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カルテ機能で生徒情報を共有し一人ひとりにあった指導を実現する |新個別指導塾PASSFIND【Studyplus for School Award 2021】

Studyplus for School Award 2021とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。

昨年に続き今年も、受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントをオンラインで開催いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、個別指導部門で受賞された、新個別指導塾PASSFIND(茨木県)の藤代先生の回です。

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「勉強方法」の授業で他塾との差別化を図る

当塾がある茨城県ひたち野うしく駅周辺は、新しい中学校ができるほど子どもの数が多く、この1~2年で大手個別指導塾を含め4~5校開校しました。

その中で、当塾も、今年2月に教室を拡大しました。これは、中学校から通ってくれている生徒が進学後も続けたいと言ってくれたことを受け、高等部を本格的に新設したことが理由です。

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中等部と高等部では、写真にあるようにそれぞれ少し雰囲気を変え、高校生の方は大人っぽくしています。

当塾のスタイルは、映像授業を取り入れた個別指導です。自立型にも近く、点数を上げるためなら何でもやります。通学頻度は、中学3年生が月曜~木曜と土曜の週5日、高校生は週3回ほどです。

また、テキストを使った「勉強方法についての授業」があることも特徴です。実際に、どのようなことを教えているか、単語の覚え方を例にして少しご紹介します。

単語の覚え方では、大きく4つの勉強方法を伝えています。1つ目が、五感を使って覚える方法です。絵と一緒に覚えたり、発音を聞いたり、自分で発音したりしながら覚えます。

2つ目が、文章で覚える方法です。例えば、learnという単語を覚えるとき、I’m learning Englishという文章を丸ごと暗記します。

3つ目が、同じ意味の単語をまとめて覚える方法です。これは、休暇という日本語に対して、holdayやvacationという単語を一緒に暗記するやり方です。

4つ目が、自分なりの理屈を考え覚える方法です。これは、embarrassという単語をエンバラス、縁バラすと変換して、「秘密の縁を他の人にばらして、恥ずかしい思いをさせる」というように覚えます。

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それぞれの方法を試してみた結果、4つ目の方法が最も長く記憶に定着することがわかりました。邪道なやり方ではありますが、記憶に残りやすいことは確実です。単語を10個覚えたいのにどうしても覚えられないという場面などでは、この方法を試してみるとよいでしょう。

また、学習する順番も大切です。学校の授業では、まず基礎問題を解き、標準問題に進み、応用問題に取り組んだ後、次の単元に進みます。

ですが、当塾では、最初の単元の基礎問題、次の単元の基礎問題、その次の単元の基礎問題という順に進めています。これにより、知識の幅を一気に広げています。ベースとなる知識を素早く身につけ、それをもとに標準問題、応用問題にチャレンジする方が、理解がしやすいためです。

家庭学習を可視化し課題の量を適切に調整

Studyplus for Schoolを導入した理由は、家庭学習がブラックボックス状態だったためです。導入前は、映像授業を使っていたこともあり生徒の理解度がわかりにくく、本来は偏差値が8は上がるような課題を出しても、2しか上がらないということが起きていました。

これは、土日でそれぞれ8時間ずつ勉強するような課題を出していたはずが、実際には2時間しかしていなかったこと、正答率が8割程度だと思っていたら、教科書や答えを見てやっていたことなどが原因でした。

こうした認識のズレを感じたため、家庭学習をリアルタイムで把握し、即時フィードバックできる仕組みが必要だと思いました。

また、6人いた高校生が全員退塾したことも背景にあります。その原因は コミュニケーション不足、モチベーションの低下、過剰な課題の量です。

映像授業は生徒とのコミュニケーションが減ってしまいサポートが薄くなっていたため、体制を整える必要がありました。そこで、Studyplus for Schoolを導入しました。

Studyplus for Schoolの利用にあたって5つのルールを設けました。それは、学習記録をつけること、「いいね」やコメント、個別・一斉メッセージを通してフィードバックを毎日実施すること、学習進捗を毎週・隔週確認すること、学習計画を毎週・隔週確認すること、学習時間ランキングを提示することです。

その結果、まず家庭学習のテコ入れに成功しました。以前は定期テストの点数アップは1科目10点が最高でしたが、Studyplus for Schoolを通して家庭学習もしっかり管理できたことで、20点しか取れなかった生徒が70点まで上がることもありました。偏差値も、全科目平均で7は上がっています。

副次的な効果として、地域では「学習量は多くて大変だが、点数が上がる塾」という評判が広がり、入塾希望者が増え、2019年の冬には0人だった高校生は15人になりました。

また、課題の量を生徒と相談できるようになったこともポイントです。こちらとしてはどんどん課題を出して安心したいという気持ちはあるのですが、生徒にもプライベートがあり、他にも習い事などをしている場合もあります。適切な課題量は生徒によってバラバラなので、その判断ができるようになりました。

ただ、生徒に言われるままに課題量を減らすわけではありません。例えば、週に10時間しか勉強していないのに課題が多いという生徒もいます。そういう子はスケジュール管理が苦手です。そこで、平日・土日の予定をヒアリングし、どうやって時間を作っていくか一緒に考えます。

反対に、勉強時間が多く、課題の量が多いと言う生徒もいます。その場合は本当に大変になっている可能性があるので、どうやって課題を減らすか一緒に考えています。

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生徒に合わせて課題量を調整する方法は保護者に喜ばれ、スライドにあるコメントをいただきました。この生徒は学年でもトップ3に入るくらい成績が伸びて、卒業した今でも遊びに来てくれます。

保護者面談では、勉強の量をStudyplus for Schoolを使って提示し、勉強の質は当塾独自の計算方法と単元テストの結果で見せることで、なぜこの結果となったのかを納得してもらえるようになりました。上がらなかった場合もどう改善するか具体的に説明できるため、納得して次に期待していただけます。

カルテ機能を使い面談で得た情報を講師同士で共有

当塾では、教材ごとではなく科目ごとに勉強時間を入力してもらっています。これは公立高校の入試は5教科の総合点数で判断されるため、各科目の学習の時間配分を知りたいからです。

生徒は得意科目はたくさん勉強しますが、苦手科目はあまりやりたがりません。そのため、得意な科目はどんどん上がっていって、苦手科目は成果が出ず、かなり差が開いてしまいます。だからこそ、科目ごとに勉強時間を見ながら、どの科目に注力するか指導しています。

また、進捗の確認をStudyplus for Schoolで行っています。私が学習方針をまとめ、月に1回面談をし、「今月はこれに気をつけて学習しましょう」と伝えます。カルテ機能を使うと、方針を一番上に固定できるので、講師はそれを見て、何が大切かを理解し指導ができるようになりました。

生徒面談をする講師には、モチベーションを上げてもらうことを意識するよう伝えています。目標の勉強時間をクリアしていれば安心、未達成ならスケジュール調整が必要だと判断します。そもそも学習記録を入力していない生徒は、学習意欲が危険水域まで下がっている退塾予備軍の生徒と判断しています。そのため、塾のペースに巻き込むため、目標の再設定をしたり、講師からの声かけを増やすなどの工夫をしています。

講師面談でもカルテ機能を使い、生徒情報を共有しています。昨年に比べると生徒は1.5倍、講師は2倍に増えたため、誰が何をしているかという把握が大変になりました。また、生徒の情報を特定の講師だけが知っていて、ほかの講師は知らないという事態も発生しました。そのため、カルテ機能に生徒情報を記入し、講師全員で共有することで、情報の共有漏れをなくしました。独自のフォーマットを決めることができるため、生徒の学習面や生活面、生徒が何に悩んでいて、何を目標にしているのかなど、全ての講師が同じ項目をヒアリングすることができます。

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この画像はある生徒との数学についての面談記録です。授業進行具合と気になること、約束事をメモしています。特に高校生は、塾に通っている同級生が少ないため、通う目的を常に設ける必要があります。そのため、次に何をやるかを意識しやすいように、約束事を決めています。

保護者面談にも、カルテ機能を活用しています。面談ではよく「家で勉強しない」「部屋にこもって何をしているか分からない」と聞きます。それに対してStudyplus for Schoolの記録を見せ、週にどのくらい勉強間しているか、「この勉強時間は上位何%に入る学習量ですよ」など、具体的に伝えます。

保護者が見ていないだけで本人はきちんとやっているので、そこを褒めてもらうことが目的です。

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勉強の質については、オリジナルで円グラフを作って見せています。黒い部分はまだ勉強していない単元、薄い緑は学習回数が少なくてまだ身に付いていない単元、濃い緑は何度も学習して理解できた単元です。

点数が上がる生徒は濃い緑が多く、上がらない生徒は黒と薄い緑が多くなります。生徒が「勉強しても点数上がらない」と言うと、グラフを見せてまだまだだと励まします。

Studyplus for Schoolとオリジナルのアプリで勉強の量と質を上げる

今後の展望として、高校生部門の充実を目指します。現在も中等部から進級してくれる生徒はいますし、新しく問い合わせが来ることもありますが、通っている生徒からの紹介がありません。

茨城県は塾が多いうえ、大手が最先端の塾を展開しているので、ほとんどの学生はそこに通います。今年は高校生が塾を選ぶとき、「PASSFINDを見てみようかな」と思えるような塾にしていきたいです。

次に、Studyplus for Schoolをもっと活用していきます。今使えているのは、全体の40%程度です。アプリの完成度は高いので、もっと使い方を学んでいきたいと思います。

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最後に、勉強の質を管理するアプリを作る予定です。機能として、忘却曲線に則った復習タイミングを提示します。今日学習した内容を、3日後、1週間後にまた勉強するよう通知するものです。計算式はすでにできていますが、それをアプリとして作る技能がなく、時間がかかっています。

実は、すでに似たようなアプリはあるのですが、インストールに3000円かかります。生徒が使うには高いですし、自分で作れば使い方もわかるため、制作し、来年度のリリースを目指しています。

Studyplus for Schoolで勉強の量を担保し、オリジナルアプリで勉強の質を高めることが、当塾の理想形です。


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