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集団指導の良さを取り入れ、本質的な自立型の塾を目指す(前編)|翔優館

Studyplus for Schoolを導入いただいた先生方に、お話を伺うコーナー。今回は「教え込むのではなく、学びを導き考える力を育てる学習塾」の翔優館さんにお話を伺います。

翔優館さんでは生徒が社会に出たときに自分で考える力は絶対に必要だという考えの元、生徒たちが勉強を通して考える力を養えるような指導を行っています。本当の自立型とは何なのか、真摯に追求する姿をご紹介します。

学力差のある生徒によりよい授業をするため、
自立型の塾をスタート


―初めに、翔優館さんについて教えていただけますか?
翔優館は、教える(Teach)から学びを導く(Coach)ことに重点を置いた自立型個別指導塾です。「言われたからやる」のではなく「自ら進んで学習できる」生徒に育てるための指導を行っています。

―翔優館さんはいつ頃開塾されたのでしょうか?
2016年の3月から始めました。元々大手学習塾で働いていて、退社後に当時一緒に働いていたメンバー4人くらいで共同経営という形で塾をやっていました。

10年くらい続ける中、昔と同じことをやっても生徒が集まらなくなっているとか、新しいことやりたいことがあってもなかなか自由にできないという思いを抱えていたんです。じゃあ自分でやるしかないという思いで始めました。

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―秋間先生はどんなことをやりたいと思われていたのですか?

集団授業をやめて、自立型個別指導をやりたいと思っていました。
集団授業ではある程度の人数がいるので友達同士刺激を受けて、やる気を出して頑張ってくれるというメリットがあります。そういうムードは非常に良かったのですが、学力差が開いていく中で現在の形の集団授業を続けていくのは難しいのではと感じていたんです。

そういう中で自分は、普通の個別指導ではなく、自立型個別指導をやりたいと思っていたんです。

―これまでのような集団授業を続けるのは、先生のやりたいところとは違っていたんですね。
はい。大きな塾だと1学年50名くらいいて、レベル別に分けられますよね。一つのクラスに同じような学力の子を集められるので、無駄なく授業が進められます。

ただ個人塾だと1学年1~2クラス程度しか作れないので、学力差がどうしてもできてしまいます。学力が上の子に合わせてしまうとそうでない子がついてこれなくなってしまい、その逆だと今度は授業中に暇してしまう生徒が出てきてしまうんです。そうすると無駄が出てしまい、成績も大きくは上がりにくくなってしまいます。それに集団ゆえに細かい指導が行き渡らなくなるという面もありました。

―そこに相違があったんですね。
そうです。ただ、自立型は難しく、保護者にも「ただ自習するだけでしょ?」と思われがちです。しかし生徒の力を引き出すためには、先生の力が相当必要になってきます。それが自分の得意とするところだと思っていたので、やってみようと思いました。


自立型の塾に集団指導のメリットを取り込む


―集団指導をご経験されそのメリットもご存じだと思いますが、そうした部分は今も大切にされていますか?
はい。自立型といえども縦横のつながりを重視しているので、集団らしさもあります。例えばうちは生徒が自由に塾に来て自分の画面を開くという流れではなく、いつどの学年の生徒が塾にくるかも決まっていますし、開始する時間も決まっています。

時間になったら、「気をつけ、礼」の号令で始めます。そこで、各々が自分の課題に取り掛かるという流れです。

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―自立型でも、横のつながりを持たせやすい環境ですね。
はい。それにうちは塾の造りとしても部屋の仕切りがない一つの空間になっています。みんなが顔を合わせているので、自然と仲良くなっていくんですよね。

また、週に1回探究授業というワークをやっています。これは、テーマを1つ決めて生徒たちがディスカッションしたりプレゼンテーションしたりするものです。この中で先輩が後輩の面倒を見てくれることがあり、中学生と高校生という壁を越えてい一緒に学習しています。特に問題なく進めています。

―中高生の壁も越えられるのですね。
そうですね、高校生が自習しているところも中学生が常に見ているので、「高校生はこんなに勉強するんだ」と感じているみたいです。逆に高校生も、中学生のこと結構見ているんですね。「誰々、頑張ってる?」と気にかけたりしてくれています。

先生の役割を再考し本質的な自立を目指す


―生徒さんは週に何日くらい来られるのですか?

中学生は週3回来てもらっていますね。ここは絶対なんですよ。それ以外の日は自由に来ていいことにしていて、テスト前になるとほぼ毎日来ています。しかも早い時間から。

―高校生はいかがですか?
高校生は数学塾の授業以外は、週に何回とか、何曜日の何時とか、特に決めてないんですよ。成績Apさんの授業は週2回くらいというのが目安なので、そういうことは伝えていますが。そこも自分で管理してほしいんです。そしてそれができていなかった時に、こちらが言ってあげればいいのかなと。

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―まさに自立ですね。翔優館さんでは「勉強道場」という取り組みをされていますが、これはどういったものなのでしょうか?
普通、試験対策というと集団授業形式の補習で最後の追い込みをやりますよね。でもやっぱり、直前での生徒の仕上がりは一人一人違います。今この子にはこの科目が必要だけど、この子にはこっちの科目が必要だなど、バラバラなはずです。

だから一斉授業で補習をするのではなく、違うスタイルでやろうと思いました。そこで土日を使って、塾に缶詰め状態にして勉強をやっているんです。ここで各自に学習計画を立てさせ、何時から何時と決めてやっています。

―翔優館さんは、本質的な自立を目指されているような感じがします。
ただ映像授業を見せて管理してというだけだと、やっぱりうまくいかないんですよ。これでは先生もいらないという話にもなります。やはり先生の役目が何なのかをもう一度考えないといけないと思うんですよね。

大手と価格で競わない形で集客する

―現在、何かお困りのことはございますか?
うちの塾は自立型でやっていますが、私たちの思いは保護者にうまく伝わらず、なかなか生徒が集まってくれないんですよ。これが一番の今の悩みですね。

特に神奈川は大手塾さんが強く、周りもそこに多く行っているから「あの塾に行かせておけば大丈夫よね」と。小さな塾はなかなか見てもらえない、それが一番辛いですよね。

―集客については悩みどころなんですね。
はい。でもそのなかで幸いなのは、中学生がなかなか集まらない一方で、小学生がすごく増えていることですね。今まではほとんどが紹介だったのですが、最近では「この辺で探していて、たまたま見つけたので」というパターンも増えてきています。

この間も小学校1年生のおばあちゃんが塾を探していて、ちょっと立ち話をしていたら話が合って。夏期講習の最終週でしたが来てくれることになって、とても気に入ってもらえて即入会になりました。小学校1年生も、現在2人いるんですが、すごく体力を使いますが楽しいですね。

―小1から高3まではすごいですね。
このようにやっていることを、どうやって地域の方に知ってもらったらいいのか。そういうところはなかなか私も上手くなくて、自分の中ではとても弱い部分です。

―外の看板に書いてある「考える力を育てる」というのは、すごく目を引きますよね。それを見てその小学生の子も来てくれたのかもしれません。
もしかしたらそうかもしれないですね。小学生の早いうちからしっかり指導していければいいなと思っています。また、最近は大手塾さんだけが全てではないということも少しずつ分かり始めてくれているのかなと。

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―ICTが広まったことにより、必ずしも資本力ありきなのではなく、色んなツールを組み合わせたらいいものできるようになりましたもんね。
そうですね。あとは、人間性の面でも売っていきたいです。反対に、価格競争は当然無理なんですよ。大手塾さんの安い値段に乗ったらうちは潰れますから、そこには乗らないようにします。

―価格競争に引っ張られるのは避けたいですよね。
うちは集団と個別の中間くらいの料金だと思うんですよ。集団よりは少し高めなので、「こんなに高いの?」と思われている方はいるかもしれないですよね。「自立型でタブレットを使っているのに、この値段しちゃうの?」と。でもそこに現れない部分があるんだというのをどう訴えていくかが今後の課題だと思うんです。

―難しい部分ですね。
でもここを乗り越えられないと上手くいかないだろうなとも思っています。

保護者に毎日授業報告を送り安心感を与える

―保護者の方に授業報告を毎日送られていると伺いました。これはすごいことですよね。
保護者との定期面談をやるといっても、どうしても年に3回くらいになってしまいます。そうするとそこでしか話せなくなって、本当は不満もありつつそれが出せないままになった結果、退塾になることもあります。とにかくはけ口がないというのはあまり良くないのではと思って、コミュニケーションの窓口という意味でも毎日授業報告を送るようにしています

あと、今の時代は電話で「今週こうでしたよ」というのも違うじゃないですか。電話をかけても繋がらないということも多いし、電話してもらいたくないという方もいらっしゃる。でもラインなどであれば返信がなくても「うちの子今こんなことやってるのね」と安心してもらえるだけでもよかったので、やりたいと思ってたんですよ。特にこういう授業のスタイルだったら尚更やりたいなと。

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―自立型スタイルなら特に必要ということですよね。
そうです。保護者とも常につながっている感じになります。何かあったら不満を溜めずに言ってくれるから、大きなクレームにはならないんじゃないかなと。

―生徒とのコミュニケーションはオフラインがメインですか?
はい、オンラインはあまり使うつもりはないです。ここは、常に会って話をすることが大切かなと。高校生ぐらいならわかりませんが、中学生はちょっと難しいとも思っています。学習の管理程度ならいいと思いますが。でももしかしたら、Studyplusさんを中学生に導入したら変わってくるかもしれないです。

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前編では、翔優館さんの塾の成り立ちや自立型を追求する姿勢について伺いました。後編ではICTの導入やStudyplusの活用について伺います。

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