見出し画像

映像授業と毎週10分の面談で生徒の学習をサポート|国大Qゼミ / 株式会社理究【Studyplus for School Award 2020】

Studyplus for School Award 2020とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。

*Studyplus for Schoolの詳細はこちら

従来は、授賞式や受賞者によるプレゼンテーションを含むイベントを開催しておりましたが、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、この度オンライン配信で受賞者によるプレゼンテーションを実施いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。

今回ご紹介するのは、高校生部門自立指導部門で受賞された、神奈川県の国大Qゼミ / 株式会社理究の秋吉先生の回です。

国大Qゼミ / 株式会社理究のHPはこちら

04_0713国大Qゼミ_紹介資料-3

横浜を中心に小中高向けの教育事業を展開

株式会社理究の秋吉です。国大Qゼミは代ゼミの映像授業(サテライン)を使っている塾ですが、まずは運営元となる株式会社理究についてご紹介します。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-02

当社は、横浜市を中心に教育事業を全般的に展開しており、幼児教育や保育、学習塾、大学受験まで幅広い年代の教育に携わっています。特に今一番注力しているのが、幼児教育です。未就学児の教育を行なっており、神奈川での小学校合格実績は20年連続1位を獲得しています。

また、「ことばの学校事務局」という少し変わった事業も展開しています。これは、音声に合わせて本を黙読し、読んだ範囲に出てきた語彙をワークの中で確認する授業です。初めは日本語のみ対応していましたが、2019年に「YOM-TOX」という英語版の教室も始めました。

グループ内に「理究キッズ」という会社があり、ここでは学童を運営しています。もともと自治体が学校の中に学童を設ける仕組みがありましたが、ここ5年ほど民間に委託する流れが出来ています。そこで横浜市内の小学校から受託したのをきっかけに、現在では83校の学童を運営している状況です。

私が所属しているのは「学習塾事業部」というところで、国大Qゼミという塾を運営しています。学習塾は横浜を中心に12校あり、代ゼミの映像授業(サテライン)を使う大学受験コースがあるのは10校舎です。校舎数的には小規模から中規模レベルですので、何とかオリジナリティを出して大手に埋もれないように努力しています。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-03

小学生向けには、小学生低学年向けのコースや中学受験をするためのコース、地元の公立中学校に通っていずれは高校受験をするためのコース、他には先ほどご紹介した「YOM-TOX」を導入してるコースがあります。

中学生向けには、高校受験コースがメインです。公立中学校に通う生徒は高校受験に向けて、一斉授業形式で指導を受けます。基本的には学校内容の先取を進め、テスト前にはその対策授業を実施します。個別学習コースは私立中学生向けですが、公立中学に通っているが個別を受けたいという生徒には、一斉授業と個別学習を併用してもらうこともあります。

「映像授業」と「スタッフによるサポート」の組み合わせ

高校生については、まず生徒の在籍数が270~280人ほどです。そのうち50~60人が個別学習コースに在籍していて、その子たちは高校2年生の秋ぐらいから大学受験コースにシフトしていきます。つまり、220~230人が大学受験コースにいるという状態です。こちらでは、代ゼミの映像授業を使う代ゼミサテライン予備校で学習をしてもらっています。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-04

当塾の強みの一つは、代ゼミ講師による素晴らしい講義です。しかし、映像授業だけでは合格できないため、私たちが手厚いサポートをしています。お問い合わせいただいた保護者に、自学習も含めた学習管理を週に1回10分間だけでも話すことが大切だと伝えると、ほとんどの方は「そのように指導してくれるんですね」と言ってくださいます。

代ゼミの受講数は生徒によって千差万別ですが、高校1~2年生には最低でも週2回は来てもらっています。受験生になると週に4講義は受けていて、1週6講義受けるのがボリューム層です。

塾の特徴としては、学生チューターが生徒と最も触れ合うようにしています。社員たちは学生チューターを前面に押し出し、彼らが活躍できるような場所をつくることに徹しています。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-05

こちらは、合格実績です。合格のボリュームゾーンはGMARCHで、早慶や一橋大などは毎年出ています。東大は年によって、出たり出なかったりです。もちろんやるからにはトップ校に合格させることは大切ですが、「東大に合格できる塾にしよう」というコンセプトではありません。その少し下の層に対して手厚く指導して、生徒たちが行きたいところに合格できるようにサポートしています。

Studyplus for School導入前に抱えていた課題

受験生には社員が2か月に1回面談をしています。チューターが前面に出るとはいえ、もちろん私たちも生徒と話しています。面談は30分~1時間ぐらいで、学習状況の確認や志望校について聞きます。そこで、現在の偏差値を踏まえて、受験までに代ゼミのどの講座をどのくらいのペースで受けるかプランニングしています。

それ以外に、自学習についても話しています。サテライン以外に使っている教材について、例えばこの問題集をどう使ったらいいか、どのくらいのペースで進めたらいいかなども決めています。

当塾の方針として、この生徒にはこれが足りないなと思っても、全てを代ゼミの講座だけでカバーさせません。問題集で済むのであれば、その方が生徒のためになると割り切っているからです。

「「この講座が終わったら、この講座を受けて」と連続させるのではなく、「この講座が終わったら、この問題集を使いながらもう一度リピート受講して」など指示します。そのため、講座単価自体は他と変わらないはずですが、他塾もよく調べられている保護者からは「お安くていいですね」と言っていただくことがあります。これは安く見せるためではなく、それで十分だと思っているからです。
20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-06

面談後は現場のチューターに任せて、副担任という形で1か月に1回、1対1で15分程度面談をしていました。そこで社員との計画通りに勉強が進んでいるか、何か問題がないかなどを聞き取ります。話した内容を副担任面談シートに書き込み、生徒にコピーを渡して、私たち社員も確認するという流れでした。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-07

これは、今も使っている合格デザインノートというものです。面談では、これをもとに話し、志望校や模試結果の推移などを確認します。高校3年生は受験までのスケジュールを、高校1~2年生は定期テストの勉強についても書き込みます。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-08

こちらは 、高校1~2年生のノートの中身です。定期テスト3週間前から勉強を始めますが、左側にどの科目を、どの参考書を使ってやっているかが書かれています。右側は面談記録シートで、どれくらいのペースで講座を受けていくか書かれています。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-09

しばらくこの流れで運営していましたが、だんだんと課題点が見つかり、退会する生徒もでてきました。なぜ退会するか分析して分かったことは、「もっと面倒を見てほしかったと」、「もっと強くアプローチをしてほしかった」という生徒の気持ちです。

昔はチューターに対して「何でいちいち言ってくるんだ」と思う生徒もいましたが、今は時代が違います。「もっと手厚く親身に寄り添ってほしい」というニーズが多いのです。

それまでは、生徒全員に対して定量的に一定の頻度で目が行き届いていたかと言うと、行き届いていなかった生徒もいました。そのため、もっと確実なコミュニケーションを取って、できるだけ短期スパンで生徒の状況を把握しなくてはならないと気づきました。

チューターも社員も生徒の状況を把握し、生徒自身もしっかり理解している状況が理想でした。とはいえ、他の業務もあるため、社員面談を増やすことは難しく、チューターの面談も限界があります。どうしようかと困っていたところで、Studyplus for Schoolを知り、「とりあえずこれならいけるんじゃないか?」と手探り状態のまま始めました。

Studyplus for Schoolの活用例とメリット

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-10

Studyplus for Schoolを導入するからには、「24時間学習管理をしよう」と決めました。生徒がいつ学習しても記録をつけられますし、私たちも学習記録を見て必要があればいつでもアプローチができます。

導入に合わせて、 それまで月に一回だったチューターとの面談をウィークリー面談に変更し、毎週行うようにしました。大きく学習計画を変更した時は、時間がかかりますが、基本的には10~15分程度で終わらせています。そこでサテラインの受講のペースをチェックしたり、自学習の進捗状況に問題ないか確認したりします。面談内容はチューターから社員に報告する流れです。

Studyplus for School導入後、面談では「この単語帳は1日30個覚えていこう」「この問題集は1日20ページ進めよう」など、細かく確認できるようになりました。ここまできちんと測れるのは、Studyplus for Schoolのおかげです。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-11

Studyplus for Schoolではプランニング機能とアナリティクス機能を主に利用しています。まずはプランニング機能で1週間の計画を立てて、PDCAサイクルを回します。1週間経ったら生徒を呼んで、アナリティクス画面を見ながら計画通りに出来たかチェックし、出来てない時はなぜ出来なかったか、怒るのではなくしっかりヒアリングします。

私たちの読み違いや生徒の勘違いで、計画そのものに無理があったというケースもなくはないので、その辺もチューターにしっかり見てもらいます。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-14

ウィークリー面談の構成は、まず1分でヒアリングします。そこで、前週の課題を発見して、上手くいってないところがあれば何分かかけて何が原因が聞いていきます。

計画は社員面談に基づいているので、3分もあれば週ごとにブレイクダウンができます。最後に3分でプランニング機能で学習計画を登録し、合計10分という流れです。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-12

メッセージ機能もすごく便利です。以前は、社員とチューター全員が見ることができるアカウントで、生徒とメールのやり取りをしていましたが、管理が大変で、生徒からの返信もなかなかありませんでした。しかし、メッセージ機能はLINEのように使えるので、とても役立ちます。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-15

Studyplus for Schoolの導入前後を比べると、まず生徒の学習状況をいつでも把握できるようになりました。生徒自身も、勉強が終わって「よくやったな」と思った時に、本当に目標の分量までできたのか、どれぐらい頑張れたのかを客観的・定量的に捉えられています。

また、生徒同士がお互いの記録をチェックしています。例えば、ある生徒は学校が始まって部活も再開して忙しい中、しっかり勉強できていたのです。そこで「よく頑張ってるね」と声をかけたら、「同じ学校の○○さんもすごくやっていたから、負けてられない!」と言っていました。

チューター視点で言えば、基軸となるツールができたことで効率よく業務を進められるようになりました。私たちもチューターも生徒も同じ一つのツールを見ることで、互いの状況が見えて非常にやりやすくなったと思います。漏れなく生徒にアクセスして現状把握できるので、必要なタイミングで適切に声かけができるようになったのは大きな変化です。

Studyplus for Schoolを利用した感想

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-17

先日、当塾の元生徒で今チューターを務めている大学生に話を聞きました。彼は高校2年生の秋頃に入塾しましたが、当時、学校でStudyplusが話題になっていたようです。そこで、塾に入ったことがきっかで使い始めたところ、スイッチが入って全ての学習を必ず細かく記録をしていたそうです。よく友人とお互いの記録を確認をして、声も掛け合って頑張って勉強できたと話していました。

また、Studyplusには「今週の目標」という機能があり、自分で学習時間の目標を設定し、それを達成することがモチベーションとなり良かったそうです。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-18

使い続けてみたメリットとして、毎日記録をすることで定量的・客観的に勉強量がわかり、自分自身でモチベーションを上げることができたそうです。彼はもともと、しっかり勉強するタイプでしたが、それでも1日やらない日もあったようですが、可視化されることで、後ろめたくなり、次の日は頑張ることができたと言っていました。

また、教材をバーコードからすぐに登録できるのが楽しくて、自分がやった教材をどんどん登録していました。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-19

チューターになってからの感想としては、「学習状況が分かるため、それをもとに計画が立てやすい」、「計画を立ててもやってない場合はそれを察知できるので、次にどう計画を立てるべきか生徒とコミュニケーションがしやすい」と言ってくれました。導入当初の目的が達成されていると、このコメントから思います。

課題としては、記録を忘れる生徒や、いまいちやりたがらない生徒がいて、習慣づけるのが難しいとのことでした。アプリを開いて15秒で登録できますが、それがひと手間になるのは悩みです。

20200713国大Qゼミ秋吉先生Award登壇資料-20

記録忘れについては日々しつこく声かけをして、ウィークリー面談ごとに必ずつけるように言っています。おかげさまで記入率は86.5%と数値はよくなってきていますが、まだまだ足りません。チューターも甘さがあり、なあなあになることもあります。

改善ずべき点は、生徒がプッシュ通知しておらず、何度メッセージを送っても気づかれず、返事がないことです。

また、これはある種、永遠のテーマですが、勉強中はスマホを触りたくないという生徒は少なからずいます。たしかに机に出していなければLINE通知に気付かないのに、もし目の前で通知がきたらつい開いてしまうものです。ここは、工夫しなくてはいけません。

今後、Studyplus for Schoolに期待することとしては、メッセージの宛先選択機能がほしいです。今でも個人やグループには送ることはできますが、生徒を数人選んで送るという機能があるといいと思います。また、生徒側からメッセージをスタートできたらいいとも思っています。

コストの面では、利用停止枠があると便利だと思います。例えば7月中に退会や卒業が決まった場合、翌月からの利用停止予約できれば、余計なコストがかかりませんまた、m生徒に使い方を質問されることもあるので、マニュアルが充実しているといいと思います。 

ウィークリーの計画だけではなく、中長期的な目標も入力できるとありがたいです。加えて、サテラインの講座の進捗状況がウィークリー面談でつけた記録とリンクできるとより助かります。

受験については、試験日や合格発表の日が表示できるといいと思います。また、学校の成績や模試の結果を入力するページがあると理想的です。

私自身まだまだ足りていないと思う部分もありますが、Studyplus for Schoolで色々なことが実現できました。これからも、Studyplus for Schoolの力を借り、ウィークリー面談を中心に生徒に寄り添う体制の体現化をもっと勧めていきたいと思っています。

***
Studyplus for Schoolについて資料請求はこちら、製品についてのお問い合わせはこちらをご覧ください。 

この記事が参加している募集