オンライン化の移行により生徒の学習時間が1.3倍増加 |DoIT【Studyplus for School Award 2021】
Studyplus for School Award 2021とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。
昨年に続き今年も、受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントをオンラインで開催いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、オンライン指導部門で受賞された、DoIT(東京都)の佐藤先生の回です。
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ICTを活用した管理自習と生徒の言葉を引き出す反転授業を行う
当塾は、「早慶以外、あり得ない」というキャッチコピーを掲げており、「浪人した以上は早稲田大学・慶応義塾大学にどうしても行きたい」という文系の生徒を対象に指導しています。オンライン予備校ですが、なるべくリアルに存在している予備校をオンライン上に再現するように心がけています。
特徴は3つあり、1つ目が、限定少人数です。価格は少し割高になりますが、少人数で丁寧に面倒を見ます。2つ目が、ICTツールを活用した管理自習です。指導には、Studyplus for Schoolなどを活用しています。3つ目は、反転指導です。講師が一方的に話すのではなく、生徒の言葉を引き出す授業をします。
具体的には、生徒にはまず映像授業を視聴してもらいます。いい授業であればあるほど視聴しただけでわかった気になってしまうものですが、それだけでは定着しません。そこで、課題や小テストを行い、勉強した内容に基づいた問題を解く練習をします。
次に行うのが「速読即答」です。これは、講師が出した問題に対して答えてもらい、内容の理解ができているかをチェックする場です。課題をしっかりこなしていれば分かるはずのことを高い頻度で問い、口頭で回答してもらうという形態の指導をしています。
そして、塾内の模試やテストを受け、その結果をもとに週1回面談を行います。塾にできることは、生徒の勉強内容の確認やフィードバックだと考えているため、毎週必ず生徒と面談しています。
面談では、立てた計画が予定通りにできているか確認したり、次の計画を立てる手助けをしています。そのため、計画通りの勉強ができている生徒の面談時間は短いです。ですが、人間的なつながりも持てるよう、あえて少し長めの時間をとることもあります。明確に時間を決めるというよりも、一人ひとりに合わせている形です。
質問が苦手な生徒でも質問しやすい環境をつくれる
当塾はオンライン化したことにより、学習時間が増加しました。オンライン化以前よりStudyplus for Schoolを活用していたのですが、当時は、10時間を超えればいい方でした。コロナ禍もあり、オンライン化してからは、13~4時間ほど勉強する生徒が増えています。なかには1日16時間勉強する生徒もいますが、塾に通うための移動時間と体力を使うことがなくなったため、効率的になったと話してくれました。
この結果、生徒の50%は早稲田大学・慶応義塾大学に合格しました。GMARCHの合格率は90%を超えています。
当塾でのStudyplus for School活用方法は様々です。学習管理の面では、ストップウオッチ機能を使って学習時間を正確に記録してもらい、その情報を踏まえ、週1回面談を行います。単に記録をつけるよりも嘘をつきにくくなるので、信頼性の高いデータだと思っています。
こちらは、メッセージ機能の活用例です。このような内容を共有するのに非常に役に立っていて、内容が薄かったりズレていたりすると、相当厳しく指導します。
授業中や授業後だとなかなか直接質問できない生徒も、オンラインであれば、抵抗なくコミュニケーションをとれることは多いため、メッセージで質問することも増えました。
他には、コンテンツ配信機能も活用しています。授業関連の資料を配布し、簡単に映像を見てもらうことができるため、大変便利です。追加料金なしで使えるのもありがたいところです。
視聴時間は、自動で記録されるため、うそ偽りのない情報を得られます。見ていないものを見たと申告されることもないですし、必要以上に長く見ている生徒への指摘も可能となりました。
オンライン指導でもしっかりとしたサポートを提供
続いて、オンライン指導でも徹底したサポートができるよう、当塾が取り組んでいる内容をご紹介します。
1つ目が、Zoomを使用した管理自習です。授業も大切ですが、学んだことをアウトプットすることが学力を伸ばすポイントになるため、自習に注力しています。管理自習中は学生チューターがおり、生徒からの質問があればブレークアウトルームで質問することが可能です。
また、手元を映すよう指導し、生徒が学習している内容を把握しながら、何か間違えていた場合にはすぐに指導することで、最適な学習状況を目指しています。手元を映してもらうことで、スマートフォンを触ったり漫画を読んだりしていないかの確認もできます。
2つ目が、ZoomとStudyplus for Schoolを用いた生徒間交流です。メールやLINEでのやりとりには神経を使いますが、Studyplus for Schoolでは生徒同士が適切な距離感で、お互いの勉強時間を把握することができます。通話機能もないため、急に連絡が来る心配もなく、ちょうどいい距離を保てます。
オンライン指導では、友達とお互いにモチベーション高め合うという関係性が作りにくいのですが、こうした課題も解消できました。
これらに加え、今後は、自習室の代用としてのコワーキングスペースも活用したいと考えています。
一般的な自習室は声を出せないため、Zoomでの速読即答指導にはあまり適していません。しかし、コワーキングスペースなら話せますし、きれいで快適な空間も多いです。ゆくゆくはコワーキングスペースと関係性を築き、安価な価格で利用できるよう連携していきたいと思っています。
住む場所に関係なくオンラインで最高の浪人体験を提供する
当塾は、「早慶専門なら、DoIT以外、あり得ない」という意気込みを持ち運営を行っています。また、早慶を目指す地方の既卒生に、オンラインで最高の浪人体験を提供することも目標の一つです。
オンライン指導になったことで、地方の学生にもまったく同じように指導することができるようになりました。そのため、全国の既卒生に、住んでいる場所に関係なく最高の体験を提供していきたいと考えています。
同時に、現役生には、個別性の高いカリキュラム提供を目指します。既卒生とは異なり、勉強時間を長くとることは難しいため、オンライン家庭教師のように、一人ひとりに合わせた指導を行っていきたいと考えています。
また、今後は、フランチャイズ展開も視野に入れています。コワーキングスペースとの連携など進めながら、快適な空間で専門性の高い指導を行う体制を整え、オンライン指導がもっと広がれば良いなと思っています。
Studyplus for Schoolは、オンラインで指導するうえで「これがなければ困る」と思うほど良いサービスです。そのため、もっと多くの人に知ってもらい、教育現場で、Studyplus for Schoolを使うことが普通という環境になるといいのではないかとも思っています。
最後に、塾運営においては「こだわり」の対象を徹底的に考え抜いて絞り、決心が固まったらそれを意地でも貫いていこうとすることが大切だと思います。当塾は今般のコロナ禍を受け、リアルな対面授業の場を手放してオンライン指導に振り切りました。一見すれば「こだわり」のない無節操な移行です。しかし、むしろ「こだわり」の対象がリアルな教場でのものであるかオンライン上のものであるかを問わない普遍的なものであるということが明確だったからこそ、迅速な方向転換ができたのだと考えています。
これからは、本当に大事にしたいものは何かを問い詰める必要があります。それができていれば、オンラインであろうと対面であろうと大きな違いはありません。オンライン指導が一般的になってくると、教室の見掛けや雰囲気ではごまかせない塾としての理念や思想は今よりもはるかに大事になっていきます。繰り返しになりますが、やはり「本当に大事にしたいものは何か」を問いただしていくことが大切だと思います。