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Studyplus for Schoolを活用し勉強の「習慣化」を定着させる |ブロードバンド予備校那覇本校【Studyplus for School Award 2021】

Studyplus for School Award 2021とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。

昨年に続き今年も、受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントをオンラインで開催いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、自立指導部門で受賞された、ブロードバンド予備校那覇本校(沖縄県)の町田先生の回です。

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授業ではなく「勉強する環境」を提供する学習塾

当塾は2012年にスタートしました。教室は2教室あり、スタッフは私と妻と非常勤スタッフが7名(内5名は学生)です。

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こちらは教室の様子です。私語をせず勉強に集中する部屋と、自由に話していい部屋にわけています。

生徒は、既卒生が10人、高校3年生が50人、高校2年生が30人、高校1年生が10人、あわせて100人程度です。男女比は3:7くらいで、メインのターゲットは那覇国際高校という県で2番目の高校です。毎年、県外の国公立に50~60人、琉球大学に100人ほど進学します。

サブターゲットは那覇高校・首里高校・浦添高校で、それぞれ琉球大学に60人、90人、35人程度進学しています。他の高校へのアプローチはしていません。在籍比率は、約6割が那覇国際高校です。

しかし、開塾当初は集客がうまくいかず、近隣の高校でビラを配ったり、ポスティングをしたり、新聞広告を出したりしましたが、生徒が集まりませんでした。

この行き詰まりを解消するために、とあるコーチング講座を受けたところ、視点が変わり、あるキャッチコピーが浮かびました。それは、「みんなで勉強しよう」というものです。そこから、授業ではなく、勉強する環境を提供することに力を入れました。

すると、すぐに1人の生徒が見学に来てくれました。その生徒は、高校3年生で、「予備校に高いお金を出してまで、授業を観たくない。ただ勉強する場所がほしい」と話していたので、新しいコンセプトがマッチしたのだと思います。その後、彼が同じ気持ちを持った20人ほど他の生徒を連れてきてくれました。

当時は、単なる自習室として低価格で提供していましたが、試行錯誤を繰り返し、学習管理型予備校にモデルチェンジしました。

模試を通して実力を分析したり具体的な対応策を生徒に考えさせる

当塾では、スクール設計において、可視化、数値化、習慣化、グループ化、強制化を重視しています。これらをクリアするために取り組んでいる7つのポイントをご紹介します。

1つ目は、勉強時間です。Studyplus for Schoolを使い生徒の勉強時間の一覧表を作成しています。

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こちらは、休校期間に塾独自で開催した勉強時間を競うスタプラコンテストのランキング表です。通常時も、毎日生徒の勉強時間をエクセルに入力しています。これを生徒のグループLINEに送り、自分と他人の勉強時間を把握してもらっています。

私は、定期的にコメントを読みながら「いいね」を押し、勉強時間をエクセルにまとめています。部活をしている生徒には毎週15時間、していない生徒には毎週25時間は勉強するよう伝えており、できていない生徒にはメッセージを送るようにしています。また、記録をつけていない生徒にも記録をつけるよう伝えています。今ではほぼ全員がきちんとつけてくれますが、初めのうちは習慣化が難しく、こまめな声掛けが必要でした。

2つ目は、勉強内容です。教材のミスマッチを防ぐために年間教材表を作成し、生徒には、勝手に自分で判断して参考書などを買わないように伝えています。

新しいものを買っても使わないことが多いため、あらかじめ相談した上で決めた教材を繰り返し演習し、教材変更する場合は報告をするルールにしています。Studyplus for Schoolをチェックすると生徒がどの教材を使っているかがすぐにわかるので、もし違うものを使っていたら声を掛けるようにしています。

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3つ目は、目標管理です。これは年間成績推移一覧表で、生徒と共有しています。黄色い数値は模試の結果で、他の月は月例テストの結果になっています。生徒には、自分で点数を入力してもらい、全体を俯瞰できるようにしています。

下の段は模試の点数がまとめてあり、目標に対してどれだけ達成できたかがわかるようになっています。目標を書いているのは、生徒に責任を持ってもらいたいからです。また、目標と乖離したときに点数を分析することで、自分のやるべきこともわかります。

分析をする中で、私からは「6月の模試で670点取るためには、教科別にどこで何点上げるか」というような質問を投げかけています。実際に取った点数を受けて、目標を上方修正するのか下方修正するのかを決めてもらいます。

目標の修正は細かくフォローしています。例えば、先日、昨年6月のマーク模試を全員に解かせたのですが、そこで取れた点数と事前に設定した目標にどのくらい差があるか確認し、どうやって変えていくか15分ほど話し合いました。結果を出せる生徒は、試験を受ける前にある程度自分の点数を予想できる特徴があるため、当塾の生徒にもそういう習慣を身につけてほしいと思います。

生徒の学年によって、話す内容は異なります。高校1~2年生は、7月、11月、1月に記述模試があるため、そこにあわせて目標を設定します。また、高校2年生は、センター共通テスト早期模試がメインです。この模試から本番までにこれまで最も伸びた生徒は200点アップしました。

高校1年生からしっかり勉強している生徒は少ないですが、しっかり話をして「今からきちんと勉強すれば、これだけ伸びる」とモチベーションを上げています。

4つ目は、数値分析です。画像の右側がマーク模試の自己採点シートで、月例テストの前に主要3教科の予測点をつけてもらいます。各単元ごとに、評論、小説、古文、漢文でそれぞれ何点か細かく設定します。

点数だけでなく、各単元に使う所要時間や解く順番、テスト前の留意点についても記入します。テスト後に行うのは、失点分析です。実際の得点と所要時間、なぜ失点したかを確認します。そこから得た気づきと、次回の目標設定をしてもらって完成です。

模試は何も考えずに受けると、良かったか悪かったかという感想しか残りません。しかし、前向きな姿勢で受ければ、得られるものはたくさんあります。そのため、こうしたシートを作成しています。

一つひとつのハードルを低くすることで勉強を継続していけるようになる

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5つ目は、音読の習慣化です。どんなよい授業や教材も、継続できなければ意味がありません。誰しも続けることは苦手なので、「習慣セミナー」というものを開いていてどうすれば継続できるかを生徒と考えています。

今行っているのは、「音読完全習慣化マラソン」です。音読をした生徒は赤いシールを貼り、できていない生徒は青いシールを貼ります。この結果は、Studyplus for Schoolのタイムラインにアップしています。

一度にたくさん音読するのではなく、速読英単語を5分音読すればクリアです。ハードルを低くすることで継続させており、これを続けているとある段階でぐっと伸びるようになります。

「音読完全習慣化マラソン」は、14日間を2クール回し、3クール目は30日間にしています。Studyplus for Schoolの独自教材で「音読完全習慣化マラソン」という項目を作り、記録してもらっています。

今は、3日間できなければ一度離脱するというルールにしています。毎日30分と決めると続かないので、どんな勉強をするにしても絶対に5分にすることがポイントです。全て達成した生徒には、図書券をプレゼントすることもあります。

「音読完全習慣化マラソン」だけでなく、勉強計画を考える時間や塾長面談、スタッフ面談なども入力します。独自教材はうまく使えると非常に有効です。

6つ目は、口頭単語チェックで、私やスタッフが言った英語の和訳を生徒が答えるというものです。ストップウォッチで時間を測り、答えられない単語が20個より少なければ合格です。

生徒は、時間を測ると集中力を発揮し、単語をしっかり勉強している生徒とそうでない生徒は一目瞭然になります。しっかり勉強している生徒は『Datebase』のレベル1に出てくる単語をチェックするのに、7分~8分しかかりません。そうでない生徒は、16~17分ほどかかります。

また、これには、日頃あまり喋らない生徒とのコミュニケーションが生まれるという副次的なメリットがあります。

7つ目が、強制登校です。生徒には、月曜日から金曜日まで登校してもらい、欠席する生徒は連絡を塾に入れることになっています。これは私が発案したのではなく、生徒から提案されたものになります。事前に、生徒全員にアンケートしたところ、85%が賛成だったため取り入れました。

当塾は、学習管理型予備校のため授業がなく、塾に行くかどうかは自由にしています。そのため、生徒は学校から出る時、塾に行くか家に帰るか迷いが生まれてしまいます。一度帰宅すると、そのまま勉強しないことがほとんどです。塾に来れば勉強しようという気持ちが沸くため、全体的に勉強時間が増えました。この制度は、保護者からの評判も高いです。

塾長としてStudyplusを使うことが集客の大きなきっかけになる

Studyplus for Schoolを導入したきっかけは、生徒が個人用のStudyplusを使っていて、私に教えてくれたことでした。

記録づけだけでなく出欠管理機能も活用しています。センサーを私の席の目の前に置いておくことで、塾に来た生徒の表情などわかりますし、保護者とのコミュニケーションのきっかけにもなりました。

また、Studyplusが集客にも役立っています。体験入会の申し込みをしてくれる生徒は、私のアカウントをフォローしてくれていることが多いため、申し込みがあると、その学生のアカウントを細かくチェックし、初めて会うときには、その学生がどんな教材を使っていて、どんな人間関係を持っているのかなどわかっている状態にしています。学生も入会を前提に体験に来てくれるため、ほぼ100%入塾してくれます。

特に、那覇国際高校は、Studyplusの利用率が全国で5位ということもあり、学生のほとんどがすでにStudyplusのアカウントを持っています。

集客を成功させるには、StudyplusをInstagramやFacebookのように使うことがポイントでした。タイムラインに、月例テストの案内、面談の模様、音読完全習慣化マラソン、集中勉強会など、塾での活動をのせます。また、成績が伸びない生徒のパターンや感動ストーリーなどの事例を書くこともあります。

こうした工夫をしながら、ほぼ毎日アップしていると、自然にフォロワーが増えます。その多くは生徒の友人やクラスメイトなので、膨大な見込み客が集まり、彼らに向かって直接アプローチができるようになります。

Studyplus for Schoolを使いオンライン学習管理など新しいチャレンジに取り組む

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Studyplus for Schoolを長年使っていると、画像のような法則が見えてきます。右側はバランスのとれた勉強記録で、棒グラフがレインボーになっているのは成績が伸びる傾向です。

私自身がStudyplusを使っていて気づいたことは、前向きな行動しか記録しないということです。個人的な基準として、1日のうち8時間分は記録をつけようと考えています。それだけ続けていると、物事がいい方向に向かうと感じています。

また、現在Studyplus for Schoolを使ったオンラインの学習管理に取り組んでいます。こちらは、那覇高校の生徒から問い合わせがあり、モニターをスタートしたところで、主に、学習の習慣化、音読の習慣化、学習計画などを行っています。

モニターの生徒を今年度中に10人まで増やし、来年度は30人を目指します。実際に取り組んでみて、継続していけると感じています。

最後に、今は基本的に小中学生は受け入れていませんが、昨年どうしても那覇国際高校に行きたいという中学校3年生が、那覇国際高校の制服を来ている先輩たちの中で勉強したいということで塾に来たことがあります。高校生も中学生に、積極的に声掛けをしてくれて、これは面白いと思ったため、今新しい展開を考えているところです。今後もStudyplus for Schoolを活かしながら、新たな挑戦をしていきたいと思います。



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