〈映像授業部門〉学年や科目を問わず複数の生徒が教室で自分の学習を進められる|デキタス【EXPO】

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、あらゆる産業でアナログからデジタルへの転換、サービスのあり方・働き方の見直しが迫られています。教育業界においても、少子化、採用難、地域格差、そして、新型コロナウイルス感染拡大と社会課題が広がる中で、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方の模索が加速しています。

Studyplus for Schoolでは、教育(Education)とデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation※略称DX)をかけあわせた「EDX」を標語に、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に挑戦する教育事業者を広く発信する取り組みを行っています。

そして、この度、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方を語る上で外せない、デジタル教材のオンライン展示会を開催することになりました。

今回は、小学生・中学生を対象とした映像授業デキタスの山中様と安藤塾の安藤先生にお話いただいた内容をご紹介します。

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予備校運営における課題解決のために開発したデキタス

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山中:城南進学研究社の山中です。当社は、1961年4月に大学受験予備校として創業し、現在は、乳幼児から社会人まで幅広く教育の機会を提供しています。

今回ご紹介するデキタスは、予備校運営のなかで生徒指導や教室運営を通して学んだことをベースに開発を開始し、2016年9月にリリースしました。

対象学年は小学校1年生から中学校3年生です。一つのアカウントで、9学年分をご利用いただけます。搭載教科は5教科で、全国の教科書にも対応しています。開発のコンセプトは、教科書の内容を確実に理解し、さらに学習習慣の定着を図ることです。

コンパクトな動画と実力に合わせたテストで知識を定着できる

デキタスの4つの機能についてご紹介します。1つ目は、授業動画です。生徒が集中して視聴できるよう、2分~5分程度になっています。要点が整理されており、何が重要か分かりやすくなっていることが特徴です。また、科目ごとに、出てくるキャラクターや世界観を変え、飽きずに楽しく続けられるよう工夫しています。

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2つ目は、専用ノートです。これは、授業動画にリンクしたノートで、動画を観ながら空欄を穴埋めすることによって定着を図ることができます。

3つ目は、演習問題です。動画ごとに○×問題が出され、単元が終わると理解度を確認するための演習問題が出されます。演習問題は、教科書の例題レベルに相当する基本問題と、章末問題レベルに相当するチャレンジ問題があります。

どちらの問題も選択式と記述式がミックスして出題されますが、学年が上がるにつれて記述式が増え、基本問題よりチャレンジ問題の方が記述式が多くなっています。問題は、30問あり、その中からランダムで10問出題されるため、繰り返し違う問題を解くこともできます。10問解き終わったら、答え合わせ画面が表示されます。間違えた問題は解説を見たり、解き直したりすることも可能です。

4つ目は、テストモードです。通常は、1単元の中で問題を作成しますが、テストモードをオンにすることで、いくつかの単元から問題を自動作成することができます。基本問題とチャレンジ問題をミックスして、難易度が異なる問題を作成することも可能です。

生徒はこれらの機能を駆使しながら、学習を進めていきます。まずは、授業動画を見て、専用ノートの穴埋めします。動画を見終わったら、○×問題で重要なポイントが頭に入っているかを確認。これを繰り返し、1単元分の動画を見終わったら、基本問題に進み、10問解いて目標点をクリアできたらチャレンジ問題に進むという具合です。

チャレンジ問題は、目標点をクリアすると鍵が外れるように設定できます。これは生徒のチャレンジ精神に火をつけるための工夫です。また、基本問題とチャレンジ問題で間違えた問題は、「キミ問」というところに蓄積されるため、これを活用することで苦手を克服できるシステムになっています。

生徒・保護者・塾が三方良しとなる枠組みを作る

デキタスの活用方法は様々ですが、代表的なケースは、生徒が塾の授業で受講していない科目を、デキタスでカバーする使い方です。例えば、個別指導で英語と数学を受講している生徒に、国語、理科、社会を受けてもらうといった形です。

これであれば、生徒にバランス良く計画的な学習を提供できますし、保護者の満足度も高めることができます。塾にとっては、単価アップにもつながり、双方にとってメリットが大きいです。

デキタスでは、活用いただきやすいようにマニュアルも用意しています。生徒が自ら学習を進めていく流れをつくることができれば、先生1人で平均して10人の生徒を無理なく管理することができます。生徒の学年や教科も合わせる必要がないため、コースとして運営しやすく、生徒数が増えても、講師の人件費が上がらないというメリットもあります。

学期の復習はもちろん、中学校3年生が中学校1年生からの総復習をするときにも役立ちます。通常は、授業動画を観て演習に進みますが、復習をするときは、まず演習問題を解く方法がおすすめです。その点数を目安に、どれぐらい理解しているか確認し、解説動画を見てもらったり、もう少し難易度を上げてチャレンジ問題に挑戦してみたりと、生徒に合わせて進めることができます。

デキタスを活用した生徒の合格実績について、当社が神奈川県箱根町から受託している公営塾のデータをもとにご紹介します。こちらの塾は、中学校3年生のみ在籍する高校受験に特化した塾です。中学校3年生の夏から塾が始まりますが、メイン教材としてデキタスを使用していただいています。初めに中学校1年生の単元の復習を行い、少しずつ学校の進度に追いついて、入試に合わせていくというカリキュラムで学習を進めたところ、彼らの合格率が、神奈川県の合格率より10%以上高くなりました。

生徒にあわせて細かな宿題を設定し送信できる

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ここからは、先生側の画面についてご紹介します。管理機能では、生徒のログイン状況や学習時間の一覧など、学習履歴を見ることができます。なかでもよく使われるのが、課題送信機能です。先生は教科や単元を選択して、動画を見せるか問題を解かせるかを選んだあと、送信することで簡単に課題を出すことができます。

学習記録では、先生と生徒のどちらからも同じように情報を閲覧することができます。学習記録は、学習カレンダー、成績記録帳、到達度分析、学習時間表の4つにわかれており、これらをチェックして複合的な観点で生徒の成績を管理することが可能です。

また、年に数回、デキタスを活用いただくためのイベントを開いています。参加するかどうかは自由で、別途費用は発生しません。目的は、教室内の個人戦や団体戦を通して、学習量を増やし、競争力を育むことです。

デキタスの費用は、まず年に1回、年間システム管理費として2万4000円いただきます。年間とは、4月から翌3月を指しており、途中で導入される場合には、月割にて計算します。そして、毎月のライセンス料として、1アカウント1830円がかかります。こちらはアカウントが増えるにつれて単価が安くなる設定です。詳しくは、お問い合わせください。

ーここからは、実際に「デキタス」を利用する「安藤塾」さんの取り組みをご紹介します。ー

教科書の内容を確実に理解できる教材

安藤:安藤塾代表の安藤です。私からは、デキタスを導入した背景や生徒の声などをご紹介します。私は、三重県の地方都市でいくつか校舎を運営しています。デキタスは、導入して2年目に入るところです。対象学年は、小学校3年生から中学校3年生です。

デキタスのようにタブレットなどを使った自立学習は不可逆的であり、これから進む一方だと思います。地方都市という立地が大きな理由で、当塾でも導入を開始しました。東京以外の地域では、ICTツールを活用した自立学習を進めていなければ、どんどん格差が広がってしまいます。

しかし、地方ではこうしたものを積極的に取り入れる文化はありません。だからこそ、自分たちがその文化を創っていかなければならないと思いました。実際、導入するときには、ほとんどの保護者が支持してくれませんでした。ですが、これからはこうしたものを取り入れる時流になっていくはずですから、それであれば、早くから導入した方がいいと思い活用しています。

デキタスを選んだ理由は、当塾のある地域柄、公立高校に進学する生徒が多く、いわゆる中間層と言われる生徒がほとんどであるため、ハイレベル過ぎず、教科書内容をしっかり理解できるようになる点が魅力的だったからです。また、楽しく学べ、動画がコンパクトで5分以内に終わる点もいいと思いました。教科ごとにキャラクターやストーリが変わることも、生徒にとって楽しめる要素です。

初めは「タブレットを使った勉強なんて大丈夫か」という保護者も多かったですが、1年経って馴染んできました。

動画がコンパクトで5分以内に終わる点もいいと思いました。指導する側からすると、タブレットだけでなく、ノートを書くという動きが入っているのも安心材料でした。

導入後、生徒にデキタスを使った感想を聞いてみたところ、「楽しい、面白い」「わかりやすい」「何度も見返せて便利」といった声が上がっています。保護者からは、「キャラクターがかわいくて、子供も楽しく続けられている」「さかのぼって学習できるから助かる」とコメントをいただいています。

学年や実力の異なる生徒が同時に勉強できる

導入している教室の講師からは、生徒一人ひとりが自分のペースで進められることが、一番の魅力だという声があがりました。学年や学校の異なる生徒が集まっても、それぞれの勉強ができるため助かっています。デキタスを導入してから、苦手な科目にもきちんと取り組む生徒が増えました。

講師の中には50代の人もいて、自身が受けていた教育ではもちろんICTツールはなかったため、抵抗があったそうです。しかし運用してみると非常に助かるし、生徒の様子を見ても間違いではなかったと感じると、今ではポジティブになっています。

当塾は、勉強が得意な子ばかりが集まっているわけではないため、復習が大切です。しかし、どこまでさかのぼるかという判断は、個別指導の場合は先生の力量次第ですし、集団指導ではなかなか判断できません。デキタスであれば、簡単に判断できるうえ、どこができていないかも一目でわかるため復習に取り組みやすくなります。

経営面でも、メリットがあります。地方では、生徒数があまりたくさんいない教室も多いのですが、そのような教室で集団授業を行う場合、学年ごとにわけなくてはならないので、教室のスペースも必要になり、不経済になります。しかし、デキタスがあれば、多学年の生徒が同じ教室で学習を進めても問題ありません。

これまで、当塾では、週2回通塾してもらっていましたが、今は週2回でも週5回でも同じ料金で来られるようにしています。保護者からすれば非常にお得感がありますし、曜日が固定されないため通いやすくなりました。

ーここからは、経済産業省が学習塾向けにICTツール導入をサポートするIT導入補助金についてご紹介しますー

学習塾のICTツール導入をサポートする補助金

私は公益財団法人全国学習塾協会で会長を務めていることもあり、経済産業省とやり取りをすることが多々あります。そこで、学習塾産業は、他の産業と比べて非常に生産性が低いということがわかりました。

これを改革するため、経済産業省のIT導入補助金を活用する流れが生まれました。IT導入補助金2021は、これまでのIT導入補助金に比べてさらに拡充されています。

資本金5000万円以下、従業員100人以下、または個人事業主の、全国の学習塾が対象です。対象物は、ソフトウェアとレンタルのハードウェアで、デキタスも対象内になります。補助額は30万~450万円で、補助率は1/2か2/3です。申請は一年中受け付けています。

2020年は、第1次から第4次まで4回ほど申請できる時期がありました。しかし、第4次で申請した20数社は、すべて不可になってしまいました。そこで経済産業省の担当に、問合せ、これを機に申請書の書き方などのノウハウを学び、全国学習塾協会で、無事に採択されるためのセミナーを行いました。一次セミナーは終了しましたが、今後、第二次セミナーを開く予定です。学習塾協会は公益法人のため、費用はかかりません。

相談窓口を設けており、申請のお手伝いやアフターフォローを行います。自己流で申請しても、なかなか採択されません。塾業界として、採択の実績を作っていかねばならないとも思っているため、公益財団法人全国学習塾協会のHPからぜひご相談ください。