学習の振り返りを通して、生徒の自立を目指す|皆星ゼミナール高橋校【Studyplus for School Award 2020】
Studyplus for School Award 2020とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。
*Studyplus for Schoolの詳細はこちら。
従来は、授賞式や受賞者によるプレゼンテーションを含むイベントを開催しておりましたが、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、この度オンライン配信で受賞者によるプレゼンテーションを実施いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、スタートアップ部門で受賞された、愛知県の皆星ゼミナール高橋校の権田先生の回です。
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1対2の個別指導と自習を組み合わせた学習塾
皆星ゼミナールの権田です。私は大学卒業後、スポーツインストラクターや営業職を経て、現在に至ります。この業界に入って、まだ10年ほどです。
当塾は愛知県豊田市にあり、対象は小学生から高校生まで、形態は1対2の個別指導です。毎週月曜日を「自習の日」と設定し、生徒全員に塾に来てもらい、自習してもらいます。授業は、対面指導、オンライン指導両方対応しています。特徴は、徹底したテスト対策です。
少し無理な計画を立ててしっかり振り返る
Studyplus for Schoolは2018年、高校生自学マスターコースという自己管理コースに導入しました。
2019年からは、中学生にも導入しました。中学生に「やりたい人いる?」と聞いたところ、3年生が興味を示したため導入しました。中学生はスマホを触ることが好きなので、それを逆手にとり導入を決めた背景もあります。
用途のメインは、振り返りとコミュニケーションです。プランニングもしており、生徒には「少し無理だと感じるくらいの計画を作りなさい」と伝えています。「頑張る」という言葉もありますが、表現として曖昧な部分があります。そのため、あえて「無理」という言葉を使っています。
例えば、22時まで塾で自習している生徒に、1時くらいに寝ているならば、家に帰ってからも1時間勉強できないか尋ねたところ、「無理かもしれないです」と答えました。そこで「じゃあ、やってみよう」と伝え、計画に入れました。
計画を立てる時は、こちらから具体的に「これはどう?できそう?できない?」と投げかけることがコツです。「無理のないようにやってね」と言ってもなかなか成長できません。少しずつ無理をすることで、器が大きくなり、成長するものだと考えています。
プランニングでは、日曜日に翌週の計画を立てます。テスト前など大事な時期は、紙も併用し、毎日持ち歩いてもらいます。
最もよく使っているのは、ストップウォッチ機能です。後から入力するのではなく、ストップウォッチで記録をつけるように伝えています。そのため、生徒が教室に来たらすぐにスマホを机に置いて、ストップウォッチをつけるよう促します。
振り返りも徹底しています。反省せず、ただ勉強するだけでは成長はしません。生徒には「何もやっていなかったら、振り返って反省することもできないよ」と伝えており、こちらからは「何をやってどうだったの?」「これからどうしていくの?」と投げかけています。
なかなか記録をつけられない生徒には、記録の重要性を話すことが大切です。「昨日のご飯、何食べたか全部言える?」と聞いても、ご飯に興味のない人は、なかなか答えられません。「記録を残しておくから、すぐに答えることができ、振り返りもしやすくなるんだよ」と伝えています。
生徒が自分で計画を立て、実行し、振り返るというサイクルに慣れるまで3カ月ほど必要です。筋トレなど他のことでも、効果が出るまではそのくらいの時間がかかるもです。そのため慣れるまでは、毎週LINEを送り、「計画立ててね」と伝えています。
こちらは、実際の振り返りの様子ですが、「タイマー使って勉強してみた。課題と、マイペースのやれるところを進めた。間違いが多かった。何回も解いたり、教科書と資料を読んで覚える」とあり、何をやってどうだったか、どうしていくかが書かれています。
振り返りばかりでは面白くなくなっていくため、その他に思ったことなども書いてもらっています。右上の生徒は、「ドラえもんの“えもん”がひらがなだったことに驚きです」とあります。それに対して「謎だね」と返したら、理由を調べてきてくれました。
もちろん振り返ることがメインですが、こういったコミュニケーションの役割も果たしています。
LINEで振り返りを送ってもらうこともあります。緑が私、白が生徒のメッセージですが、私は仕事のことをまったく振り返っていません。ふざけたことを書き、それに対して生徒が反応するという形です。
Studyplus for Schoolは自分自身と向き合うためのツール
中学生と話す時によく話題にするのが、「お金か愛か」というテーマです。思春期の中学3年生にはもってこいの話題で、生徒はだいたい愛を選びます。そのため、あえて私はお金を選び、生徒と話をします。
その時に、冗談で、「お金はいろんな人に配っても問題ないでしょ?だけど、愛はいろんな人に配っていたらトラブルが起きるでしょ(笑)」と言っています。しかし、結論としては、私はお金に対する愛があり、結局、愛を選んでいることを伝えます。
Studyplus for Schoolも、愛があるから使っています。Awardで登壇されている他塾の先生方を見ていても、みんな愛があると感じます。
導入したての頃、私にとってStudyplus for Schoolは、時間管理のためのツールでした。しかし2019年からは、コミュニケーションツールとしての価値も感じています。生徒とのやりとりの中で、彼らが今何を感じているか分りますし、生徒も自分自身と向き合えています。
自由な時間があり、それを自分で管理し、一日の終わりに記録を見て、「今日はこういう風に時間を使っていたんだ、じゃあ明日はどういう風に時間使っていこうかな」と振り返りながら自分に向き合うことが大切です。
頭の中で向き合える人はそれでいいのですが、人間それほど器用ではありません。ツールを使い、しっかり自分自身と向き合うことのできる生徒が増えて欲しいと考えています。
「自律」から「自立」を目指す
今後は、塾での授業をなくそうと考えています。勉強とは、自分の可能性を広げる一番身近な道具です。私は、それを使いどうやって可能性を広げていくのかについて、伝えていくことを考えています。Studyplus for Schoolを使いながら、勉強を教えるのではなく物事に対する考え方を伝えていきたいと思っています。
こうした方針転換をしたい理由は、「自律」から「自立」を目指しているためです。「自律」とは、自分で決めたことをきちんとやっていくこと、「自立」とは、人の助け無しで全て自分でやっていくことを指します。
「自律」については、Studyplus for Schoolを使ったり、私たちがアドバイスすることで、できるようになっていきます。私たちが離れ、最終的には自分で何でもやっていけるようになること。これこそが一番の目的です。
私の中で、理想とする、生徒の塾の辞め方があります。それは、「もう自分で計画して、実行して、振り返って、調整もできるようになりました。結果も出ているので、塾を辞めます」と言われることです。まだ一人もいませんが、今後は、この理想を追いかけながらこの業界に携わっていきます。
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