オンラインで個別指導をすることは、対面指導にはないメリットがあると思っています。例えば現代文の授業で本文に線を引くとき、口頭で説明するよりも画面共有して見せた方がわかりやすいです。

ただ数学担当の講師に話を聞くと、長い数式を書いたりするのは難しいとのことで、教科によってやりやすい形式やハードルが違うのかなと思っています。

ただ講師にオンライン授業をやってもらうとなると、彼らの自前のパソコンを使ってもらうことになるわけです。そうなると、例えばペンがないからマウスで線が引きづらいとか、そういった制約の中で形を作るのに苦慮することになると思います。

ニーズにあわせてオンラインの指導方法を変える

色々と方針を決めましたが、まず一旦はZoomを使ってサービスを止めないということを最優先として、その後でスキルや端末でできることを試行錯誤しどんどんのせていく予定です。特に新高3は「学校が休みになったので勉強したい」というニーズがあるので、そこをしっかり提供していくことが第一としています。

ただ、高1~高2生は「そんなに授業はやらなくてもいいです」という人もいるので、課題を出してあげて、そのサポートをすることでマネタイズするというような形です。ニーズによってサービスを使い分けるようにしていきます。

また、オンラインにしてほしいという要望が出るご家庭は、プリンターやiPadなどが整っておりそういうご家庭では非常に導入しやすかったと思います。ただ、携帯しかない場合には画面が小さいので画面共有すると非常に見にくいという懸念があります。

いずれにせよこれまでの今の流れを考えると、対面の授業はキャンセルしたいというニーズが高まっています。そこを比較考慮した結果、オンラインに指導を切り替えていけばでご納得いただけると思います。

オンライン指導における授業料

今のところ1対1の個別授業をオンラインでする場合、授業料は変えない方針です。実際、オンラインを希望された方からは授業料を値引きしてほしいという要望はきていません。

指導の水準が下がるわけではないですし、オンラインと対面でオンラインの方が劣っていると必ずしも言えないと思います。むしろ優れている部分もあると思うので、そこをご理解いただいた上で受講いただくというスタイルでいきます。

ただしプリントを用意して週1~2回の解説・学習管理する場合は、授業という形ではないので、同額を取るというのは難しいかもしれません。通常の授業料よりは安くなると思いますが、金額はまだ未定です。ただ生徒の学びを止めずにいられますし、塾としても収入面がゼロにはなりません。

同額の授業料をに不満であれば、プリントをわたして管理方式という、二段構えでいこうかなと思っています。

オンライン指導における今後の注意点

オンライン指導をするにあたって、これから注意していかなくてはいけない点がいくつかあります。著作権はかなりシビアな問題で、生徒と本を買ってそれを使っていく形で対応します。

Zoomのセキュリティーについては、今のところ問題はないです。ニュースを見ていて不安に思うこともありますが、パスワード入力で対応すれば大丈夫かと。また個別のオンライン授業の場合、生徒側のカメラはONにしています。顔が見られればいいので、正面に置いて下から斜め上を見る感じにしています。

オンライン指導は大変なこともありますが、コロナの影響で同じような状況の先生もかなり多いのではと思います。これからみんなで一緒に協力してやれたらいいですね。

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オンライン指導会は、今後継続的に開催していきます。ご興味のある方はこちらから詳細をご覧いただき、ぜひお申込みください。

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