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対面と全く同じことをオンライン指導で実現する仕組み作り|京大個別会原町本校【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウィルスの感染拡大により、学習塾業界は教育サービスを提供できず、事業の継続が困難となるリスクが発生しています。これを防ぐために急速に高まっているのが、オンラインでの指導体制の整備の重要性です。

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。今回は京大個別会原町本校の佐藤先生にお話を伺いました。

京大個別会原町本校について

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京大個別会原町本校を運営しています、佐藤です。塾は福島県南相馬市の、原発から北に20キロ圏内の場所にあります。南相馬市は人口53000人で、とてつもない少子高齢化が起きています。これは震災があって子どもたちがいったん外に出てってしまったことが原因で、とにかく子どもの人数が少ない地域です。

震災当時、私は学生でした。卒業して社会人として働き、その後塾業界に入りました。だから業界に詳しいわけでも、勉強が特段できるわけでもないのですが、色々と実験しながら運営しています。

2014年から塾を始め、今年で7年目に入りました。フランチャイズではなく普通の個人塾として運営しています。形態は、もともと1対3の集団個別でした。その後2016年3月から、自立指導を始めました。

京大個別会原町本校の指導方針として、勉強内容は教えません。私たちが子どもたちに教えることは、「勉強の仕方」や「質問の仕方」「目標設定の作り方」などです。

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初等部では、そろばん、英語、算数を教えています。使っているのは「ピコのえいご」や「あい・キャン」という教材です。中等部では、2016年3月から合格実践塾さんの「TsuX」を使っており、5月から「モノグサ」を導入します。

高等部では2016年10月から「学びエイド」を、12月から「受験コンパス」を入れています。2018年2月からは「成績Apシステム/教科書ナビ」を使っており、今年の4月から「モノグサ」も使っています。

オンライン指導への切り替え対応

2月27日に休校要請が出た時、すぐGoogleフォームで保護者にアンケートを一斉送信しました。塾に通塾させたいかどうか、家にWi-Fi環境はあるのか、何の端末が使えるかを100名くらいに聞きました。結果として、7割ほどが対面授業OKで、Wi-Fi環境が整っていないのは2家庭だけで9割の方は問題ありませんでした。

そこで3月3日からオンライン授業を開始し、Wi-Fiのないご家庭にはうちでレンタルしたものを貸し出しました。端末に関しては、中学生には2台使ってほしかったので1台しかない生徒には塾から配布しています。

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オンライン指導に切り替えるときの目標は、絶対に対面と同じことをやることでした。オンライン指導のメリットとして、一斉個別連絡がリアルタイムでできるようになったのが良かったと思います。また、オンライン学校という形でやっているので、今までよりも生徒たちの勉強時間が増えているというのが、Studyplusを見ていて分かります。

デメリットとしては、塾・家庭共に初期導入の大変さが挙げられます。それに、今まで2人でできていたことを4人でやらなくてはいけないこともあるので、人件費がかさみます。また、コミュニケーションツールの統一化も課題です。

中等部のオンライン授業のやり方

コロナの前、中等部では45人くらいが教室に集まって、先生が1~2人入り「TsuX」という資料を使いそれぞれに学習していくというやり方でした。生徒はタブレットで要点を聞いて、先生のところに行きます。先生はその単元について質問をして、理解しているようなら生徒はまた席に戻り、テキストの問題を解きます。

丸付けと解き直しまで終わったら、また先生のところに行って理解度を確認して、必要なら指導をして、次の単元に進むという形です。先生は前にいるだけでなく、終始教室をぐるぐる回っています。

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オンライン指導になってからは、生徒はZoomを繋いでそれぞれの教科を進行表というものに沿って進めています。今まで先生に見せていたタイミングで、Zoomのブレイクアウトセッションで個別の部屋に移動し、先生が対応します。

また、中高生が同じ部屋に集まっている形です。高校生は学習計画に沿って映像授業や参考書を使って勉強し、外部生は市販の参考書や他の塾のワークなどをそれぞれ勉強しています。

個別対応について、中学生は2分ほどで、内容把握や進捗確認がメインです。高校生は週一度15~30分面談します。外部生は市販の参考書とか他塾のワークを使って指導するような流れです。

オンライン指導におけるZoomの活用法

オンライン指導は「オンライン学校」という名前を付けて、学校の時間割のように進めてい流れです。中学生は9時から夕方まで15時まで入ってもらっていて、50分授業、10分休憩というサイクルを繰り返しています。これだけだと疲れることもあるので、たまにスポーツトレーナーさんを呼んで体育の授業をやることもあります。

授業はZoomで繋いでおり、まずメインセッションに生徒たちが集まり、そこからブレイクアウトセッションという部屋に移動。そこで先生に見てもらう時は、個別のブレイクアウトセッションに移動して、1対1で話していくという仕組みです。

あえてブレイクアウトセッションに全員移動しているのは、Zoomの脆弱性を危惧しているためです。メインセッションだけ開いて、ここに何かあると危険だということで、ブレイクアウトセッションを作りました。

また、ホストと共同ホストの特性についても関係しています。共同ホストはブレイクアウトセッション内であれば、自分で色んな部屋に入れます。メインセッションから移動するとなると、生徒の方にも権限があって、取り残されてしまったり、上手く移動できなかったりという問題が起こりうるんです。

ブレイクアウトセッションに入れればこちら側に全権限があるので、生徒が何もしなくてもすべてこちらで動かせます。

生徒は大部屋に60~80名ほど集まっていますが、先生の数は中学生の場合司令塔以外に40人に2~3人必要です。

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具体的にどのように動かしているか説明すると、まずうちではホストを司令塔と呼んでいます。大部屋で勉強している生徒が先生と話したいタイミングになると、機械上で「手を挙げる」のですが、司令塔のパソコンには手を挙げた生徒の名前が一覧で表示されます。それを順番に他の先生に割り振り、先生と生徒がブレイクアウトセッションに移動するという流れです。

先生は共同ホストになっているので、自分でブレイクアウトセッションに移動することができます。生徒は自分で移動できないので、司令塔の先生が移動させます。

司令塔をやっているのは大学生のアルバイトで、生徒対応はアルバイトと社員でやっている状況です。大学の授業がない卒塾生たちも手伝ってくれています。

今は先生たちが塾に集まってやっていますが、今後はそれが出来なくなると思っています。なので在宅で運営することを想定して、先生たちの会話はチャットを通しているんです。Zoomのチャットはブレイクアウトセッション内でしかできないので、Slackで対応しています。

オンライン指導における課題とGoogleフォームの活用

オンライン指導を始めてから、どの生徒がいつどの先生に対応してもらっているか、その生徒はどのぐらい進んでいて、本当にできているのかを短時間で聞くことが難しいと感じました。やはり声と顔しか見えないので、実際のところがわかりにくいんですね。

そこで活用しているのが、Googleフォームです。これは入力した時間が出るので、進捗確認にぴったりなんです。まずGoogleフォームに生徒の名前や何の科目を対応したか、どのテキスト使っているかを選択できるように準備しておきます。

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そして生徒を対応しながら、「何の教科?」「教科書何ページ?」とか聞いて、どんどん打ち込んでいくんですね。それをスプレッドシートに書き出して、集約します。

そして入力時間でフィルターをかけて検索することで、この生徒はしばらく対応していない、サボっているというのがわかります。オンライン指導を初めて1カ月半で2367件も対応しているので、この入力を徹底することでなんとか把握しています。

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次に内容把握に関してですが、まず参考書をデータ化してクラウドに保存し、先生と生徒が同じ参考書を見られるようにしてあります。そして生徒がこの単元が終わったといったら、そのデータを見て何か問題を出し、それに答えられるかどうかで内容を理解しているか把握しています。

今後は中学生にテストをやったり宿題を出したりしたいと思っています。これは、高等部で使っているGoogle Classroomを利用する予定です。

生徒の進捗状況・定着状況を確認する方法

高等部ではまず、週に一度面談をしています。都内に住んでいる卒塾生のアルバイトの子が対応していて、勉強に関しての質問は一切なしで、対応は丸つけと学習管理です。

授業については、参考書や「受験コンパス」、動画教材は「学びエイド」、「スタディサプリ」、「成績Apシステム」等を使い、暗記教材としては「モノグサ」を使っています。質疑応答には「写メQ先生」を使っていて、コミュニケーションは「Studyplus」です。テストの提出に関しては「Google Classroom」を使っています。

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高校生の指導に関してですが、本人が出来た・やったと言っても怪しい部分があると思います。だからこそきちんと可視化したいと思い、進捗状況は動画の閲覧ログや「Studyplus」、定着状況は「モノグサ」やチェックテスト、勉強時間は「Studyplus」を見て把握する仕組みにしました。

定着状況について詳しく説明すると、「Google Classroom」のすべての部屋にチェックテストのPDFのデータを打ち込んでおいて、生徒が「白チャートのチェックテストをやりたい」といったら、そこに招待して受けさせるという形にしています。問題を配布をしてこちらで採点して、そのままボタンを押せば、いつどの生徒がやったか自動集計できます。

「モノグサ」も定着状況把握に便利で、「Google Classroom」と同じようにテストする部屋を作っておいて、そこで勉強させる仕組みです。こちらも誰が何分前にやったかや、どのぐらい定着しているか見ることができます。

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これらは初めは仕組化するのが大変でしたが、それさえできればその後の流れは自動化されるので楽ですね。準備は、本気を出せは1~2週間でなんとか形は作れると思います。

進捗状況については、「成績Apシステム」や「学びエイド」は管理画面から、いつ、誰が、どのぐらいやってるのかが見えます。欠点としては、使う教材が増えれば管理するものも多くなって大変になることでしょう。

アナログの教材は「Studyplus」で記録していくのが良いと思います。生徒に記録する習慣が付くまでは大変かと思っていましたが、オンライン授業に切り替わってからは生徒と毎日コミュニケーションをとるようになったので、その場で「Studyplusに記入して」と言いやすくなりました。

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オンライン指導を利用した集客方法

3月15日の時点で、オンライン学校を始めたこと、地域の子どもを無料で招待することを新聞やラジオで発表しました。すると新しい学生が無料参加してくれて、その中には将来繋がりそうな見込み客もいました。

また、オンライン体育を始めたことをプレスリリースに出したら、やはり地域でオンリーワンだったこともありすぐに取材に来てもらいました。他と違うことをやったらすぐにリリースして、告知に使えると思います。せっかくのオンラインなので、地区で初めてやったことに関してはリリースしていいのではないでしょうか。

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塾の今後の運営について

京大個別会原町本校は、コロナに関係なく今後はオンライン学習をベースに時々対面という形にしていこうと思ってます。というのも、これからは商圏が崩壊して、大手塾が参入しやすくなって来るはずです。だから対面授業もやって地域に根差しつつ、オンラインもやっているというやり方が一番いいと思います。

また、今アルバイトしてくれている先生たちはコロナ禍で都会に戻れないので、今のうちに教育しています。だから戻ってからも、在宅ワークでできるようになっていると思います。

最後に個人的な思いですが、私たちは震災ですごく助けていただいたので、その人たちや地域の方に恩返しがしたいのです。とにかく、できることは何でもやらせていただきたい。そういう気持ちで取り組んでいきます。

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