目先の受験だけにとらわれず生徒の人間的成長を目指す(後編)|テラコヤイッキュー【オンライン勉強会】
Studyplus for School事業部では定期的に、様々な塾の先生方を講師にお迎えし、塾運営のノウハウやStudyplus for Schoolの運用のコツなどについてオンラインの勉強会を行っています。今回は前回に引き続き、テラコヤイッキューの渡邉先生さんにお話を伺います。
生徒のPDCAをサポートするためにStudyplus for Schoolを導入
生徒が将来PDCAをまわせるようになるために、自分で必要なことを選んで実行して、それを振り返り修正するサイクルを回す力をつけさせたいと考えていました。ただ私が塾でいつも授業をしていても、家で何を勉強しているかわからないし、振り返りを一緒にやる機会がなかなかとれないと思っていたんです。でも、何をやっているかわからないから指導もしづらいという状況で。
これを解決するために、自分と生徒が同時に進捗状況をチェックできるアプリがないか探してました。そうしたら、『私塾界』の集まりで、他の先生に「Studyplus for Schoolがいいよ」と教えてもらって、導入を決めたという経緯です。
実は当時、他にも検討していたツールがありました。Studyplus for Schoolと同じように勉強記録をつけてPDCAをまわすシステムだとセールスされていたので、良いなと思い導入する予定でした。
ただスタプラ担当者の方と直接お会いしてみると、オフラインのコミュニケーションだからわかることも色々ありまして。最終的には、Studyplus for Schoolを使うことに決めました。
記録をつけることが定着するよう工夫する
タイムラインは「何時にチェックする」とか「この時間にコメントを返す」などは決めておらず、24時間いつでもやっています。気がついたら対応する形で、日常の中に溶け込んでいるようなイメージです。難しく考えず、Twitterを見ているのと同じ感覚でやっています。
タイムラインには、生徒が勉強したノートがアップされています。それを随時チェックして、「ここは丸付けをしているけど、違うよね」などというコメントをつけています。勉強はしっぱなしにせず必ず振り返りをやって、その時の感情も書くように言っています。
頑張ったことだけではなくネガティブなことも書くように言っているので、「夜遅くにやったから頭が回らなかった」とか「だるい」「眠い」などと書いている子もいます。
こういう習慣がつくまでにかかる時間は、だいたい2か月くらいです。途中で記録があいまいになることもありますし、生徒にも波があるので出来ないときもあります。だから私の方で文章を作ったり、なぜ記録をつけるのか、なぜ振り返りをやるのかというのを一緒に考えて書き出させたり、何とか定着するように工夫しています。
先生自ら記録をつけることで記録の仕方を共有する
カルテには、「本人が勉強した内容」「私が見ていて思ったこと」「宿題の内容」「連絡事項」など細かく書き込んでいます。これは、生徒の数が少ないのでできているんです。カルテの内容はそのまま保護者に送っており、生徒にも授業の振り返りということでちょっと形を変えて送っています。
アナリティクスは指導に使うというより、一覧画面をスクショして生徒に送るなどしています。生徒同士の仲が良いこともあるので、名前も出して見られるようにしているんです。
また、私は自分でも記録をつけていて、生徒ともフォロー・フォロワー関係になっています。そうすると生徒が私の記録内容を見ることが出来るんです。それを見ることで、「振り返りはこういう風に記録するのか」とわかります。
スタプラさんが開催している学習時間コンテスト「S1グランプリ」があったときは、仲のいい生徒が「2人で100時間勉強」するという目標でやっていました。それで毎週、週ごとの画面をスクショして「あと〇時間」とモチベーションを上げていたようです。
Studyplus for Schoolを通して生徒との接触頻度が高くなることで、「当たり前」のレベルが向上したと思います。毎日生徒がアップしたものをチェックしてコメントをするというルーティンになっていますが、ノートが上がっていないこともあります。
そういうときはノートもあげようねというのを都度言っているんです。そうすると丸付けや直しを絶対にやるようになって、ノートの写真をアップするのも当たり前になっていくなど、当たり前にやることのレベルが上がったのはよかったです。
塾と家庭が連携して生徒をサポートする
大手個別指導塾で教室長をやっていた時に比べて、保護者対応がすごく楽になったと思います。Studyplus for Schoolの保護者メッセージではLINE機能を使ってカルテをそのまま送れますし、LINE@を使って資料を画像にして送ることもできます。即応性もあり、電話だとハードルが高いことでも、LINEだとすぐ返事をして当たり前という意識が保護者の方の中にあるんです。
夏休みの振り返りについても、カルテに記入してそのまま送っています。総括をして、こういう風に頑張れたので私はすごくうれしかったですとか、それについてブログを書いたのでよかったら読んでくださいと告知をしたりとかします。アナリティクスのグラフも毎回必ず送っています。
今のところは生徒も少ないので、保護者からの依頼で困ったり、忙しくて対応に時間がかかったりはしません。私自身、保護者対応も楽しみながらやっているのであまり苦にならないです。
入会の時に、「うち塾は、生徒の理想を助けるための塾ですよ」という話をします。意外と、「塾に通わせて、いっぱい授業を受けさせることに意味があるのかな」と思っている保護者の方はいるもので。そういう形で塾に通わせるのではなくもっと違う形でフォローしたいと言うと、みなさんささるところがあるのか、すごくいいですねと言ってくださいます。
反対に、入塾の時に塾任せにしようと思っている方はお断りすると思います。「お金は払うからあとはお願いします」という感じだと、上手くいかないですね。というのも、子供は家庭で過ごす時間が多いので、親御さんからの声掛けは絶対に必要なんです。だからそういう連携が取れる方と一緒にサポートしたいと思います。
私は、塾、保護者、生徒、この三者の風通しがいいようにしたいんです。だから思ったことは保護者に言いますし、こうしてほしいと思ったことは全部言ってくださいとお願いしています。
生徒の人間的成長をサポートしたい
今は、生徒が正しいやり方で勉強を継続できているか随時チェックして、フィードバックするためにStudyplus for Schoolを活用しています。その形はすごく気に入っていてこれからもやっていきたいのですが、志望校合格率や点数がこれだけ上がったという点に注目している訳ではありません。それよりも、生徒の人間的成長を大事にしたいと思っています。
だから今後は、生徒がもっと積極的に自らPDCAをまわせるような記録を取ってほしいです。私が言わなくても自分からできるとか、使い方を自分から工夫してやってくれると嬉しいなと思っています。
私は生徒が自分の人生に責任を持てるようになってほしいですし、色々なことを自分で選んでほしい。それに、何か目的があると思って勉強をしてほしいと思います。そうやって続けていれば、成績はついてくるのではないでしょうか。この考えは甘いかもしれませんが、それを目指したいと思っています。
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後編ではテラコヤイッキューさんのStudyplus for School導入や使い方、また先生が目指すものをご紹介しました。
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