できないことも記録することで生徒は自分の成長を実感できる|テラコヤイッキュー【Studyplus for School Award 2021】
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できないことも記録することで生徒は自分の成長を実感できる|テラコヤイッキュー【Studyplus for School Award 2021】

Studyplus for School Award 2021とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。 

昨年に続き今年も、受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントをオンラインで開催いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、自立指導部門で受賞された、テラコヤイッキュー(千葉県)の渡邉先生の回です。

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自分でPDCAを回す自走式学習で卒塾を目指す

当塾は、2019年4月に開校しました。メインは中学生ですが、小学生と高校生もいます。勉強をただやらされるものとして消化していくのではなく、自分をコントロールする方法や、目標設定・課題解決・PDCAサイクルなどを養う自走式学習を生徒と共に追求しています。

私は生徒に、塾に通わなくても自分で勉強することができる、塾に通わされるのではなく、自分で塾を使うということができるようになってほしいと思っています。そのため、自走の度合いによってプランを変えていて、生徒が成長すればするほど私の関わりを減らしていきながら、最後は卒塾を目指します。

指導内容は、週1回のスクーリングと週1回オンライン面談、オンラインのグループ指導です。これに加え、365日の家庭学習フォローを行っています。

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当塾の自走式学習というのは、学習サイクルと行動サイクルの両輪を自分の力で回しながら、前に進んでいくことです。両輪を回すためには、決めたことを実行する力や、重要なことを優先する力、さぼり心に負けない力、自分自身をコントロールする力など、心の部分を育むことが重要です。

そのため、学習サイクル、行動サイクル、心の3つを伸ばすための指導を行っています。そしてStudyplus for Schoolは、この指導の根っこを支えるツールとして活用しています。

Studyplus for Schoolで目的を持った勉強に取り組む

Studyplus for Schoolを導入したきっかけは、目的を持って勉強すること、そしてPDCAを回しながら勉強することを意識してほしいと思ったからです。この2つができない生徒は多いですが、当たり前に行える人になってもらいたいと考えました。

そのためには、家庭学習を含めたトータルのフォローが必要です。家での勉強も含めて、毎日PDCAを回す練習を行うこと、それを見える化していくことに意義を感じ、Studyplus for Schoolを導入しました。

生徒には、学習記録と振り返りは唯一の義務だと伝えています。テラコヤイッキューでは、教科の指導はしておらず、学習記録を宿題としています。毎日、目標設定と振り返りを行うことで自走の力をつけていきたいと入会時から伝えているため、これができない生徒は継続することはできないと理解していただいています。

そのため、トライアルの段階でできない子はお引き受けしていません。Studyplus for Schoolの重要性は保護者にしっかりお話しますし、生徒にも面談で説明しています。

また、講師は、生徒の記録に毎日フィードバックを行っています。そこから生徒の成長ポイントや伸びしろを探し、生徒に提示することを当たり前の業務としています。

当塾の生徒たちは、すごく質の高い記録を残してくれるため、私たちがコメントする力になり、私たちのコメントや頑張りが、生徒の頑張りにつながっているのではないかと感じています。

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こちらは、自走モデルのどの部分で、Studyplus for Schoolを活用するか図にしたものです。勉強の内容についてだけではなく、決めたことをやりきれたか、今日のタスクを完了できたかなど、行動サイクルもチェックしています。

また、「サボりたいと思ったけど、それでも頑張れたかどうか」「自分をコントロールできたか」といった心の動きも記録してもらっています。こうしたことを自分で言語化し、認識することが大切です。

何気なく過ごしていたら見逃してしまいそうな自分自身の頑張りや、昨日との違い、ちょっとした成長を自分で見つけて、自分で言葉にすること。これを記録して振り返ること。ちりも積もれば山となると言いますが、こうした小さな積み重ねを大切にしてもらっています。

講師側は、生徒がつけた学習サイクル、行動サイクル、心の3つの振り返りに対して、365日コメントでフィードバックしています。自己改善のサイクルを自分自身で回すことは難しく、継続するためのモチベーションを1人で保つのは至難の業です。そのため、フィードバックを毎日行うことで、継続のモチベーションを保ってもらいたいと思っています。

生徒の承認欲求を満たし主体的に勉強するようサポートする

Studyplus for Schoolでのフィードバックには、もう一つ重要な役割があります。それは、生徒が自分自身では気付けてないような成長ポイントに光を当ててあげることです。自分の成長に対する気付きが生まれることは、自分自身をコーチしながら自走できる人に近づくことだと思います。

私たちが塾としてStudyplus for Schoolを使って行っているのは、生徒が家で勉強しているかどうか、言われたとおりに学習しているかを管理するためではありません。生徒の「気付きのサポート」です。生徒が自分の成長に気付くことができるか、昨日までとの違いに気付けるか、それをサポートすることで自走の力を育んでいます。

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多くの塾の先生や保護者は、子どもたちに主体的に勉強してほしいと思っています。目標に向かって努力してほしい、もっと挑戦してほしいと思っていますが、生徒がその欲求を持つためには、このピラミッドの承認欲求以下のこの部分をしっかり固めていかなければいけません。そうでないと、自己実現の欲求が出てこないと私は考えています。当塾では、承認欲求以下の部分を固めて耕してあげるため、Studyplus for Schoolでフィードバックをしています。

記録をつけ続けることで自分の成長を感じられる

ここからは、当塾の生徒がどんなふうにStudyplus for Schoolを活用し、PDCAを回しているのか、どのように私たちがフィードバックを行っているのかをご紹介します。

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こちらは、高校2年生の夏に入塾した生徒の記録です。当時は、勉強を始めたての状態だったため、「できないことも全部記録していこう」と伝えました。最初は、マイナスな振り返りが多かったのですが、11月頃には「やってよかった」「できるようになってきた」という記録が残せるようなりました。

できなかったことができるようになるのは、自分の成長を感じてプラスになる経験です。この実感は、できなかった記録を付けているからこそ強く感じることができると思っています。

また、Studyplus for Schoolでタスク管理も行ってもらい、自分で決めたことをその日のうちにやりきりましょうと言っています。最初にタスク整理して何をするか宣言しておかないとなかなかできないため、「けテぶれタイム」という時間を作り、その日の目標を登録してもらうようにしました。

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また、Studyplus for Schoolは、小学生との相性が非常に良いです。上記のスライドは、小学校3年生の生徒のものですが、きちんと振り返りをしてくれています。自分のタブレットを使って自分で入力していますし、写真も撮って合成しています。

他には、小学校5年生の秋に入塾した生徒が、ついゲームを優先してしまい、「家で勉強しない」と保護者の方も困っていたのですが、毎日振り返りを付けるうちに、自分で決めた時間に取り組むことができるようになりました。やる気は出なくても、できた自分を褒めたいという想いがモチベーションをあげるためには大切です。今まで勉強できてなかった生徒からそういう想いが生まれるのは、すごく価値があると思います。

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こちらは、小学校5年生の生徒の記録です。入塾して1年ほどたちますが、今ではしっかり自分で1週間の学習計画を立てられます。この生徒は、学習計画だけではなく、何時に起きて、どこで休憩して、いつ自分の好きなことをやるなど、総合的な計画を立てられるようにもなりました。

振り返りに、「みんがくみのちゃんもいたから、モチベーションが上がった」とありますが、これは中学生の生徒のことです。オンラインで集まって授業をすることがあったのですが、そこで仲良くなったお姉さんが勉強しているのを見て、頑張ろうと思ったようです。このような素直な気持ちを持てるのは、小学生の特徴です。

また、別の小学校6年生の生徒は、そろばんの検定を受けるための記録をつけているのですが、通常の勉強と同じく、目標に向けて練習して行ったことを振り返って、自己改善を続けています。記録内容は、タイムが落ちたことや、何分何秒になったかということです。

そこから、自分がどういうふうに感じたのかも書いており、「そろばんは、休んではだめだと思った」という気付きや、明日はどうしていくなど、Studyplus for Schoolの記録の中で完結させています。

ある中学校1年生の生徒は、「漢字テストがあるからそれに向けて今日は練習しました」など、計画を立てて、それに向けて勉強しており、目的を持って勉強できているなと感じます。

この生徒は、サッカー部の活動が忙しく、ゴールデンウィークは合宿に行っていました。しかし、その間もオンライン実習室に入って勉強してくれて、毎日の記録を途絶えさせないようにしていました。

Studyplus for Schoolを導入して3年間経ちますが、生徒の学習記録の内容が変わったなと感じるまでには、半年はかかることがわかりました。そのため、入塾の段階で、保護者にもそれくらいは絶対にかかると説明しています。長期的に見てもらえないのであれば、合っていないということを理解していただくためです。

同じ塾の生徒がどんな振り返りをしているか共有する

次に、コメントによるフィードバック以外のStudyplus for Schoolの取り組みについてお話します。

オンラインで面談のみの指導となると、生徒は他の生徒がどういうふうに勉強しているのか、どんな振り返りを残しているのかなど、自分以外の人間から学ぶ機会が減ってしまいます。

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これを補完するため、テラコヤ通信という塾通信を毎週発行しています。去年の4月から始め、1年間休まず刊行しました。普段は、10位までの勉強時間ランキングと、私からのコラム、前の週で一番いい振り返りの記録を残してくれた生徒のピックアップを記載しています。

上記のスライドは、ゴールデンウィーク特別号ということで、みんなの記録を載せ、ぞれぞれの記録のどこが良かったのかをまとめました。

中でも良かったのは、「今日の勉強どうだったか」と自分自身にインタビューした生徒の記録です。「今回の勉強の良くないところはなんですか?」「そうですね、16は何の2乗かというときに、8の2乗って書いたことです」など、自問自答しながら記録してくれました。

少しふざけているように見えますが、実は第三者の視点から自分のできたこととできなかったことを認識できています。なぜ正解したのか大事なポイントも書けていて、嫌いな勉強を楽しむ工夫まで盛り込まれた、いい記録です。Studyplus for Schoolでの振り返りを続けていくと、生徒のメタ認知能力が高まると感じています。

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今年新しく始めた取り組みとしては、勉強すればするほど、振り返りをすればするほどイッキューポイントがたまるという制度を作りました。Studyplus for Schoolの記録を1日付けると1ポイント、1時間勉強すると1ポイント、記録を1週間休まずにつけられたら10ポイントたまる仕組みです。

また、テラコヤ通信にピックアップされるような良い振り返りを書いたら、10ポイントたまります。ただ記録するだけではなく、質の良い記録をつけようという動機になりますし、素直な小中学生は楽しんでくれています。

生徒のために、テラコヤ通信を作ったり、他の生徒がどのように振り返っているのかが分かる仕組みを作ったり、当塾の「当たり前」にどれだけ触れられるか、良い人の真似ができる環境を用意してあげるかが、私の一番大きな仕事です。

また、小学生の頃から始めることで、学習記録や振り返りを付けることが、当たり前になっていきます。だからこそ、小学生や中学1年生こそStudyplus for Schoolを活用しないともったいないと思っています。個人的には、このあたりがゴールデンエイジだと思います。高校から入塾する生徒は習慣づけるのが難しく、続かない生徒も多いです。

幼いころからの教育が重要だと痛感することも多くなり、当塾は少しずつ小学校低学年に生徒層をシフトしていこうかと考えています。

社会に出てからも役立つ「自走の力」を身に着けられる

また、新しい試みとして、「Online JISOU Training(オンライン自走トレーニング)」というものも始めました。これは、「記録はみんなができるものだ」と証明するための取り組みです。

振り返りがうまい生徒もいれば、できない生徒もいる状態が続くなかで、私と一対一の面談だけでは何も気付かず終わってしまう生徒がいることもありました。そこで、みんなで集まって学べる場を隔週で設け、他の生徒と一緒に自走や振り返りの大切さ、Studyplus for Schoolの入力の仕方などを学習する日をつくりました。

目標設定を一緒に行ったり、学習計画を一緒に立てたり、良い振り返りを共有したりすることで、一生役立つ「自走の力」が身につくと思っています。

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こちらは、中学校3年生の生徒のテスト振り返りノートです。そこまで高い点数を取るわけではありませんが、振り返りの緻密さや行動への落とし込みレベルが非常に高いと思います。気付き・感想部分に、自分の行動の何がよくて何が悪かったのか書いています。

何点取ったからこうだったという結果の振り返りではなく、自分の行動がどうだったかを振り返っています。これは、毎日記録を取っているからこそできることです。

勉強は運動や芸術と同じように得意不得意があるため、誰もが100点満点を取れるようにはなりません。しかし、自分にあったレベルで、自分の成長のために学校のテストを使ってPDCAを回す練習をすることも重要です。テストが返ってきたら「次はもっとよくするためにどうしたら良いのか」という自己改善のサイクルを自分で回し、自走の力をつけられるようにしたいと思っています。

複数のICTツールで生徒だけでなく保護者や講師もフォロー

Studyplus for Schoolを導入して2年目、生徒も増えて課題が見えてきました。一つだけではできないこともあると気付いたため、今年は以下4つのかけ合わせ方で複数のICTツールを使うようにしています。

1つ目は、「Studyplus for School×みんがく」です。みんがくとは、生徒の家庭学習を見守る自習支援ツールで、オンラインの自習室をたくさんの塾で集まって運営しています。

今までは、生徒の数も少なかったため、Studyplus for Schoolの記録を見てリアルタイムで返信していました。しかし、生徒が増えてくるとそれができなくなり、面談や授業に入ってしまうと、生徒の記録にコメントを返すのが翌日になっていまうこともありました。

このラグを解消するため、みんがくを使っています。みんがくをつないでおくと生徒のリアルな様子が分かるため、誰が勉強しているかがわかります。また、記録が付いてないと「勉強やってないの?」とマイナスの声掛けをしてしまいそうになりますが、その必要がなくなる点もメリットです。

生徒によっては、Studyplus for Schoolは苦手でもみんがくは使えるということもあるため、そのような生徒もすぐに認めてあげられるようになります。質の高い内面のフィードバックをするのはStudyplus for Schoolで、みんがくは即効性のある承認ができるという使い分けです。

みんがくには60ほどの塾が参加しており、オンライン自習室運営がうまく回るようになりました。管理人が私以外にも常にいてフィードバックしてくれるため、承認パワーを増幅できるようなイメージも持っています。

2つ目は、「自走式×カケハシ」です。保護者の声かけはプラスに働くこともあれば、マイナスになることもあります。それに対して私は、Studyplus for Schoolから保護者にメッセージを送りますが難しい部分も少なからずあります。

最近は、過干渉の方も多く保護者に子どもとの関わりについてどう伝えたらいいのかと悩みました。私は親ではないので、「こうしてください」とはなかなか言いにくいです。ですが、保護者の声掛け一つで子どもの行動が変わることも事実です。そこで、保護者コーチングサービスのカケハシを導入しました。

先日、カケハシの無料オンラインセミナーに参加した保護者から「とても勉強になりました、自分が変わっていくことが子どもが変わることにつながると気付き、カケハシでこれから勉強していこうと思います」というようなメッセージをいただきました。今年は、カケハシを使って保護者へのサポートもしっかりやっていこうと思ってます。

3つ目は、「Studyplus for School×講師育成」です。今年からスタッフを雇い育成しているのですが、そこにもStudyplus for Schoolを活用しています。講師も登録し、全員で自走式学習を体現しています。

例えば、オンライン面談を任せるスタッフには課題図書を出し、生徒と同じように本を読んで感じたことを記録することを義務にするなどしています。対面の授業を手伝ってもらうアシスタントスタッフには、授業の振り返りを記録してもらっています。それに対し、私がフィードバックをしています。

自分で振り返りを行うことで、生徒の気持ちも分かるようになりますし、シフト管理もカレンダー機能を使ってできるため、とても便利です。

4つ目は、「イッキュー×教科サポート」です。現在、AssistとBitCampusTouchを使っています。こちらはこれから本格的に取り組む予定なので、来年のAwardでご紹介させていただければと思っています。

オフラインに回帰し生徒の居場所を作る

昨年のStudyplus for School Awardでは、「自走式学習を広める」「テラコヤイッキュースタイルの横展開をやっていく」という展望を語りました。一つ目の「自走式学習を広める」については、同じようなスタイルの塾も増えてだんだんと達成していると感じています。来年のStudyplus for School Awardではきっと、自走部門もできるのではないでしょうか。

「テラコヤイッキュースタイルの横展開」については、面談チームを組んで、もっと多くの力になれるように展開中です。チームメンバーにのれん分けをしていく予定で、まだまだ仲間を募集中なので、興味を持たれた方がいましたらご連絡ください。

今後の展望としては、まずオンラインからオフラインへの回帰をしていこうかと考えています。当塾は、脱皮をしながら進化を続けています。そのため、オンライン指導メインという部分に、凝り固まっていてはいけないと思っています。自学の力、自走の力を育むため、オフラインの居場所もつくっていく予定です。

最後に、Studyplus for Schoolのいいところはたくさんありますが、個人的にはカスタマーサクセスの皆さんが一番の魅力です。距離がすごく近く、私がやっていることをちゃんと見てくれて、認めてくれるというのがスタディプラスの方だと思います。このような発表の機会をいただくことも、自分を認められる一助となっています。これにより私の承認部分が耕されて、まだまだこれから頑張ろうと思えています。これからもStudyplus for Schoolを活用して、生徒の自走する力を育んでいきたいと思います。


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