紙での予定管理をデジタルにシフト。Studyplus導入で、学習量の可視化と保護者報告の効率化を実現|個別指導の古賀塾【Studyplus for School Award 2022】
独自の工夫をこらしながらStudyplusサービスを上手に活用し、新しい教育の在り方に取り組まれている塾・学校を表彰する「Studyplus for School Award 2022」。昨年に続き今年も受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントを5月10日から約1ヶ月にわたり開催いたしました。
今回は、自立指導部門でご受賞された「 個別指導の古賀塾(福岡県)」古賀 陽大先生、山下 拓海先生のご登壇回を振り返ります。
登壇校紹介
■登壇者
■個別指導の古賀塾とは
2018年開校の学習塾。主な対象は中学生、高校生、既卒生。学習習慣を身に付けるため、可能な限り塾で過ごす時間を増やしたいとの考えから、通塾回数や時間に制限がなく生徒は無制限に通塾ができる。「困難を乗り越える力を身に付ける」という想いのもと、個別指導と毎月の面談を通した指導を実施。Studyplus for Schoolは2019年に導入。
HP:https://koga-juku.com/
様々なICTツールが導入され、生徒は制限なく通える個別指導塾
古賀:塾の全体統括をしている古賀です。当塾は2016年に運営会社を設立し、6年目を迎えました。最初は民間の保育施設からスタートをしています。法人を始めたきっかけは、弊社オーナーで私の義姉の坂口の職場事情です。彼女には4人の子供がおり、医療法人に勤めています。そこで看護師や医師の子供が待機児童になっていて預け場所がないということがあり、自分で保育施設を作ろうということで設立しました。
その後、こども英語塾やヒューマンアカデミーのロボット教室の事業をしたり、小学校の学童保育と四谷大塚をコラボレーションさせた施設を運営したりしています。その中で、中高生部門となっているのが、古賀塾です。
私は以前、株式会社ティエラコムで働いていたのですが、娘が生まれたのを機に独立しました。最初は小さい場所でスタートして、2021年4月に現在の場所に移転。当塾は個別指導ですが、これは一対一で教えるということではなく、生徒一人ひとりに寄り添ってカリキュラムをつくり、自ら進んで勉強させるという意味です。
教室には40のブースがあり、生徒はそれぞれのプランニングに沿って勉強しています。ブースの他、学生講師に教わったりする場所もあります。
家で勉強することが難しい生徒もいるなか、学習習慣を身につけて学習量の最大化を図るため、通い放題にしています。Studyplus以外で導入しているICTツールは、ビットキャンパスタッチ、 eトレ、atama+、スタディサプリです。
今後は放課後デイサービスや老人特別養護老人ホームなども手がけて、ゆりかごから墓場まで、人の役に立てるような会社にしていきたいと思っています。
紙での管理から解放され、より効率的に学習計画を確認できるように
山下:当塾ではもともと、数人にだけStudyplus for Schoolを使ってもらっていたのですが、2021年7月に中高生に一気に利用させることにしました。
Studyplus for Schoolの導入前、当塾では紙での学習管理に難しさを感じており、予定や進捗の管理がしにくいという課題を抱えていました。当時のやり方は、30人の生徒それぞれにテスト対策や学年目標などを書かせ、いつ何の勉強したのかという記録を手書きさせていました。それに対して「一週間でここまで進んだね」「来週頑張らないんといけないね」と声掛けしていました。
しかし人数が増えると、こういったオペレーションは簡単ではありません。人によって進め方も異なるので、生徒によってどういう予定があったのか、実際にどこまで進んだのかを把握しにくくなりました。
そこで、一部生徒に導入していたStudyplus for Schoolを全員に導入してみようという話が出ました。実際に使ってみて良かったと感じたのは、学習量を一週間で何時間勉強したか可視化でき、生徒のランキングが出たり、保護者に簡単にレポートを送れたことです。保護者へのレポートはComiruを使っていたのですが、そこにグラフを加えられた上、業務が簡易化しました。
今回のAwardでは、記録率の高さを評価いただいたのですが、何かすごい工夫をしているわけではありません。ただ、生徒が帰るときに記録をつけたか確認して、つけていないなら入力してから帰るという対応を一人ひとりにやっています。
こうした取り組みを継続して、導入から3ヶ月で記録率90%くらいになりました。以前からいた講師はもちろん、新しく学生講師として入って来た大学生も、こまめに生徒に声掛けをしてくれています。
また、スタディプラスが主催する、学習時間を競うS-1グランプリに参加しており、中学生は記録率も高く、九州・沖縄エリアのトップ30には入ってきています。
さらにStudyplus for Schoolを導入して、生徒の予定管理が改善されました。「週間で計画を立てると、目の前の行事や都合に振り回されて、スケジュールの遅れに気づけない」と考え、年度の初めに年間予定を立てています。今ではその計画を、プランニング機能を使ってStudyplus for Schoolに入力し、1~2週間に一度面談をして進捗を確認するというオペレーションになりました。
生徒が塾に来たらプランニングの画面を一緒に見て、何をしなくてはならないかを確認し、帰るときにできたかどうかをチェックするという流れです。問題があれば私と面談して、修正します。保護者への報告も、勉強時間のグラフだけではなく、進捗や頑張ったこともメッセージに加えて送信しています。
また、今、学生講師と注力しているのが、カルテ機能の活用です。学生講師は毎日2時間ぐらい来てくれており、担当する生徒を4~5人割り振っています。気付いたことは何でもいいので、担当した生徒全員分のカルテを書くように指示しています。それに対して私や古賀からコメントするというオペレーションです。
当塾の教室はこのように、大きなモニターを設置しています。ここでいつも表示しているスライドをいくつかご紹介します。
まずはこのような、プランニング機能の使い方を表示しています。これを見てひとりで入力するというよりは、確認する機会にするイメージです。
勉強時間のランキングはこのように、塾への平均滞在時間と一緒に見せています。
こちらは当塾のStudyplus for Schoolの記録ルールです。これもモニターに表示しています。
この他にも学生講師の出勤予定を表示させて、いつどの講師が出勤するかを生徒が把握できるようにしています。
ランキングがきっかけで塾に住むほど勉強をするように
山下:Studyplus for School導入後の事例について紹介します。ある中学校3年生の生徒は、学習時間ランキングでずっと1位をとっていました。しかし新しく入ってきた生徒がものすごく勉強していたことから、2位になってしまいました。それが悔しくて、「受験が終わるまで、寝るときとご飯のとき以外は塾にいます」と決断。
家も近かったため、本当に寝るときと食事の時間以外は塾に来て、見事第1志望校に合格を果たしました。合格後、後輩にアドバイスがないかと気にしたら、「塾に住め」と言っていたほどです(笑)。ランキングがきっかけでスイッチが入り、塾に住むぐらい勉強をしたからこそ、志望校に受かったと思います。
次に、高校2年生の生徒についての事例を紹介します。この生徒は勉強に強い抵抗感がありました。そこで「まず1時間やってみよう」と声をかけ、取り組んでもらいました。すると、Studyplus for Schoolに記録を付けると棒グラフが表示されることが嬉しいと思い始めたそうです。
勉強しない日があるとそこだけへこんでしまうので、「週に7本の棒グラフが出るように頑張ろう」と考えるようになりました。そこから高校1年生部門で1位を獲得。勉強時間を大きく伸ばせました。
これ以外にも、色々な事例があります。
例えばStudyplus for Schoolを使った独自のイベントとして、「夏休み中に勉強時間が300時間を超えたら、教室の下にあるパン屋さんでごちそうする」という企画をやりました。すると4人の生徒がクリアし、非常に喜んでくれました。
こういった実績を振り返り、やはりまずは学習記録を習慣づけることが大切だと感じています。そのためにも、生徒の記録を先生が一つひとつ見逃さず、確認することがポイントだと思います。
今後の展望ですが、当塾では生徒が増えているので、学生講師との割り振りを検討して、彼らでもしっかり指導できるように整えていきたいと思っています。それを通して子供たちがより成長できるようにしたいです。ゆくゆくは中学生と高校生で教室をわけるほど、大きくできたらと思います。そのためにこれからも、Studyplus for Schoolのプランニング機能やカルテ機能をしっかり活用していきます。