英語4技能を伸ばすためのサポート的役割を果たす|TerraTalk【EXPO】

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、あらゆる産業でアナログからデジタルへの転換、サービスのあり方・働き方の見直しが迫られています。教育業界においても、少子化、採用難、地域格差、そして、新型コロナウイルス感染拡大と社会課題が広がる中で、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方の模索が加速しています。

Studyplus for Schoolでは、教育(Education)とデジタルトランスフォーメーション(Degital Transformation※略称DX)をかけあわせた「EDX」を標語に、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に挑戦する教育事業者を広く発信する取り組みを行っています。

そして、この度、未来の教育のあり方・先生の新しい働き方を語る上で外せない、デジタル教材のオンライン展示会を開催することになりました。今回はTerraTalkの座間様にお話をお伺いします。

ジョイズ株式会社について

ジョイズ株式会社CTOの座間です。ジョイズでは、「地球を小さく、世界をもっと近く」をモットーとして英語教育アプリの「TerraTalk」の開発と運営を行っています。社員・アルバイト合わせて約20名おり、半数が外国人で社内で飛び交う言語は半分が英語です。私は2016年にジョイズに入社し、サーバーサイドや先生向けの管理画面の開発を担当しています。

今回は「AI英会話アプリ『TerraTalk』を学習塾で活用する」というテーマで、最近の英語学習や英語教育の状況、そして「TerraTalk」の概要と塾での活用例についてご紹介します。

英語教育の現状とそれに対応するための施策

現在、英語教育の大きなトピックは、学習指導要領の改訂です。小3~4年生で「外国語活動」という科目が週に1コマあり、5~6年生では「外国語」という科目が週に2コマあります。中学校ではもともと4技能だったところ、スピーキングが「やり取り」と「発表」の2つに分かれて、計5技能やらなくてはいけない状態です。

つまり英語の授業はどんどん高度化していって、早期から差がつきやすいような環境になっていくと予想されています。この改定を受け、塾で先生1人が生徒10~20人を受け持つというやり方が難しくなってくるでしょう。

また、塾では少子化の影響を受け生徒の数が減ってしまう分、売上が減少してしまいます。既存のカリキュラムだけではなくスピーキングを追加するなどして、売上を増やしていくような施策も重要になってくると思います。

そこで、こうした状況に対応するための方法を、3つ考えました。

1つ目が、できる先生にまかせる・できる先生を採用すること。これができれば一番いいのですが、全ての塾で十分にスキルのある先生を採用するのは現実的ではありません。

2つ目が、外部の塾や英会話スクールと提携すること。いわゆるアウトソーシングですが、提携となるとなかなか動きにくいこともあり、時間がかかります。

3つ目が、アプリを導入すること。これは一番素早く始められて、何か大きな契約を結ぶ必要もないのでリスクも少ない方法だと思います。また、通年ではなく夏期講習や冬期講習のような時期限定での導入も可能なので、そういった面でも導入しやすいです。

さらにコロナ禍で授業を行っていく中で、アプリというオンラインツールのバックアップとして用意することも、非常に重要となります。

生徒のレッスン状況を一目で確認できる管理画面

ここからは、「TerraTalk」についてご紹介します。TerraTalkは「AIと話して学ぶ4技能アプリ」で、iOSとAndroid アプリ、ブラウザ版があります。

価格はユーザー数によって変わりますが、一か月で1ユーザー500円ぐらいが目安です。トライアルで試していただくことも可能で、初期費用や月額最低固定料などはありません。ただ、教科書に対応したコースをご利用いただく場合、追加で費用が発生します。

アプリでは、ロールプレイング形式の会話レッスンを中心に学びます。会話レッスンの教材は大きく分けて2つのタイプがあり、1つは教科書に準拠したものです。実際の教科書の内容が出てくるのですが、今後取り扱う教科書の数はどんどん増やしていく予定です。現在、当社が取り扱っていない教科書を使用されている学校の生徒さんがいる場合は、オリジナルでご用意した文法コースなどを導入いただいてます。

もう一つのタイプがTask-basedと呼ばれるもので、レストランや空港などシチュエーション別に学べる会話レッスンです。入国審査など決まったシチュエーションで特定の目的を与えられ、AIと会話を行っていきます。

生徒がレッスンを終えたら、発音やWPM(Word Per Minute:スピーキングにおける1分間の単語数)などの分析・評価を確認できます。また、宿題や授業内の演習を簡単に出せるように課題機能も設けています。レッスン内の様々なユーザーログも取っていて、今秋からStudyplus for School SYNCと連携してそちらから確認できるようになる予定です。

先生用の管理画面(LMS)では、生徒がそれぞれレッスンをいくつこなしたか、単語ドリルをどれぐらい終わらせているか、学習時間がどれぐらいかなどを確認できます。今秋からStudyplus for School SYNCと連携してそちらからも確認できるようになる予定です。

テラトーク1

こちらは、生徒の詳細情報画面です。左側は名前やメールアドレスなど一般的な情報、右側が学習履歴です。学習期間を選ぶと、ドリルや会話レッスンをどのくらい終えているか、その期間の会話レッスンのパフォーマンス評価を見られます。WPM(Word Per Minute:スピーキングにおける1分間の単語数)やリトライ回数、質問に何回答え直したかなどを出しています。

テラトーク2

また、会話レッスンの履歴も詳細に確認でき、生徒が何を答えたか、実際の音声ファイルを聞くことが可能です。

テラトーク3

課題の配信では、コースの中からレッスンを選び、期間を設定して配信できます。

Terra Talk活用で試験合格率が10%アップ

次に、Terra Talk導入の効果をご紹介します。大阪大学のe-learning実践講座では夏休み中リスニングとスピーキングの学習を行っていただきました。平均学習時間は1ヶ月で198分、一番長かった学生さんは485分でした。

学習前後を比べたところ、TOEIC Placement Testのリスニング正答率が59.3%から67.1%と8%アップしました。もっとも顕著に正答率が上がった生徒は、37%から69%とほぼ2倍になったという結果も出ています。

松蔭中学・高等学校では、外部検定試験の合格率が、69.6%から79.0%と約10%上がりました。また先生と生徒が1対1で行う面接対策の時間を、約10分の1に減少させることができました。

そして弊社は、Googleのスタートアップ支援プログラムである「Google Launchpad Accelerator 東京 第一期生」に選出されました。さらに世界最大級のEdtechカンファレンスであるASU GSVの日本予選にて、弊社代表が入賞し世界大会でプレゼンを行いました。また、GIGAスクール構想でNECのパソコンが全国の3~4割の小中学校に導入されますが、ここに初めからTerraTalkがバンドルされています。

定期テスト対策と英語運用力アップを同時に行う

ここからは、実際にTerra Talkを導入いただいた学習塾、湘南ゼミナールの事例についてご紹介します。湘南ゼミナールでは2019年度、3教室の中学1年生の英語の授業で自宅学習用としてご活用いただきました。主な目的は定期試験対策で、特に文法の定着をはかりました。

生徒さんはディクテーションといって、音声を聴いてその音声の通りに単語を並び替えるレッスンをし、さらに会話レッスンも利用して教科書の会話を音読しました。

先生方は管理画面を用いて、定期的に利用状況を確認し、生徒さん一人ひとりに個別のフィードバックを行いました。「先週あんまりできてなかったね」とか「先週はよくできてたね」といった簡単なフィードバックでも、生徒さんには非常に影響があり、アクティブ率を高めることができます。最終的には毎週8割前後のアクティブ率を達成しました。

こちらがディクテーションの画面です。教科書にある会話をそのまま使っており、片方の登場人物の音声を聴いて、文章を作っていきます。単語を並び替えて文章を作るので、リスニング能力だけではなく文法力や文章構成能力が身につきます。

テラトーク4

こちらは会話レッスンの画面です。生徒さんは、教科書の中身をそのまま音読します。今後、英検やTOEICなどコンピューターを利用した外部試験が増えていくため、こうしたアプリを使うことでそういった試験に慣れるというメリットもあるでしょう。

テラトーク5

湘南ゼミナールでは3教室に導入いただきましたが、各教室がある自治体の採択教科書と連動した教材で勉強していただいたので、定期試験範囲の英文を使うことでその英文を定着化させることができました。試験対策と総合的な英語運用能力を同時に向上できたと思います。

思学舎という学習塾でもTerra Talkをご利用いただきました。2019年度の冬期講習で中学1年生から3年生に向けて、試験対策と文法定着を目的に活用。文法コースと長文コースを用いてレッスンを受けていただきました。

冬期講習カリキュラムにあわせて、湘南ゼミナール同様、家庭で勉強をする形で活用されました。生徒は冬休みで在宅期間が長いということで、落ち着いてスピーキングの練習ができたようです。季節ごとの講習で小さい規模で素早く始められるので、長期休暇中のTerra Talkのご利用は最適だと思います。

また、どちらの塾さんでもご家庭での学習に活用いただきました。教室で活用する場合は周囲の声で音声認識精度が下がってしまうので、マイク付きのヘッドホンを利用するなど対策をしていただいた方がいいのかなと思います。

Terra Talkの強み

使用しているAIが日本製であることは、競合他社と比べたときにTerraTalkだけに当てはまる特徴です。日本人は独特のアクセントや癖があるので、海外製のAIを使っているサービスと比べて優れている部分はあると思います。

また、人前で話すと照れる生徒でも、AI相手になら気後れしないようです。人に向かって上手くない英語を話すより、スマートフォンに向かって話す方が精神的ハードルは低くなりますよね。

TerraTalkは、あくまでも学校や塾を補完するものです。メインはやはり、先生と生徒の授業になります。しかしスピーキングレッスンなどは1対複数人ではやりにくいので、そういう部分で役立てると思います。

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