機能やイベントをフル活用! 切っても切り離せない関係、それがStudyplus|PASSCAL【Studyplus for School Award 2022】
独自の工夫をこらしながらStudyplusサービスを上手に活用し、新しい教育の在り方に取り組まれている塾・学校を表彰する「Studyplus for School Award 2022」。昨年に続き今年も受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントを5月10日から約1ヶ月にわたり開催いたしました。
今回は、自立指導部門でご受賞された「PASSCAL」桐原琢先生のご登壇回を振り返ります。
登壇校紹介
■登壇者
桐原琢先生
23歳現役大学生。株式会社ペイ・フォワードの副代表。20名ほどのメンバー全員が大学進学を機に上京したメンバーで構成されている。地方であるがゆえに大手予備校がない等、環境による教育格差を原体験にもち、自身も大学受験で2浪の経験がある。
■PASSCALとは
2019年開校のオンライン指導塾。志望校合格戦略×オーダーメイド型の少人数形式が特徴で、生徒募集は年1〜2回のみ。大学受験生向けに勉強法や講義を発信しているYouTube『PASSLABO』は、チャンネル登録者数30万人以上の人気を誇る。
4つの運営課題。Studyplusに置き換え、すべて解決
私たちは、Studyplus for School導入の前に4つの課題を抱えていました。
まず一つ目が紙ベースでの勉強時間記録。二つ目がチャットでの勉強計画。三つ目が週1面談での質問内容やヒアリング情報の把握。四つ目が授業動画の配信です。そこで、Studyplus for Schoolをこれらの課題を解決する形で活用していきました。
・課題①:紙ベースでの勉強時間記録
一つ目の「紙ベースでの勉強時間記録」ですが、元々はこのように専用の勉強見える化シートを作成して記録をしてもらっていました。まず生徒に郵送をして、一日の勉強が終わったら記録をしてもらいます。そして、一週間が終わったらこのシートの写真を撮って送ってもらい、それを見てアドバイスをするという形式です。しかし、これだと生徒さんとしても書くのが大変ですし、こちらとしても管理が大変でした。しかも、紙ベースのものを毎回データ化しないといけなかったので、この点はすごく悩んでいました。
そこで、Studyplus for Schoolのアナリティクスやタイムラインを使用したところ、この子はこのくらい勉強してるんだということが、生徒一覧で見られるようになりました。
・課題②:チャットでの勉強計画
二つ目「チャットでの勉強計画」についてです。以前は、「来週はこれをやろう」といった計画内容を生徒一人ひとりグーグルドキュメントで記録をし、チャットを使って行っていました。
これだと、一人ひとりのドキュメントが乱立している状況で、誰がどこまで進んだのかという管理が難しかったです。ここでは、Studyplus for Schoolカレンダー機能を利用していきました。
例えば、この子は宅浪(予備校に通わず自宅で浪人をすること)している子でしたが、なかなか自分で思うように勉強計画を立てられない状況でした。塾や予備校と同じように、ガチガチに計画を固めてほしいという要望があったので、お昼ご飯の時間を決めたり、バイトの時間まで入れて、その後に勉強時間を入れるなど予定を組んでいきました。ちなみに、この子は無事東大に受かることができました。
この子のように、ガチガチに決めてほしいという場合もあるんですが、逆に自分でスケジュールを書いてみたいという子もいるんです。そんなとき、Studyplus for Schoolなら白紙の状態でスケジュールを渡せるんですよね。カレンダーを白紙の状態でPDFにして生徒に渡し、じゃあ実際に自分で書いてみてと言っています。書いてもらったものをもとに実行してもらい、うまくいかなかったことがあれば次の面談のときにその悩みを聞いて、「それってこうすれば良かったんじゃない?」とアドバイスにつなげています。
・課題③:週1面談での質問内容、ヒアリング情報の把握
三つ目が「週1面談での質問内容、ヒアリング情報の把握」です。模試の成績や、いつ模試があるといった情報、どういうスケジュールで動いているのかといった生徒の生活面のスケジュールの管理も、生徒ごとにドキュメントが分かれていて、運営側が把握しにくいという課題がありました。
ここでは、カルテの機能を使い、生徒ごとに分かれたカルテを一覧でみられるようになっています。今週はこういう面談をしたんだな、というのを運営側みんなで管理ができますし、例えば面談でちゃんと聞いてほしいことがあれば、それをテンプレートの中に入れておくことで、「これを聞かなきゃいけないんだ」としっかり把握することができています。
・課題④:授業動画の配信
四つ目が、「授業動画の配信」です。PASSCALでは連絡ツールとして、ChatWorkを使用しているんですが、生徒から「予習が終わったので、授業動画ほしいです」といった連絡を、毎回ChatWorkでもらっていました。それに答える形で授業動画を送っていたのですが、やはり1時間程度反応のラグが出ているのが、送信時間からもわかると思います。このラグをなくしたいというのと、毎回対応していくのが運営側として難しいという課題を抱えていました。
今ではStudyplus for Schoolのメッセージ送信機能を使って、一斉に授業動画を配信しております。タグも使っていて、例えば火曜日の17時から観たいという子にはそれ専用のタグを作って、配信したりしています。
記録率安定に試行錯誤。Studyplusは切り離せない関係に
生徒の記録率を安定させるため、PASSCALで行っている例をご紹介します。
PASSCALでは、「勉強時間ランキング」を必ず出しています。生徒の学習時間が一覧でみられるので、毎週1位〜10位までをスクリーンショットして発表しています。
以前は名前は公表せず志望校だけにしていたんですが、生徒から名前も公表してくれたほうがやる気があがるという声が出てきたので、今年度からは名前も公表しています。やはり自分と同じ志望校の子が載っていたら、「負けてられない!」という競争意識が出てくるかなと思いますね。
また、S-1グランプリには夏・冬・春のすべてに参加しています。PASSCALの生徒は、かなり上位の成績を取っていまして、生徒は景品も喜んでいました。トロフィーをもらったときには、早く送ってくれとすごい催促がきたほどで(笑)。そのくらい生徒はトロフィーなどに興味があるんだなと実感した次第です。
また、スタプラを使う時のルールとして、勉強したら必ず毎回記録するというのを基本としています。学校の授業時間は入れずに、それ以外の勉強時間すべて記録してくださいという感じです。Studyplusの記録の仕方には、手動・ストップウォッチ・タイマーの3つがあると思うんですが、生徒さんの中にはこのうち一つしか知らなかったという場合もあるので、こういう記録の仕方もあるんだよ、と説明したり、説明動画を作ったりしています。
先ほど勉強時間ランキングの発表があるとお話しましたが、1ヶ月に1回ほど不定期で、ランキングの1位の子や同じ志望校の子でランクインしている子が、具体的にどういった内容の勉強をやっているのか共有する機会を設けています。本人に了承を得た上で、Studyplus for Schoolの管理画面を見せて、この教材をやっていて、このレベルの成績だよというのをお互いに共有しているんです。
PASSCALはオンラインの塾ですので、勉強時間の管理だったり競争環境というのを重要視しています。そのため、正直Studyplus for Schoolとは切っても切り離せない関係になっているかなと思っています。
「管理」だけで終わらせない。自ら考えられる人材へ
PASSCALは「徹底管理」を推している塾です。ただ、この「管理」というのもいかがなものかな、と最近運営している中で考えています。
大学受験は人生の一部ですが、かなり大きなターニングポイントだと思います。人生を左右しかねないところもあると思っていて、そういったターニングポイントで、果たして合格することだけが一番大切なわけではないと僕自身も思っています。
「徹底管理」をして、しっかり合格に導くというのはもちろん大事なんですが、やはり管理をしすぎて受け身の生徒さんが出来上がってしまうのも、僕らとしては一番いけないことかなと思っています。
大学に入ったり、あるいは社会人になったときには管理してくれる人もいません。この先の人生、自分で考えて先へ進んで行かないといけないので、しっかり考えられる人に育てることにフォーカスをして、この塾の形態も日々アップデートしているところです。
大学受験が最後の勉強の機会ではなく、社会に出てからも勉強していかないといけない。そうなると、受験の5科目の勉強の仕方だけを教えても、僕らとしてはその子のためになりません。しっかりと、その先に生きるような勉強法を、今後も伝えていきたいなと思っています。