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オンラインでも講師と円滑にコミュニケーションをとる|皆星ゼミナール【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウィルスの感染拡大により、学習塾業界は教育サービスを提供できず、事業の継続が困難となるリスクが発生しています。これを防ぐために急速に高まっているのが、オンラインでの指導体制の整備の重要性です。

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。今回は皆星ゼミナールの権田先生にお話を伺いました。

皆星ゼミナールについて

皆星ゼミナールの権田です。私は大学卒業後、スポーツインストラクター、保険営業、ホテルの会員権の営業職を経て、塾業界に入りました。皆星ゼミナールは豊田市にあり、小中学生は1:2、高校生は自学メインの塾です。

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大切にしているのは「褒めて伸ばす」で、生徒を褒めることで勉強のモチベーションを上げて、結果として成績を伸ばすことを目指しています。塾は答えを教えてもらうのではなく勉強の方法を教えてもらうところだという意識で、生徒自身が学ぶ姿勢を身に着けられる授業を意識しています。

オンラインでの個別指導のやり方

オンライン指導は今年の3月から始めました。スタディプラスさんが主催するオンライン指導情報共有会で、テラコヤイッキューの渡邉先生の会に参加して「こんなやり方があるのか」と衝撃を受けたことがきっかけです。予定では5月から本格的にやろうと考えていたのですが、コロナ禍によりタイミングが早まりました。

使っている機材はiPad、Wi-Fi、ヘッドホン、パソコンです。教材はフォレスタを、授業の進度管理はフォレスタ悟空を利用しています。指導で使っているのはZoom、Studyplus for School、Slackです。

休校期間中、生徒に1週間で25時間以上勉強してと言っています。多いように見えますが、学校の授業を受けていたらだいたいそれくらいの時間になるんです。学校に通っている時と同じくらい自分で勉強しないと後で大変だよと言っています。

授業は1コマ80分で、Zoomのブレイクアウトセッションを使って1:2の個別指導を受ける生徒もいれば、メインセッションで自習をしている生徒もいます。生徒には1週間に5回は自習しに来なさいと言っていて、自習室には監督のための講師もいます。

個別指導ではもともと講師1人が、学年も科目もバラバラの生徒2人を教えていました。ただオンラインでこの形だと講師に負担がかかるので、同学年・同科目で揃えてみることにしました。

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こちらが実際の授業中の画面です。右側の真ん中に私が、上下に生徒が映っています。左側はフォレスタ悟空の授業進行表で、別のタブでStudyplus for SchoolとSlackも開いています。

自習室を管理している講師が、その時どの生徒が参加しているかをSlackで共有してくれています。それをもとに、どの生徒が週に何回参加しているかをチェックしています。

Slackを使ったコミュニケーション

今は講師ともまったく会えておらず、コミュニケーションには無料版のSlackを利用しています。毎週私からweekly連絡表というものを作って指示を出しており、ここに書いているのは今週伝えて欲しいことや連絡事項などです。

コミュニケーションの中で大切にしているのは、あえて頼るということです。調べればわかりそうなことも「これわかる人いる?」と聞いて、教えてもらったら「ありがとう」と。アルバイトの講師たちとは年が離れているので、そういう投げかけは意識的にやっています。

また、講師たちには、「生徒とコミュニケーションをとる前に、Studyplusを確認しておけば話は尽きないよ」とアドバイスしています。生徒はいろんなことを書いてくれていますし、講師の方から話を振れば「見ているよ」というメッセージも伝わるものです。

あとは「今この生徒は一週間の勉強時間が全体5位だよ、褒めてあげてね!」「教室の授業と違って必ず保護者の方が見ているよ」といったアドバイスもしています。

Studyplusの記録

うちでは生徒とのコミュニケーションにはLINEとStudyplusを使っていますが、LINEはほぼ連絡用で、メインはStudyplusです。

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Studyplusは記録をつけ忘れる生徒もいるので、触る機会を増やすためにもストップウォッチを利用しています。授業前に必ず私から挨拶しているのですが、そのタイミングでStudyplusを開いてストップウォッチの開始ボタンを押してもらっています。そして終了5分前に「Studyplusに記録して」と声をかけて、必ずその場で記録してもらうという流れです。

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Studyplusには、「何をして、どうだったか、これからどうしていくか」を書いてもらっています。これは生徒にも授業前に言っているのですが、振り返りをしない生徒は進歩しません。自分で振り返ることで、きちんと考えながら勉強をするようになります。また、コメントを返す時には、「どうしていくかについては、具体的に数字を入れるといいよ」などアドバイスしています。

中学3年生には、入試3か月前から1日の時間の使い方について考えてほしいので、より詳しく振り返りをしてもらいます。生徒だけにやらせるのではなく、私自身もやって生徒と共有するようにしました。ここには仕事のことは書かないで、かなりラフな内容を書いています。

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Studyplusに記入するとき、「~をやろうと思います」という言葉は使わず、「~をやります」と言い切るようにも指導しています。思うだけなら誰でもできるので、言い切ることが大切です。

Studyplusのコメントは私だけではなく、講師にも生徒に送ってもらっています。強制ではなく、担当している生徒にコメントを入れたければ入れればいいし、どちらでもいいよという感じです。

私からは文章で送ってくれた記録についてはすべて返しているので大変ではありますが、きちんと書いてくれる嬉しさの方が大きいです。ここまでやってくれると思っていなかったので、嬉しい誤算ですね。オンラインになってから、Studyplusを使ったコミュニケーションの頻度が上がりました。

講師採用と全員での仲間意識

オンライン指導になってから、講師の時給は変えていないのですが、支給する総額自体は増えています。学生講師は塾に通うよりも、家でリモートワークの方が時間が取れるからより多くのコマを入れられるんですよ。

またうちではオンライン指導をわりとスムーズにスタートできたのですが、それは講師採用をしっかりやったからだと思います。「入れてから苦労するより入れる前に苦労した方がいい」という考えを持っているので、採用に関しては妥協しませんでした。

アルバイト志望で来た人をそのまま雇うことはなく、5,6回テストしてやっと合格になります。特に不合格になる原因が、生徒が何かできたのに「いいね」と言えなかったというミスです。1回でも言えなかったら不合格になります。

学生の講師には、将来社会に出て上の立場になったとき、何をやりたいかすごく聞きます。例えば「マネージャをやりたいです」言えば、「今はそのためのトレーニングになるんじゃない?」と。

色々と話をして、納得して私の意見に賛同してくれる人は残ってくれますし、そうでない人は辞めていってしまいます。

そうやって苦労した講師も、塾に通ってくれる生徒も、私はみんな仲間だという思いでやっています。なぜ仲間かと言うと、目的が同じだからです。生徒は成績を上げたいと思って塾に来ていますし、講師も上げてあげたいと思っています。

講師と生徒という縦の関係は個人的にあまり好きではないですし、仲間だからストレートに伝えられるという部分があると思います。

オンライン指導で気をつけていること

オンライン指導をする上で、「どれだけリアルに近づけるか」を考えました。うちでは月曜日に全員参加の自学習の日というのを設けていますが、これはオンラインでもクリア出来ると思いました。そして火曜日から金曜日に授業をすること、授業は1:2の個別指導を行うこと、この2つが譲れないポイントでした。

教材のフォレスタでは「コミュニケーション」「短く早く」「言わせて確認」「できたら褒める」という4つオペレーションがポイントになっています。「短く早く」は厳しいですが、あとの3つはオンラインでもできると思って踏み切りました。

授業を始めてから生徒の反応を聞いてみましたが、ほぼ対面の時と変わっていないと言っています。クレームや退塾もなく良かったです。

今後についてですが、6月いっぱいは塾を開けずにオンライン指導をすると決めています。7月以降のことは検討しているところですが、今のままでもそこそこ上手くいってる部分はあるんです。だからこのままでもいいのかなとは思いつつも、当然、対面がいいという人も出てくるはず。だからハイブリッド型で、対面かオンラインのどちらかを生徒にを選んでもらえばいいかなと考えています。

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