記録にもとづき、生徒の承認と勇気づけを積極的に行う|ハイスクールMUGEN鹿児島中央駅前校【Studyplus for School Award 2022】
独自の工夫をこらしながらStudyplusサービスを上手に活用し、新しい教育の在り方に取り組まれている塾・学校を表彰する「Studyplus for School Award 2022」。昨年に続き今年も受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントを5月10日から約1ヶ月にわたり開催いたしました。
今回は、自立指導部門でご受賞された「ハイスクールMUGEN鹿児島中央駅前校(鹿児島県)」竹之内 彩花 先生のご登壇回を振り返ります。
登壇校紹介
■登壇者
■ハイスクールMUGEN鹿児島中央駅前校とは
講師が強制するのではなく生徒が自ら考え行動できるよう声かけする
当塾はもともと進学塾MUGENという小中学生中心の学習塾で、オプション講座として高校生が通塾し、選択した授業以外は自習室で学習していました。
鹿児島県の高校生は朝補習、放課後補習、部活などに追われ、とにかく忙しいです。ですが、「でも、どうせ、だって」という言葉で逃げるのではなく、高校生に前向きさと元気を与え「大丈夫、キミならできる」というメッセージを伝えたいという思いで、高校生・既卒生専門のハイスクールMUGENを設立しました。
そこで出会ったのが、Studyplus for Schoolです。管理ツールとしてではなく、コミュニケーションツールとして導入。自分で日々の学習を記録することで、生徒は自分で自分を高めていくことができ、勇気づけられると感じました。
入塾した生徒には、初回チュータリングで記録を付けるメリットをしっかり伝えています。内容としては、「学習記録をつけることで、自分の学習量を把握できる」「科目ごとに記録をするので教科バランスがわかる」「先週と比較することで学習時間の増減がわかる」「先生たちもすべての記録が見れるから的確なアドバイスができる」「振り返りをして次の週の目標にするとより質の高い学習ができる」といったことです。生徒に学習記録を習慣化してもらうためには、このように初めに目的を伝えることがとても大切だと感じています。
チュータリングや生徒対応では、講師の物差しではかるのではなく、生徒の満足度や想いを大切にしています。例えば英語の学習時間が1時間だったとき、「時間が少ないから増やしたいね」と言うのではなく、まず満足度を聞き、もし満足できていなかったら「今週はどのくらい頑張りたい?」と聞きます。もし満足していたら、まず「1時間頑張れたんだね」と承認し、「もっと増やせたらと思うけどどう?」など提案します。過去のチュータリング内容を確認し、生徒の状態に合わせて声かけすることが大切です。
また、ティーチングではなくコーチングを意識しています。生徒から質問が来たら、すべて教えてあげたり、解いてあげることはしません。また、「こんなのもわからないの?」といったことは言わないようにしています。「解説は読んでみた?どこまでわかった?」と、どこまで理解しているか確認し、解き方のヒントを教えてあげて、もう一度自分で解いてもらうという流れです。最後に「困ったらまた教えてね」と声かけします。
そして、チュータリングでは次につながるような働きかけを意識しています。例えば生徒がテストの結果が悪くて落ち込んでいる時、「勉強が足りなかったんだ」「もっと頑張ろう」などと言うのではなく、どの教科のどの単元がうまくいかなかったか振り返りを促し、生徒自身が原因を理解した上で、対策方法を考えてもらいます。時にはこちらからも、対策案を提案します。
Studyplus for Schoolと紙ベースの2種類で学習記録を行う
当塾では、学校の授業以外の学習時間をすべてStudyplus for Schoolで記録することをルールとしています。
塾に来たらiPadを取りログインして、記録漏れを防ぐためリアルタイムで学習記録をつけてもらいます。講師はこまめにタイムラインを確認し、「いいね」とコメントを送ります。
またStudyplus for Schoolだけでなく、「PDCAの記録」という、紙ベースの振り返りも実施。学習単元や学習時間、頑張ったポイントなどを書いてもらいます。一つの学習が終わるごとに見せに来てもらい、承認や勇気づけの声かけをします。
塾以外の時間の記録は生徒自身のスマートフォンでつけてもらっています。なるべくリアルタイムで記録をしてもらいますが、中には勉強中はスマートフォンを手元に置かないようにしている生徒もいるので、その場合はメモをしてもらい、後から入力する流れです。記録に対しては、Studyplusのタイムラインでだったり、直接会った時にフィードバックをします。
すべての生徒が、きちんと記録できるわけではありません。あまり記録できない生徒には、チュータリング前に記録をしてもらったり、帰る前に声掛けしたりしています。そして、記録ができていた時はすかさず承認の声かけをすることが大切です。また、S-1グランプリでは、同じチームの友人から声かけしてもらったりもしています。
生徒とのコミュニケーションや講師の情報共有に役立つStudyplus for School
当塾で大切にしていることが、生徒のモチベーションアップです。塾に来てくれたら「今日も来てくれてありがとう」と伝え、生徒の記録には毎日欠かさず「いいね」をし、コメントも書き込みます。毎週のチュータリングでは承認や勇気づけをして、ランキングを掲示することで承認や共有を行います。メッセージでコミュニケーションをとり、保護者にも見える化をしています。
こういったオペレーションの中で、Studyplus for Schoolの様々な機能を活用していますので、ご紹介します。
まず1つ目が、タイムライン機能です。
生徒には記録の際、コメントも添えてもらっています。左側の生徒はスピードを意識していたので、それについて書かれています。これはStudyplusで記録をしているからこそ時間を意識できるようになった事例です。
こちらの生徒は、総学習時間が560時間を超えて嬉しいとコメントをつけてくれました。
活用している機能の2つ目は、アナリティクス機能です。学習時間の把握や学習ランキングの作成、未記録者のピックアップに使用しています。また、チュータリングの時は直近1週間の時間をチェックして、頑張りを承認するのにも活用しています。あまり記録をつけない生徒がたまに付けた記録は、タイムラインだけでは見落とすこともありますが、アナリティクスだと確認しやすいです。
チュータリングでは生徒と一緒にアナリティクスを確認し、全体の中で自分がどこにいるか把握し、前回決めた目標時間を達成しているか振り返ります。また、科目のバランスチェックも大切です。頑張っている先輩や同級生の時間を参考に、翌週の勉強時間を設定します。
活用している機能の3つ目は、カルテ機能です。チュータリングで話した内容は全てカルテに記録し、情報をスタッフ間で共有します。
こちらはカルテのテンプレートの内容です。テンプレートを使うことで、誰でも同じように情報を集めることができます。これ以外に聞き取ってほしいことがあれば、事前に口頭で伝えておきます。受験コースに属している生徒は、年間計画に基づいて、長期的な目標を設定しカルテに記載をしています。
カルテには保護者面談の内容も記入しています。複数のスタッフで生徒対応をするため、スタッフ間で情報共有するのにとても便利です。
活用している機能4つ目が、メッセージ機能です。生徒に対してはオンライン時の質問対応や、カルテに記入した学習計画内容の共有に活用。保護者とのやり取りでは、生徒の頑張りを個別に伝えたり、欠席連絡・受講相談を受け付けたりもしています。一斉送信も使っていて、連絡事項や成績速報の送信、塾の様子を写真で送るなどしています。
活用している機能5つ目が、入退室管理機能です。生徒の入退室情報を保護者に送り、安心感を届けています。ほかにも出席確認や滞在時間の確認に有効です。生徒ページで入退室を管理できるようになったので、過去の滞在状況を確認しやすくなりました。
毎週ランキングを掲示し生徒のモチベーションをアップ
当塾では、毎週月曜日に週間の勉強時間ランキングを掲示しています。教室には実名のもの、Studyplus for Schoolのメッセージではイニシャルのものを共有しています。火曜日以降は途中経過ランキングを掲示して、「昨日よりもっと頑張ろう」「〇〇さんと〇分差だからもっとやろう」などの声かけをして、モチベーションアップに繋げています。
ランキングを表示し始めて、記録をつけていない生徒が「きちんと記録をつけたらランクインすると思う」と、記録するようになったこともありました。
週間だけでなく、月間ランキングも掲示しています。こういったランキングを掲示することは、生徒のモチベーションアップや保護者への見える化という効果があります。ただ掲示するだけでなく、ランキングの内容をもとに生徒とコミュニケーションをとって承認や勇気づけをすることが大切だと感じています。
こちらは月間目標のMY GOALです。先月の自分より頑張れるよう、それぞれ目標を設定しています。
今後の目標は、まずは未記録者を減らしていきたいです。そして教室全体として学習時間を増やし、生徒のより良い勉強に寄与していきたいと思います。そのためにも、記録する目的を根気強く伝えていくことが大切だと感じています。これからも生徒の記録へのフィードバックをして、コミュニケーションを大切にしていきます。
まだまだStudyplus for Schoolで使いこなせていない機能もあるので、生徒のためになるにはどんな風に使えばいいかを日々考えながら活用していくつもりです。今取り組んでいることもしっかり継続しつつ、生徒の学習時間や学習の質が向上するよう、引き続き働きかけていきたいです。