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オンラインでの指導方法と授業の質を上げるコツ|阿部塾【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウィルスの感染拡大により、学習塾業界は教育サービスを提供できず、事業の継続が困難となるリスクが発生しています。これを防ぐために急速に高まっているのが、オンラインでの指導体制の整備の重要性です。

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。今回は阿部塾の阿部先生にお話を伺いました。

阿部塾について

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5年前より神奈川県川崎市麻生区で阿部塾をやっております、阿部です。もともと神奈川県の大手学習塾に10年ほど勤めており、今年で講師歴23年です。

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阿部塾は、生徒・保護者・スタッフなど「みんなが成長できる学習塾」というコンセプトを持っています。生徒は小学生5名、中学生30名、高校生30名、スタッフは26名で、社員は私1人です。 

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授業は1対1の個別指導で、週に一度、中学生はホームルームを、高校生はミーティングをしています。高校生にはオンライン英会話を導入しているのも特徴です。

生徒は自習し放題で、塾には2種類の自習室があります。一つは左側が静かな部屋で、スタッフは関与しません。もう一つはチューターのいる部屋で、質問などができる部屋です。

コロナ後の変化とICTツール

コロナ感染症拡大を受けて、3月中旬くらいから非常事態宣言が出るだろうと予測し、先生にZoomの使い方などを教え始めました。機材も発注しておいて、先生の家にそろった状態で取り組めました。スタッフの仲がいいこともあり、この授業はこうやったらやりやすいなど話し合って取り組めたのは大きかったです。

機材の準備では、もともと塾に16台のタブレットがあったので、持っていない先生に貸して全員が1台持てるようにしました。使い方としては、PCに顔を映して、タブレットと併用するというやり方が一番やりやすいようです。

そして4月8日から、全てオンラインに切り替えました。1対1の個別授業はもちろん、週に一度のホームルームとミーティングもオンラインでやっています。塾の建物は閉鎖しているので、オンライン自習室を用意しました。こちらは、平日の10時~11時50分、13時~14時50分と2つに分けています。

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阿部塾ではもともと、Studyplus for School、ベリタスアカデミー、ウィングネット、COMIRUを使っていました。基本的にこれらのツールはオンライン指導でも継続して使っていますが、少し使い方が変化しています。

まず、Studyplusは高校生だけに使っていたのですが、生徒全員に導入しました。また、コミュニケーションをとるだけでなく宿題提出もStudyplusで行っています。授業は対面からZoomで行うようになりました。そして、新しいICTツールとして中高生向けにモノグサを使い始める予定です。 

モノグサは5月から使おうと思っており、小中学生向けに、小学生常用漢字、フォレストの英単語、中学語彙1560、高校生向けにターゲット1900、ターゲット1400、キーワード読解をデータ入力しているところです。モノグサはデータさえ入れてしまえば、生徒がスマホを使って自宅でテストができますし、生徒がきちんとテストしたかどうかの確認もこちらで取れます。 

また、同じテストを繰り返して記憶を定着させるというものなので、一度正解したからといってクリア判定せず、何回も正解してやっと定着したと判定するところがすごいと思っています。

オンラインでの1対1個別指導

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オンラインでの1対1個別指導では、まずZoomで私がホストとなっている部屋に、生徒と先生に来てもらいます。そこからそれぞれの先生たちをブレイクアウトセッションに呼び出して、分けて行くという流れです。ブレイクアウトセッションとは、一つの部屋にいる時に、そこから派生して新しい部屋を作る機能です。このような流れで今、1日最大9コマ同時に授業をしています。 

オンライン指導ではまず、授業の質をしっかり保たなくてはならないということを念頭に置いています。だから定期的に私が授業を見学して、授業の質を担保し、同時に生徒の関わりを増やせればなと思っています。一対一のやり取りのなかで、私が巡回して褒めると生徒も笑顔が増えるので、そこも気にかけています。 

次に、安全性も重要なポイントです。Zoomでは私をホストとした部屋からブレイクアウトせずに、先生と生徒がそれぞれ部屋を作るというやり方もあります。ただしそうすると先生がきちんと繋いでるかどうかも分からないですし、先生と生徒がミーティングIDを交換する形になって個人で連絡取れてしまうので、それをさけたいと思い今の形にしました。

オンラインでのホームルーム

今年から導入したホームルームは、一回80分の面談で、いわゆる気持ちづくりの場です。点数が取れないから「それじゃダメだ」と言うのではなく、「次のやり方を考えよう」というように話しています。それから成績が伸びた同級生のやり方を話して、「すごいよね」と。真似したければ真似すればいいし、無理だと思ったら無理しなくていいと話します。大切なのは、昨日の自分より成長することと伝えているんです。

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また、勉強の進捗状況のチェックや1週間の勉強計画を立てる時間でもあります。プランニングにはフォーサイトという手帳を使っており、勉強の報告はStudyplusで行うという流れです。 

あわせて、英単語などの小テストも口頭で行っています。家でテストをやらせると、手元に教科書やスマホがあるのでついカンニングしたくなってしまうこともあると思います。これは生徒がやりたいと思っているわけではなく、環境の問題です。だからZoomでつなげて、口頭でテストします。

オンライン自習室の運営とオンライン英会話

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オンライン自習室は平日にやっており、午前の部と午後の部に分けています。流れとしては、50分やって10分休憩というサイクルです。先生は高校生対応に2人、小中学生対応に2人で、4人が2つのZoomアカウントを利用するという形です。基本的には先生も自宅からリモートで入っています。 

オンライン自習室ではまず、生徒と先生がブレイクアウトルームに入ります。そこで今日は何をやるかというような話をして、各自勉強を始めます。自習室に入っていきなり自分でやろうと思っても、「なんか面倒くさいな」と思ってしまうものです。だから5分くらい話して、先生が「よし、じゃあ頑張ろうね」と声をかけてスタートというようにしています。

オンライン自習室では、再テスト・宿題忘れの対応もしています。授業の中で宿題をやっていない生徒がいたらこちらにきて宿題をやったり、再テストをやる生徒もこちらに移動してきます。どの生徒が再テストが必要かといった情報は、Googleのドライブで共有している状況です。

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オンライン英会話はアプリと対面を組み合わせた、高校生用のものです。これは英検準1級合格目指して、ネイティブの先生がライティングを指導していました。今年の3月からスタートさせて効果を感じていたのですが、塾でライティングの指導をするのが基本となっていて、オンライン英会話に対してモチベーションが低い生徒はいるのでオンライン指導に切り替えてからは中止しています。今はそのためのアプリを共同開発していて、有限会社N教育の中澤さんと、株式会社ハグカムの道村さんと協力しています。

オンライン指導を成功させる工夫

オンライン授業を始めるにあたり、先生には生徒が持っている教材を全て買って渡し、全員が生徒と同じものを持つようにしました。これにより、先生が課題を出すときは、「この教材のここ」と簡単に指定できています。それ以外のものを追加で出したいときは、Studyplusでやり取りしています。

また、画面共有を使うこともオンライン指導でのポイントです。例えば英語の授業で、これまでは板書きしながら「ここを読んで」で済んでいたのが、「10行目の、このalwaysから始まる文を読んで」と言わなければいけなくて、それが相当ストレスになります。会話がストレスになるということは、授業自体がストレスになるということだと思うので、こうならないように画面共有で指示することが大切です。

また、Zoomの使い方への理解も必要です。例えばタブレットとPCでできることが違い、ブレイクアウトルーム機能はタブレットでは使えません。また、画像を共有した時に、お互いがタブレットだとそこに書き込みもできます。こうした使い方を抑えておいた方がいいでしょう。

オンライン指導において今後取り組んでいくこと

オンライン指導をはじめて、授業の形は大きく変わりました。先生によってやっている授業が違っているので、私が授業を巡回して、積極的に情報共有をしなくてはいけないと思っています。また、先生への研修も行っていく予定です。

機材面で言えば、今は先生全員にタブレットとタッチペンをレンタル配布していますが、今後は生徒にもレンタルしてもらう予定です。また、生徒の手元が映せないのでノートの内容を把握しにくいという課題があります。この点については、Studyplusでノートを写真にとってどんどんあげていくという形にしたいと思っています。

Google Classroomも魅力的ですが、オフラインをご希望の保護者の場合、アプリを一つ導入するのもストレスになるようなのでそこが課題です。実際、モノグサを使う時もすごくいいものだとお伝えしていましたが、「またですか?」と言われることもありました。ただ、保護者も生徒も「これに慣れなきゃ」という意識を持っていらっしゃるようで、授業に対してクレームなどはありません。

私はオンライン指導に切り替えることをCOMIRUで伝えたのですが、宮崎教室の宮崎先生のお話を聞いて、絶対に動画で伝える方がいいと思いました。やっぱり気持ちや感情は、顔つきなどが見えないと伝わりません。今後は何か伝えることがあれば、動画を作ろうかなと思っています。

今後の塾運営について

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今年は、塾を縮小しようと考えています。テナントも合計3つ借りていますが、先週の段階で1つ解約しました。そしてこれを機に、オンラインに注力しようかと思っています。また、共同開発しているアプリを商品化して、皆さんが授業しやすいように開発して販売できればなとも考えているところです。

一方で保護者や生徒はオフラインの方がいいという人も多いですが、私は対面の方が良いとは思っています。ただ、5月以降もこの状況は変わるわけがないですし、半年から一年は続くと思っています。

しかしいくらオフラインが良いといっても何も解決もしないので、先生に「もう、オフラインの方が良いとは言わないで」と言っています。それよりも、オンラインの良いところを探してほしいですね。

最後に、オンライン指導に切り替えるうえでまず大事なのは、先生の気持を保護者に伝えることだと思います。休校により生徒たちの勉強がストップしている中でも、生徒や保護者の命は絶対に大事です。その中でオンライン指導を始めることで、最大限みなさんの成績上げるつもりだから、ぜひご協力いただければと話しています。

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オンライン指導会は、今後継続的に開催していきます。ご興味のある方はこちらから詳細をご覧いただき、ぜひお申込みください。


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