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コロナ禍と学校の動きに合わせたオンライン指導の変化|個太郎塾新高島平教室【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウィルスの感染拡大により、学習塾業界は教育サービスを提供できず、事業の継続が困難となるリスクが発生しています。これを防ぐために急速に高まっているのが、オンラインでの指導体制の整備の重要性です。

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。今回は個太郎塾 新高島平教室の清水先生にお話を伺いました。

個太郎塾 新高島平教室について

個太郎塾の清水と申します。当塾は、学習塾や映像教材のウイングネットを展開する市進教育グループの個太郎塾のフランチャイズ教室です。こちらが弊教室ホームページを抜粋したものになります。

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場所は東京都の板橋区です。東京都と埼玉県の境になっていて、私と学生のアルバイト講師の計5名で運営をしています。主に小中高校生を対象とした対面式の1対2の個別指導ウイングネットなどの映像教材を利用した「MANA」という自立型の学習指導をメインで行っておりました。ですので、オンライン指導はこれまで一切やったことはなかったです。個太郎塾全体のものではなく私の教室のものですが、「『いま』がどうなのかは関係ない、『いまから』自分がどうなりたいかだ」というコンセプトにしています。

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これが実際の教室の様子になっています。広さ自体は20坪程度なので、たくさんの子どもたちが一斉に勉強できるスペースまではいかないサイズですが、Studyplus for Schoolを導入したときに、スタディプラスの本社に伺って影響を受けまして、私の教室ももっとオープンな空間にしようと思いました。今ではオープンな自習スペースを作り、1対2の個別指導をする空間と、自立学習の空間があります。

公立小中高校休校要請と塾の時間割

ここから新型コロナウイルスの当塾の対応について、時間をさかのぼって順にご紹介します。まず2月末ですが、公立小中高校休校要請がありまして、さてどうしようと、判断をとても迷いました。本来、塾の役割は、子どもたちの学習環境を提供し、成績が向上することで、本人の志望する学校に合格してもらうことだと思います。ただ、それを継続するのが難しいなと私自身が思いました。

現実的に目の前の子どもたちを見た時に、子どもたちが急に学校に行けなくなってしまって、朝から夕方まで何をしていいか分からない状態になってしまったので、そのバックアップしようということで、こちらを優先することにしました。

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本来、塾の役割ではないかもしれませんが、この時はそう言っていられないと私自身は思いました。そう決めてからは、朝から夕方まで塾で面倒見ていこうと決断しまして、写真の時間割に変えたのが2月の末です。

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同時にオンライン指導も始めてみました。こちらが2月の末に保護者向けに配布したお手紙で、ここでもオンライン教室を臨時開校しますと伝えましたが、この段階ではそこまで参加者は多くなかったです。教室も開けていたので、教室に来て1日過ごす子の方が多かった時期です。

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これがその時の様子ですが、学習塾なので、もちろん勉強する時間は時間割で決めていました。ただどちらかと言うと、楽しく過ごそうねという気持ちでした。こんな時期だけど、勉強ももちろんですが遊びも含めて、色々なことをしながら楽しく過ごそうねというのをメインでやっていた時期です。

みんなでカードゲームで遊んだり、近くの公園で体育と称しながら、だるまさんがころんだをやることもありました。当時は、まだ外出に関してはそこまで厳しくなかったですよね。どこまでなれるか分からないですけど、学校の代わりになろうと思ってやっていました。

こういう状況でしたから、生徒や保護者と連絡しなければならないことも増えたのですが、人数が多いので、電話でやり取りするのが難しくなってきまして、LINEのオープンチャットという機能で掲示板のようなものを作りまして、時間割などの教室からの情報やZoomのIDをこの掲示板に共有することにしました。最初は登録者数が増えなかったのですが、このような状況になって、いまではほとんどすべての生徒と保護者の方にご登録いただいており、生徒や保護者への告知はしやすくなりました。

また、この時期にはじめてZOOMを利用しました。コロナの影響ではなく、以前から新年度に向けた保護者説明会をZoomでやってみようという思いがあったのがきっかけです。リアルとオンラインどちらもやりました。

緊急事態宣言と塾の時間割

そして、4月7日に緊急事態宣言が発令され、学校も4月8日から自宅待機となりました。当塾は本来は1対2の個別指導をメインでやっているのですが、準備期間もなくすぐに1対2の個別指導をオンライン化するのは難しいかもしれないと感ました。

また、塾で速やかにオンラインで面倒をちゃんと見るということがまずは大事だと思ったので、1対2の個別指導はすべてなしにすることにしたのです。料金をすべて1対2の個別指導の料金ではなく、自立学習の料金に移行させていただくことを保護者にもご報告しました。

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幸いにも、保護者から表立って「なんで1対2の個別指導ではないのか」という声をいただくことはなかったですし、オンライン指導になるから、自立学習になるからと言って、退塾する生徒もいませんでした。ただ、オンライン指導にしたことで、ちゃんと参加する生徒とまったく参加しない子の差は出てきました。コロナと関係なく、やる子はやるし、やらない子はやらないという差は感じましたし、その差をどう埋めるのかがオンライン教室の課題です。

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こちらが保護者にお渡ししたお手紙です。緊急事態宣言が発令した直後から4月末までの時間割になっています。塾人として子どもたちの学習環境を確保し、学力や勉強に対するモチベーションをちゃんと維持していくことが、塾を運営する人間としての役割だと思っています。ただ一人の大人として、生徒ではなく子どもにどう接していこうかと考えました。

子どもたちも先が見えなかったり、友達と会えないと色々な悩みがあると思うので、そんな日々でも、楽しく、規則正しく過ごしながら、この時期じゃないとできないこと、新しいこと、自分がやりたいことを見つけて行こうねという、そんな時期にもできるかと思ったので、塾としての自分と大人としての自分と、このバランスをどう取るかが難しかったです。

保護者の方の中にも「塾なんだから勉強だけ見てれば良い」という人ももちろんいると思いますが、一方で、これまでの当教室の対応について「ありがたいです」というお話もいただけました。今となっては良かったと思っているのですが、判断する過程での塾人と大人のバランスは非常に難しかったと思っています。

ゴールデンウィーク後の学校の時間割と塾の時間割

ゴールデンウィーク前後に、ある近隣の中学校から生徒・保護者に配られたお手紙なのですが、「○月○日○限目はこの教科」と時間割がすべて決められていました。もちろん登校ではなくこの時間にこの教科を学習しようという案内で、生徒はこれらを自宅で学習しなければなくなりました。

こちらは当塾の時間割でゴールデンウィークまでは朝の9時から夕方17時まで時間割を組んでいたのですが、この時点ではまだ学校からは時間割は提示されていませんでした。だから子どもたちもこの時間割の通りにやってくれる子が多かったのですが、ゴールデンウィーク中にこのお手紙が学校から配られたと聞いて、再び、さてどうしようと。

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この時間割は時間も課題も制限されるため、生徒にとっては大変かもしれないですが、子どもたちもやらざるを得ません。そうなると4月のように朝9時から夕方17時まで開けるのは、生徒にとっても負担が大きすぎると思いましてた。

私としては塾本来の役割を徐々に取り戻すことにして、時間割も午後2時から教室を開ける時間割に変更しました。学校の時間割が午前中で終わるようになっているので、お昼休憩を挟んでもらって、午後2時から始めて終わりが夕方6時20分までという以前の塾の時間割に戻しました。通常は夕方6時以降も教室を開けていたのですが、それはまだ開けていません。ちょっと負担が大きすぎるかなと思い、様子を見ています。

オンライン期間を有意義にするユニークな取り組み

午前からオンライン指導をしていた4月中は、毎朝Zoomでつないでホームルームを実施していました。ラジオ体操や頭の体操としてなぞなぞをやっていました。保護者の方も一緒にラジオ体操していた家庭もあったそうです。なぞなぞは、私が問題を出して、生徒はミュートで参加しているのですが、チャットで答えを送る感じです。

なぞなぞもだんだん飽きてくるので、イラストイントロドンと言って、私が「GoodNotes」で見本を見ながらキャラクターを書いて、分かったタイミングでチャットで答えを送るようなこともやりました。また、保護者も巻き込んで、90年代のヒット曲を流して、そのアーティストとタイトルを答える懐メロイントロドンもやりました。

ホームルームは保護者の方も一緒に参加される方が多いのですが、おうちの方も一緒に楽しんでホームルームやりましょうという雰囲気で、90年代のヒット曲は子どもは一切分からないので、保護者に言われた通り入力していました。

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オンライン指導にしたことでちゃんと参加する生徒とまったく参加しない子の差が出ました。これをどうにかできないかと考えて、明確な目標があると良いかもしれないと思い、中学生を対象にオンライン中間テストを実施しました。中間テストを印刷して封筒に入れて事前に配布しまして、翌日にオンラインで中間テストを実施するという流れです。

そして、Zoomで生徒が集まったら、みんなで中間テスト開封の儀と言って、「じゃあ今から封筒を開けてはじめましょう」という流れです。YouTubeの「◯◯を開封してみた」みたいな動画があると思うのですが、まさにそんな感じで生徒も盛り上がります。丸付けは解答用紙を写真で撮ってもらったものをLINEで送ってもらい、採点してフィードバックします。採点は「GoodNotes」というiPadアプリでしています。

このような形で、朝のホームルーム、中間テストと、本来学校が担う役割の一部に挑戦してみました。やってみて思うのは、学校の代わりとしてやろうと思ったもののかなりしんどいということですね。餅は餅屋で、学校にはなれないし、改めて学校ってすごいなと思いました。ただやって良かったと思います。

もうひとつ実験的にやってみたこととして、オンライン指導をはじめて2日ぐらい経った時に、保護者の方々とオンライン飲み会をやりました。4組ほど参加してくれたのですが、「子どもを個別に見てほしい」と。クレームでは全然ないのですが、今みたいに集団の中でやるだけではなくて、個別に子どもを見てほしいという話になりました。

当塾は個別指導塾なので当然といえば当然です。それを聞いてからは、1対1で話をする時間を必ず設けるようにしました。いわゆる自立学習型で、Zoom上で自習している時に、生徒を一人ずつブレイクアウトルームに呼んで、「わからないところない?」とか「最近どう?」みたいな話をする流れです。そういう気づきもいただいたので、保護者とのオンライン飲み会もやってみて良かったです。

これからのオンライン指導とオフライン指導

ここまでオンライン指導を実施しまして、ウイングネットなどを利用した「MANA」という自立型の学習指導は、私も講師も慣れてきまして、講師に自立学習の監督してもらい、私は1対2の個別指導にシフトしているところです。

ただ、1対2の個別指導を実施するのは、生徒の手元が見えないという難しさを感じています。ノートを映してと言うものの、全部が見えるわけでもないですし、画像で送ってもらうのも時間がかかるとタイムリーではなかったり、オンライン指導中は保護者も近くにいらっしゃることもあるのでそのケアも必要です。

1対2の個別指導をオンラインで実施している先生方はすごいと思います。現時点だと、1対2の個別指導のオンライン化はやらないかもしれないです。コロナが収束したら、1対2の個別指導はリアルに教室に来てもらうという風になるかもしれません。

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現在ですが、オンラインでやってる子もいれば、リアルに教室に来て学習する子もいる状態です。オンラインの良さを知ってしまった子どもたちがいて、それでもやっぱりリアルを望む子どもたちもいて、これらをどう共存させていくかが今後の課題です。ちょっとずつ収束に向かっている状況だと思うので、その先の塾の姿を考えていこうと思っています。