主体的な学びと個別最適化が重要化する中、公教育と私教育の連携ができるプラットフォームとなる|スタディプラス株式会社【Studyplus for School Award 2022】
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主体的な学びと個別最適化が重要化する中、公教育と私教育の連携ができるプラットフォームとなる|スタディプラス株式会社【Studyplus for School Award 2022】

【公式】Studyplus for School マガジン

独自の工夫をこらしながらStudyplusサービスを上手に活用し、新しい教育の在り方に取り組まれている塾・学校を表彰する「Studyplus for School Award 2022」。昨年に続き今年も受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントを5月10日から約1ヶ月にわたり開催いたしました。

今回は初日に行われた、弊社取締役COO宮坂直による基調講演の様子をお届けします。

登壇者紹介

宮坂直
新卒で株式会社リブセンスに入社。内定者アルバイト時代に「転職会議」事業を立ち上げ、転職会議事業の責任者として、同社の中心事業に育てる。その後、株式会社カカクコムに転職し、食べログ本部にてネット予約・予約台帳事業責任者として事業をけん引。スタディプラス株式会社では取締役COOとして、Studyplus for Schoolを統括。

「Studyplus for School」とは
生徒と先生を学習記録アプリ「Studyplus」でつなぎ、生徒の日々の学習ログを先生が見守り助ける、教育機関向け学習管理プラットフォームです。生徒のあらゆる学習ログを一元化・可視化することで、生徒一人ひとりの学びの個別最適化をご支援します。文部科学省CBTシステム「MEXCBT」と接続する学習eポータル。現在、全国の学校や学習塾など約1000校以上に導入されています

国内の教育において、主体的な学びと個別最適化が重要化する

Studyplus for Schoolは2017年にリリースされ、初年度からStudyplus for School Awardを開始しました。今年は85教室表彰しましたが、かなり高い学習記録率を基準として設けています。この基準を達成している受賞校の方々は、取り組みも普通ではありません。非常に熱い気持ちや理念があり、その結果が現れているため、毎年素敵なプレゼンテーションになっています。サービスを提供している私たちも、驚かされることばかりです。

今日はAwardに先駆け、「2022年Studyplus for Schoolロードマップ」として、基調講演をさせていただきます。最近、イーロン・マスクの「日本は消滅する」という過激なツイートが、ネットニュースを駆け巡りました。簡単に言うと、出生率が低すぎて人口が保てなくなるということです。こういわれてもハッとしないくらい、日々閉塞感を感じている人も少なくないと思います。

こんな中で、国内の教育動向はどうなっているのでしょうか。よく、仕事が機械やAIに奪われるというという話がありますが、すぐになくなることはないと思います。とはいえ、人間は機械がやらないすき間を埋めるだけということはありえます。そこにはやりがいも成長も見出すことができず、決められた時間だけ働くだけの生活になると危惧する専門家もいます。

そんな未来があるかもしれない中で、経済産業省による「未来の教室」というプロジェクトが始まりました。内容については、画像の通りです。これからを生きる子供たちが、決められたことを決められた通りにやるのではなく、自分で問いを立てて自分で探究する力が必要となります。学びをいかに自立的に個別最適化するかが、重要なテーマです。

一人ひとりの計画と学習があり、それに追随する形で記録や評価があるという前提で、生徒が主体となる学びを目指すのが、このプロジェクトのビジョンです。

文部科学省も、「令和の日本型学校教育」をテーマにビジョンを発表しました。ここでも個別最適化生徒の主体的な学びに注目しています。ただ、生徒一人ひとりに個別最適な学びをしようとすると教職員の業務負担が増えるので、そこはICTを使うことが大前提です。

さらに、デジタル庁が「教育データ利活用ロードマップ」を発表しました。概要は、画像の通りです。これも主体的な学びと個別最適化が目標であり、環境整備について言及しています。

注目すべきは、学校だけでなく学習塾など民間事業者における教育データの利活用が含まれていることです。図にあるPDSとは、パーソナルデータストアの略で、生徒本人が所有者となる学習記録を置いておく箱のようなものです。学習記録は生徒のものであって、塾や学校のものではないという認識です。このロードマップでは、今データがどこにあって、どこに繋がるべきかを示しています。

次に、民間教育に目を向けてみます。日本では少子化が毎年進み、ざっくりというと毎年2%ずつ子どもが減っていっています。昔であれば大きなビルで集団指導を行う塾や予備校が多かったのですが、縮小や撤退が増えました。一方、多くの個別指導塾も大学生講師を確保できなくなってきています。

そこで普及したのが、自立学習塾です。今までのようにたくさんの講師や生徒を抱えるのは難しいため、部分的にデジタル教育を取り入れ、ハイブリッドに教育します。先生が教えるのをやめて、コーチングだけを行う塾もあります。

こういった背景から、公教育と私教育ともにICTが普及しています。公教育ではGIGAスクール構想により、わずか1年で1人1台端末が実現しました。また、補助金によりEdTech導入の敷居を下げました。民間についても画像の通りに進んでいます。公教育と私教育はそれぞれの流れで教育ICTが普及しましたが、今後は垣根を超えた教育データの利活用が課題となります。

教育ICTの利活用状況は、もともとPhase0の段階でしたが、端末が普及したことで教育ICTが広がり、現在はPhase3に達しています。なぜ教育ICTを活用するかというと、あくまで生徒が主体的に学ぶことを実現するためです。教育ICTを目的化せず、本来の目的を達成するため、学習計画と学習ログをもとに生徒が自ら調整しながら学習できるようにする必要があります。

もし学習ログが浸透して運用されるなら、たとえば不登校の生徒がフリースクールや塾で学んだ内容を学校が単位として認めるということもあるかもしれません。

具体的にどのように教育ICTを活用した自己調整学習を実現するか、図解しました。これまでは学校や塾において少ない先生がたくさんの生徒を教えなくてはならなかったため、管理や評価のしやすさを優先して仕組みが作られていました。その結果、宿題を出して提出があれば良いとしたり、テストで一斉に評価したりしました。生徒からすると、学校や塾に言われたことをやるとなり、ついていくことにいっぱいいっぱいになり、主体性の発揮は制約されます。

学習者中心の自己調整学習は、生徒自ら学ぶ目的を持って、それを実現するためにどの教材がいいか調べたり、同じ目標の友達と切磋琢磨したりします。しかしすべての生徒がこれらを自分ひとりでできるわけではありません。そこで、生徒が自身の学習の記録を学校や塾の先生に見せ、先生は生徒の学習の記録をもとにアドバイスをすることで、徐々に生徒は主体的な学びを身につけていくことができると思います。

これはあくまで理想に過ぎないという意見もあるとは思います。ただ、私たちもStudyplus for Schoolを数年で完成させるのではなく、ライフワークとして10年、20年取り組もうとしたときに挑戦に値する課題だと思っています。

非同期型コミュニケーションで段階的に生徒の自立度を高める

国内の教育事情やこれからの教育ICTが変わるなかで、弊社がどんな方針を持っているかお話します。

生徒たちに自主的に学んでほしいと思っても、最初から一人でできる子ばかりではありません。Studyplusでも、ダウンロードしてから学習記録を継続できない生徒もいます。最初は先生方のサポートを受けながら、段階的に主体的な学びと自己調整学習ができるようになっていくと思っています。

その段階を表したものが、シチュエーショナルリーダーシップ論です。これは部下と上司のマネジメントに関するもので、新入社員は自分で考えて仕事をすることは難しいですが、だんだんと自分から提案できたり、上司が管理しなくても自走できたりと、成長とともに関わり方が変わります。

これは、生徒と先生の間でも同じではないでしょうか。手取り足取り教えるところから始め、将来的に自走できるようになります。これこそ自己調整学習を実現するプロセスだと考えています。

ただ、自立度合いは生徒ごとに違い、教室に様々なレベルの子がいるとき、一人ひとりコミュニケーションを変えることは簡単ではありません。毎週もしくは毎月、生徒一人ひとりと話して自立度合いを把握することは先生の負担という観点で現実的ではありません。

だからこそ、非同期型の学習管理が必要です。会ってコミュニケーションすることを前提にせず、どちらかが都合がいい時にコミュニケーションを取る、時間と場所を超える方法によりこの問題を解決できます。

学習記録や管理を紙でやると受け渡しが発生して同期型になってしまうため、デジタルで行うことを前提とします。学習管理をデジタル化する上で、Studyplus for Schoolをご提供しているところです。

また、色々なコンテンツを使うようになってきた結果、先生が確認しなくてはならない管理画面も増えて、すべて見切れないという問題が発生しています。これを一つのプラットフォームに集約しなくてはなりません。ここもStudyplus for Schoolが果たす役割の一つです。

公教育と私教育が連携できるプラットフォームとしてアップデートを続ける

最後に、当社の開発計画についてお話します。まず過去を振り返ると、2010年に株式会社クラウドスタディとして創業し、2011年にStudylogを公開しました。翌年にStudyplusがリリースされ、SNS機能を搭載。2013年にはスタディプラス株式会社に商号変更しました。

そこからStudyplus APIを公開したり、Studyplus for Schoolを公開したりとさまざまな歴史があります。2020年にはStudyplusの会員数は500万人を突破し、2021年にはStudyplusが学習eポータル標準仕様に対応しました。

私たちはもともと、学習ログと自己調整学習を実現したいという思いから事業をスタートしています。個人はSNS機能のあるStudyplus、法人には先生方とやり取りができるStudyplus for Schoolを作っています。そして今、私たちが最も注力しているのは、紙の記録をデジタル化することです。

私たちは今、学校で使うデジタル教材の学習履歴を、Studyplus for Schoolにログとして溜まっていく体制を作っています。そのデータは、Studyplusの個人アカウントにも溜まります。塾でもStudyplus for Schoolが導入されていれば、そちらのデータも記録されます。学校と学習塾でStudyplus for Schoolを使っていれば、それぞれのデータをまとめられるということです。このように、公教育と私教育の連携ができるプラットフォームとしてサービスを開発しています。

今年度、学習管理機能は大幅にアップデート予定で、Studyplus for Schoolのリリース以来最大規模の開発になります。出席管理機能も改善し、ご要望の多かった成績管理機能も公開される予定です。

理想は大きいですが、まだ実現できていないことも多いです。私たちは学習ログをもってして、生徒の主体的な学びを実現したいと思っています。みなさま、引き続きよろしくお願いいたします。


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