生徒を勇気づけるツールとしてのStudyplus for School|ハイスクールMUGEN鹿児島中央駅前校【Studyplus for School Award 2020】
Studyplus for School Award 2020とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。
*Studyplus for Schoolの詳細はこちら。
従来は、授賞式や受賞者によるプレゼンテーションを含むイベントを開催しておりましたが、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、この度オンライン配信で受賞者によるプレゼンテーションを実施いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、高校生部門自立指導部門で受賞された、鹿児島県のハイスクールMUGEN鹿児島中央駅前校の株式会社夢現専務取締役小牧千穂先生と、ハイスクールMUGEN鹿児島中央駅前校竹之内先生の回です。
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夫の創業を機に学習塾の経営に携わる
小牧:ハイスクールMUGENを運営する、株式会社夢現の小牧です。私は鹿児島出身ですが、小学生の頃に女子大生ブームが起き、都会の大学に進学するために、一生懸命勉強しました。その甲斐あって、県内1位の公立高校に進学したのですが、入学式の日の朝に、「県外の大学に出すほど、経済的に余裕がない。だから勉強は、ほどほどでいい」と母に言われました。
ショックの中、高校生活を過ごし、鹿児島大学に進学。世の中を旋風していた、コギャルブームに乗ることもできず、塾講師や家庭教師、結婚式場でのアルバイトばかりしていました。
大学3年生から就職について考え始めましたが、当時は超就職氷河期。地方の女子大生を採用する企業はなく、履歴書を送れども送れども、返事さえないという状況でした。そんな中、唯一あったオファーが夫からのプロポーズです。そこで、大学卒業と同時に結婚しました。
専業主婦になり、2人の男の子にも恵まれ育児に奮闘しました。長男の小学校入学を機に、私も働いてみたいと思い、大手の料理教室で講師になりました。しかし、働き始めて数年後、とんでもない事件が起きました。夫が無職になったのです。
家で本を読む生活をしている夫に、「いいかげん働いて」と喉まで出かかっていた時、彼が会社の社長になるという二度目の事件が起きました。それに伴い、私はエクセルさえ使ったことがなかったのですが、会計を担当することになりました。それから現在まで12年、株式会社夢現に携わっています。
知識・情報・資金・人財・チームを重視して複数教室を経営
弊社は鹿児島市内に、小中学生中心の進学塾MUGENを7教室、高校生専門のハイスクールMUGENを1教室、通信制高校のサポート校・MUGEN高等学院を展開しています。
企業理念は、「全ての人の、無限の可能性を引き出し、夢を実現する」です。
2008年2月に、中学生をメインとした小中学生向けの学習塾として創業しました。初年度に3校開校しましたが、今思えば、経営的観点からものすごく恐ろしいことでした。
経理未経験の私は、お金が1年間で、どう回っていくのかを全く知らなかったこともあり、徐々に現金がなくなっていき、当時はすごく怖かったです。
2009年には、全校舎、集団指導から、自立学習指導に変えました。準備期間は、たったの1カ月。さらに、同時に4校舎目も開校しました。
2012年に5校舎目を開き、2014年に6校舎目を、そして2017年に7校舎目となる高校生専門校舎ハイスクールMUGENを開校後、2019年7月に8校舎目を開校し、現在に至ります。Studyplus for Schoolを知ったのは、ハイスクールMUGENを開校した頃です。職員数は、私と代表を除いて15名、講師の方々は約40名です。
MUGENを創業した2008年は、リーマンショックの年でした。2011年には、東日本大震災もあり、その後は熊本大地震も発生。災害があるたびに、社員や家族を守って子どもたちの学びを継続することが重要だと思うようになりました。そのため「人」、「知識」、「情報」、「資金」、「人財」、「チーム」を大切にし、経営の根幹に据えてきました。
3校舎目、4校舎目の時は大変でしたが、売上も順調に伸ばすことができ、無借金経営を続けています。
また、今年度の新型コロナウイルスのような思いもよらない災害もあるので、やはり経常利益をきちんと貯めておかなければならないと感じています。昨年は15.4%を確保しています。
今年の状況ですが、1~2月は新型コロナウイルスの影響もさほど受けず、好調でした。しかし、2月末に全国一斉休校が発表され、3~4月はブレーキがかかりました。ゴールデンウイーク前にも休業要請があり、生徒募集をする春休みには、いつものような募集ができませんでした。
5~6月には少しずつ回復し、7月には夏期前ということもあり入塾も好調でしたが、鹿児島で初のクラスターが発生しました。影響を受けたものの、夏期の実績は前年比109%でした。
コロナ禍でも過去最高を更新し続けているのは、社員やそれを支えてくださるご家族、そしてもちろん通ってくれる生徒・保護者のおかげです。またスタディプラスが、3月に無償提供を始めてくれるなど、色々なところで助けられました。
生徒の結果よりも行動や存在を肯定する
弊社は、「教える先生から引き出す先生へ」というコンセプトのもと、自立学習指導をしています。上から目線で接さず、生徒の成長を止めないように心がけています。やる気が満ちあふれている生徒に対して、大人が勝手に限界をつくらないよう、頑張れる自分になってもらいたいという気持ちで運営しています。
当塾では、結果承認もしますが、行動承認をより積極的に行っています。さらに「頑張ったね、すごいね。」、「教室に来てくれてありがとう。」というような存在承認も大切にしています。
ですが、保護者や学校の先生、周りの友達からの評価より、生徒自身の評価の方が重要です。「あなた自身はどうだったの?」と質問し、こちらが勝手に「頑張っているよね」と決めつけることはしません。
褒めるというのは良い言葉のように聞こえますが、これは上から目線だと思っています。そのため、褒めるというより、「それでいいんだよ。」という声のかけ方をします。生徒たちが持っている自発的なものを、勇気づけるというイメージです。
こちらは、鹿児島統一模試という県内の塾に通うの生徒が参加する模試の推移です。成績上位者に入った生徒や、偏差値が18.5も上がった生徒がいます。平均でも4.3アップということで、生徒が本当に頑張ってくれています。
Studyplus for Schoolはコミュニケーションツールとして生徒を勇気づけられる
ハイスクールMUGENを開校するまでは、小中学生の中に、高校生がいる状態でした。彼らは自分たちで勉強してくれる分、講師との関わりが少なくなるなど、高校生の指導については様々な課題を持っていました。
鹿児島では、朝補習や放課後補習があり、部活動も全国で一番盛んであることに加えて、学校の宿題が大量に出ます。こういった事情から、高校生は、「とにかく忙しい」と言っており、塾で勉強ができなくなっていくことが続いていました。
しかし、現状、鹿児島は4年制大学の進学率は全国最下位です。また、経済的問題も多く、選べる大学がないという生徒もたくさんいます。
また、鹿児島に限らずですが、現代の日本の高校生は自信がなく、勇気もありません。「でも」、「どうせ」、「だって」という言葉で逃げがちです。この社会的課題を打破したい想いも重なり、高校生の専門校舎・ハイスクールMUGENを開校しました。
そのタイミングで、Studyplus for Schoolも知りました。もともとは、学習管理ツールと聞いていたのですが、実際に見てみると、先生と生徒のコミュニケーションツールだと感じました。これを使うことで、生徒に自信と勇気を与えられると思い、導入を決めました。
高校生はほぼ100%スマホを持っているため、記録をつけられないということはありません。中学生は、持っていないこともあるため、保護者の協力を得なければ記録ができないこともあります。
コメントや「いいね」で生徒のモチベーションをアップ
竹之内:ハイスクールMUGENの責任者、竹之内です。ここからは、私から、Studyplus for Schoolの具体的な使い方についてご説明します。まず、簡単に自己紹介をします。私は、鹿児島出身で、中学3年生の時に進学塾MUGENに入塾しました。当時から、ここで先生をしたいと言っていたのですが、「鹿児島大学に合格したらアルバイトしていいよ。」と言われていたため、鹿児島大学に進学し、大学1年生からアルバイトを開始しました。卒業後も続けたいと思い、社員として入社しました。
こちらは、当塾で使用している機能をまとめたものです。タイムラインでは、コメントや、「いいね」をつけています。アナリティクスとカルテは、週1回のチュータリングで活用し、学習時間ランキングも作成しています。
私たちは、Studyplus for Schoolを使用し、モチベーションアップを図りたいと思っています。そのため、塾に来た生徒には、まず、「今日も来てくれてありがとう」と伝えたり生徒の記録には毎日欠かさず「いいね」を送ったりしています。朝のバスの時間など隙間時間を活用していれば、「朝からありがとう」とコメントします。
週1回のチュータリングでは、承認や勇気づけを心がけた声がけをしています。その他、ランキングを掲示し、「〇〇くん、こんなに頑張っているよ」とみんなに共有しています。メッセージ機能は、生徒とのコミュニケーションがとれるだけでなく、保護者への見える化にも役立っています。
チュータリング内容はカルテで全スタッフが共有
当塾では、入退室通知を使うことで、保護者に「塾に来ていますよ」、「今塾出ましたよ」という安心感を届けたいと思っています。また、出席確認でも活用しているため、「この生徒は最近すぐに帰るな。」といった変化を見つけるのにも役立っています。
週1回のチュータリングでは、生徒と一緒にアナリティクスを見て、自分は全体の中でどの位置にいるかを確認します。前回よりも上にいれば喜びますし、そうでなければ原因を確認します。先週の自分より成長できていればいいのですが、周りも意識して頑張ってほしく活用しています。
その他には、前回決めた目標時間を確認したり、科目バランスをチェックします。そこで話した内容は、カルテに必ず記録し、全スタッフで共有しています。
チュータリングの時間は、10分から15分程度です。マニュアルは特にありませんが、カルテに書き込んでもらうことは、まとめています。通常の生徒には非常勤の先生が、高校3年生や心配な生徒には社員が担当するようにしています。
正確に情報共有するため、非常勤講師にはその都度「今週はこれ気をつけてね」と伝え、意識してもらっています。またシフトに入る前に「こういう動きをしてほしい」など声掛けも行っています。
「先生側からも気になったこは随時教えてほしい」と伝えているため、自分で考えて動いてくれますし、分からないところはすぐに相談してくれています。
こちらは、チュータリングで使用しているカルテのテンプレートです。必ず聞き取って欲しいことと目安時間をあらかじめ入れています。
ランキング掲示で生徒のやる気を刺激し保護者の見える化を実現
アナリティクスから引用し、週間ランキングを作っています。こちらは生徒をイニシャルで表したものですが、これを保護者に送っています。塾内に掲載するものは、本名記載のものです。これも生徒のモチベーションアップに活用しています。
以前は、週間ランキングのみ掲載していたのですが、昨年から途中経過ランキングも作り始めました。これにより、「私は今ここなんだ、もっと頑張ろう」とか「〇〇さんこんなにやってるんだ、私ももっとやろう」と頑張れる生徒が増えました。ランキングでは1、2年生が埋もれてしまわないように、3年生とは別で作っています。
月間ランキングも校舎に掲示しています。1年前のものも掲示しているため、去年の先輩たちがどのくらいやっていたかが分かり、生徒の目標になっています。
ランキングを教室に掲示したり、メッセージで生徒・保護者に送信したりすることで、生徒はモチベーションアップ、保護者は見える化というメリットが生まれています。
こちらも、掲示物の一つです。「MY GOAL IS …」とありますが、毎月の目標を具体的に生徒に書いてもらい、掲示しています。これを書く時に、月間ランキングを参考にしてもらっています。
画像右側は、実際に生徒が書いたものですが、2人とも高校1年生から通っている現高校3年生です。隙間時間を意識しようなど、勉強時間を意識して取り組んでくれています。
対生徒・保護者の両方とのやりとりにメッセージ機能を活用
メッセージは、対生徒と対保護者、それぞれに向けて使っています。当塾では、オンライン指導もしているため、生徒は、オンラインでの質問時、写真つきで「ここが分かりません。ここからここは、どうしたらいいですか?」など送ってくれます。保護者とのやりとりでは、生徒の頑張りの共有、お困りごとの共有、欠席連絡などがメインです。
一斉送信は、生徒と保護者どちらにも同じものを送っており、塾からの連絡事項やランキング速報、塾の写真などを共有しています。塾の写真は、保護者に塾の雰囲気が伝わればと思い送っています。
先日、1年生から通っている生徒が総勉強時間4004時間を達成しました。これを本人がタイムラインに投稿しており、すごく嬉しかったのだろうと感じました。この投稿に、スタッフがすぐに気づき、本人にインタビューし、当塾のブログにアップしました。
他校舎の先生やブログを見てくださる方から承認されたことで、本人はもちろん、私たちも嬉しかったです。
これだけの記録をつくれたのは、朝のバスの時間など隙間時間をうまく利用したことがポイントだったようです。S1グランプリへのモチベーションも高く、ランキングを掲示するとすぐに見てくれます。
生徒の心情をタイムラインで察する
Studyplus for Schoolを使う上で工夫していることは、まずタイムラインをよく見ることです。私自身も見ますし、非常勤講師にも見てもらっています。
また、塾に来た生徒の表情が暗ければ、すぐにカルテやタイムラインを見ます。生徒はタイムラインに悩みを書いていることもあるため、確認し、すぐに対応することができます。例えば、先日模試があったのですが、「理科を頑張っていたのに、後から頑張りだした〇〇さんに負けた」と書いていた生徒がいました。
そういう生徒には取り急ぎコメントで対応し、塾で直接話します。その生徒には、「今、頑張りが蓄積されているんだよ」、「ちゃんと花開く時が来るんだよ」と話しました。すると表情が明るくなり、その後、タイムラインには、「先生と話してまた頑張ろうと思った」と書いてくれていました。
現在、プランニング機能とアシスタント機能がまだまだ使いこなせていません。プランニング機能は、入力している生徒が30~50%くらいです。全生徒が入力し、振り返りもでき、次の1週間に活かすというサイクルをつくることが理想です。
アシスタント機能は、未記録生や頑張っている生徒のピックアップに使ってみました。ただ、質問対応をメッセージで行っていることもあり、通知が来ても埋もれてしまい、あまり上手く使えていません。これからは、この2つもしっかり活用して行きたいと思っています。
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