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Studyplus for Schoolと成績Ap/教科書ナビの学習記録の自動連携|特別回成績Apシステムを活用したオンライン指導【オンライン指導情報共有会】

新型コロナウィルスの感染拡大により、学習塾業界は教育サービスを提供できず、事業の継続が困難となるリスクが発生しています。これを防ぐために急速に高まっているのが、オンラインでの指導体制の整備の重要性です。

新型コロナウイルス感染拡大の深刻化、そしてオンライン指導に関する事例が少ないことを受けて、Studyplus for School導入校で既にオンライン指導に取り組まれている方々にご協力いただき、オンライン指導に関する情報共有会を開催しています。今回は株式会社TripleWinの長澤代表取締役、京大個別会原町本校の佐藤先生にお話を伺いました。

成績Ap/教科書ナビ、写メQ先生、RATIOについて

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長澤:株式会社TripleWinの代表取締役の長澤です。今回は京大個別会原町本校の佐藤先生と一緒にお話していきます。

はじめに社名の「TripleWin」とは、Winが3つでWin-Win-Win、三方よしという意味です。当社だけではなく、導入された塾さん、生徒さん・保護者の方、みなさんが幸せになるようにという思いでつけました。

私はもともと神奈川県平塚市の中規模の学習塾で、15年ほど集団指導の講師をやっていました。その後、当時のノウハウや知見を活かしてコンテンツサービスを開発し、現在は全国の学習塾の高校生部門の運営をサポートしています。

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映像コンテンツを中心に周辺サービスも充実させて、様々な塾の高校生部門の立ち上げから運営までお手伝いしてます。サービスは大きく分けると3つあり、「教科書ナビ」という定期テスト対策型のサービスを全国で展開し、神奈川では同じサービスを「成績Apシステム」というブランド名で展開して、直営教室も持っています。

そして、質問対応サービスの「写メQ先生」。さらにこの春リリースした高校3年生の受験対応型の高校部を作る「RATIO」があります。

定員厳格化による一般受験難化と推薦入試の可能性

ほとんどの学習塾は予備校を除くと高校受験がメインで、高校生、大学受験が専門という先生は少ないかと思います。高校生部門を持っていても、たとえば大学受験の知識があるような方に任せていらっしゃることも多いでしょう。

そのため、高校生市場の現状を俯瞰し、今後どのような高校部を作るべきか、どのような戦略を立てるべきかまで考えるのは困難な場合が多いです。そこでここからは、どのような高校部を作っていけばよいかというお話しをします。

大学の進学者数の推移を見ると、いわゆる団塊ジュニアの世代は子どもの数はとても多いのですが、大学進学率は30%を超えるくらいでした。地方になると、3割を切っています。それが今は、全国平均だと55%程度、首都圏だと60%を超えています。

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つまり、現在の保護者の世代と比べると、倍くらいの割合が大学に進学しているのです。また、以前はトップレベルで優秀な子たちだけが大学に行っていたところが、今ではそうではない子たちも大学に行く時代になりました。しかし、偏差値50を切るような子たちとトップレベルで優秀な子たちが同じ大学の入試問題を解くので、前者の子たちは厳しい戦いになっています。

そこで彼らが利用しているのが、推薦系の入試です。しかし、生徒自身や保護者の方はこれについてあまり理解していないことが多いでしょう。塾の先生でも、特に地方では国公立大学至上主義のような雰囲気があるので、センター試験を受験し国公立を受験するのが当たり前とお考えの方も多いのかもしれません。

しかし推薦系入試の数は少なくありません。たとえば福岡大学では、定員660人に対して推薦枠90人ほどで、割合は14%と小さく見えます。しかし、調べると指定校推薦の枠は公表されていないようで、それを足すと4割になるのです。他にも北九州市立大学は50%、西南学院大学は35%が推薦枠です。

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こうした実情を知らないので、実は学力中位層でも狙える大学はあるのに、全員に一般入試を受けさせようとする先生も少なくありません。塾で情報を整理・提供できれば、チャンスは大きく広がると思っています。

最近は、一般試験でも調査書(評定平均)を利用していく流れになっています。つまり、高校時代にどのような活動をしてきたのか、成績がどれくらいだったのかをしっかり見ていくようになっているのです。推薦入試・学校推薦型・総合型と名前は変わっていきますが、いずれにせよ学力検査をしっかりやりましょうという流れもあります。

さらに、近年の大学合格者数厳格化によって一般入試は本当に狭き門になっています。河合塾の模擬試験でA判定が4月から続いていても、不合格になることさえあるレベルです。既にセンターリサーチや過去のデータが使えなくなるほど、厳しくなってきています。

これからの地域密着塾のあるべき姿

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塾側から見た市場についてですが、通塾率は高1生で20%くらい。中3生は高止まりしていて、60%程で推移しています。つまり、今塾に来ている生徒さんも、3人に2人は高校に進学したら来なくなるということです。その一方で、大学入試改革を迎えて、これまで塾に通っていない子が塾に来るようになると予想されています。

現在、偏差値55を超えるような生徒たちの通塾率は下がっており、偏差値50から55未満の子の学習塾・予備校利用率は上がっています。つまりマーケティングとしては、この子たちのニーズを抑えなければなりません。

高校生の指導では、高3進級時に、一般試験・学校推薦型選抜・総合型選抜の全ての可能性を残してあげることがとても大事だと思います。塾として一般試験しか考えていないとなると、残りの可能性はすべて消えてしまいます。高1生、高2生の間も学校の成績を確保しておくことで、これらすべての可能性を残したいところです。

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私自身、長年高校生を指導してきましたが、その肌感覚では、一般受験する子の5割は、高3生になって推薦系の可能性がすべて消えたので一般受験しかないという状況です。つまりそういう子たちにこの可能性を残しておけば、実はチャンスは広がるということです。

また、どの学力層の生徒に照準を合わせるかもポイントです。地域密着型の塾の生徒のボリュームゾーンは、学区二番手校、三番手校あたりだと思います。たとえば神奈川県では、トップ校の生徒たちは、1万人を超える規模の大手塾が抑えています。

二番手校、三番手校の生徒が多いのに受験対策用の高校部しかないとなると、ミスマッチが起きます。自塾の中学3年生を高校部に持ち上げようとしても、持ち上がりません。そこで、軸足を定期テスト対策に移してあげることで、すべての子たちを対象にできます。4番手校の子たち、たとえば大学に行かないだろうという子たちも、高卒の就職はほぼすべて推薦で決まるので、定期テストは非常に重要なのです。

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私たちが提唱しているのは「定期テスト対策を軸足にすることで自塾の中3生を高1生、高2生と継続させて、一般受験、AO・公募推薦、指定校推薦すべての選択肢を残してあげられる高校部」です。しかし、個別指導で高校生を教えようとしても講師が足りないため、ほとんどの塾さんが苦戦しています。そこを私たちが映像コンテンツなどを開発してご支援したいと思っています。

映像コンテンツの「教科書ナビ/成績Apシステム」は高校別に、定期試験で点数を取るためのツールをご用意しているので、定期テストに強い高校部を作ることができます。質問対応は「写メQ先生」でわからない箇所を写真で生徒に送ってもらえれば回答するので、高校生レベルの問題を解ける先生が1人もいなくても大丈夫です

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また、推薦系の入試を狙う子は志願理由書の指導が必要になりますが、こちらも映像コンテンツと個別添削指導でサポートしています。最後に、この春リリースした高校3年生の受験対応型の高校部を作る「RATIO」というサービスを使っていただければ、一般入試の指導経験がなくても問題ありません。

このように高校生部門の指導経験がない方でも、うまく高校部が回せるようなツールやノウハウをご提供しています。ここからは、実際に「教科書ナビ/成績Apシステム」を利用していただいている京大個別会原町本校さんの事例をお伝えしていただきます。

京大個別会原町本校のご紹介

佐藤:京大個別会原町本校の佐藤です。福島県南相馬市で学習塾を経営しています。私は塾にも通っていませんでしたし、社会人になって塾ではない業界に入りました。しかし震災を機に地元に貢献したいという気持ちをもち、この土地で開塾しました。

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うちの塾がある場所は人口5万3千人規模で、さらに子供の人口もとても少ないです。超少子高齢化社会のモデルケースになっているくらい、シニア世代が多い地域になります。大学が近くにないので、講師の確保が難しいという状況です。

福島県は学区制となっていて、私たちの学区には進学校がありますが、それでも偏差値はおよそ49前後。自塾の中学生が進学するのは、この進学校が1校、商工業高校が1校、農業高校が1校、この3つの中から選ぶ形です。ある程度勉強したいな、なんとなく大学行きたいなという子は、偏差値49前後の進学校を選びます。

この進学校に入る子たちのみ、高校生になっても塾を継続します。商業高校などに関しては、ほぼ全員塾に通っていません。進学校の進学率は、7割が一般選抜で大学受験をしています。だいたい3割くらいが学校推薦型選抜、指定校推薦で入っています。やはり国公立重視の傾向はありますが、学年が上がるにつれて志望大学のランクが徐々に下がっていく傾向です。

推薦系入試では、160人中5名くらいがMARCH以上に入っていきます。また、進学校は偏差値49ではありますが、学区に1校しかないので振り幅が大きいです。偏差値65の子もいれば、偏差値40台前半の子もこの高校に集まってきます。


高校1年生がほとんど退塾してしまった理由

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京大個別会原町本校の指導方針として、勉強の内容に関しては教えません。私たちは、勉強の仕方や質問の仕方、目標設定の仕方などを教えます。そのため、高等部に受験用の映像コンテンツ、さらに管理系のコンテンツを導入しました。

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その後、約1年半くらいやってきたのですがうまくいかず、そこから「教科書ナビ/成績Apシステム」を導入しました。「教科書ナビ/成績Apシステム」導入前は、受験用の映像コンテンツと管理用のコンテンツを使っているため、一般受験に特化したサービスを提供していました。結果として、高2年生、高校3年生は継続をしたのですが、高校1年生が高い割合で退塾してしまいました。

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これが理由を分析した表ですが、縦軸を「夢・目標度合」として、将来何をやりたいか、明確に志望校を決めているか、そして横軸が「勉強時間」です。緑がその当時の高校2年生・高校3年生で、青がその当時の高校1年生で、円の大きさはその人数を表しています。

例えば、夢をしっかり持っていて勉強時間もしっかり確保している子は右上の辺りにプロットされ、夢や志望校がなく勉強もしたくないという子は左下の方にプロットされ
ています。

「教科書ナビ/成績Apシステム」を導入前は、この上のゾーンの子たちは継続しました。やはり夢や志望校が明確で学習時間も多い子は、一般受験用の映像コンテンツと管理系コンテンツが良かったようです。しかし、夢や志望校がなく勉強もしたくないという子は、一般受験用の映像コンテンツと管理系コンテンツが合わなかったのだと思います。

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そうすると、翌年も新高校1年生の新しい子たちが来ても、同じように退塾するかもしれない。そんなときに長澤さんと出会い、「教科書ナビ/成績Apシステム」を導入することにしました。

「教科書ナビ/成績Apシステム」を導入した結果

導入して良かった点は4つあります。

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まず1点目が、小さな目標が立てられるというところです。受験という遠い目標を、定期テストという小さな目標に切り替えられました。受験という遠い目標を立てるスキルがなくても、「教科書ナビ/成績Apシステム」を導入して定期テストという近い目標を立てることで、高校1年生もモチベーションを継続できたのです。

2点目は、定期テスト重視のシステムになっているので内申点が担保しやすく、推薦系入試に強い高校部をつくれるところです。

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3点目は、質問対応サービスの「写メQ先生」で生徒がLINEで自由に質問ができるようになったところ。私たちの仕事としては、どうやって「写メQ先生」に質問すれば、先生が気持ち良く回答してくれるかということを指導しています。

そして4つ目は、定期テスト対策が充実しているところ。学校の教科書に沿ったテスト対策問題が用意されています。

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導入から1年後の結果が、こちらです。青がその当時の高1生、緑が高2生、高3生を表しています。緑の枠の所は、以前から一般受験の映像コンテンツと管理系コンテンツを使ってやっていましたが、ここの子どもたちはそのまま継続してくれました。課題だった赤枠の下の子たちは年度はじめに12名が入塾したのですが、「教科書ナビ/成績Apシステム」「写メQ先生」を導入したことで11名が継続と、退塾率が激減しました。

コロナ禍における定期テスト対策のオンライン対応

ここからはコロナ禍を受けて、「教科書ナビ/成績Apシステム」「写メQ先生」でどのようにオンライン指導に切り替えたかご説明します。まず、コロナ禍を受けてオンライン指導に切り替える際に、我々の塾としての目標が「これまでと同じサービスを提供すること」でした。これまでと同じサービスを提供し、これまでと同じ月謝をいただくということです。

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結果としては、「教科書ナビ/成績Apシステム」「写メQ先生」はオンラインとの相性が良かったです。高等部の元々の指導方法は、週に1回の面談をしていきます。オンライン指導をはじめる以前から、高校生には大学生と話す機会を提供したくて、東京など各地に進学した卒塾生がアルバイトとしてZoomを使って遠隔で面談をしています。

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生徒側は授業開始と同時にタブレットを準備して、どういう順番で学習を進めていくか記載した進行表を見ながら、動画で授業を受けていきます。週に1回面談で、学校の進度を確認しながら、モチベーションを上げていきます。定期テスト2週間前に範囲を終わらせるように進めているので、テスト直前は学校の問題集でテスト勉強をさせます。

Zoomでは、大きなブレイクアウトセッションの部屋を作っています。ここに中学生・高校生すべて集めて、手元を映して勉強してもらいます。

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個別指導や面談は、個別のブレイクアウトセッションを作って、そこで1対1で指導や面談を行います。高校生はこの大きな部屋では学習計画に沿って「教科書ナビ/成績Apシステム」を視聴したり、分からない問題は「写メQ先生」を使って質問をしたりします。小さな部屋でやるのは、15分から30分の週間面談です。

コロナ禍における週間面談と学習管理

週間面談では、スタディプラスのPDCAシートを活用しています。生徒がPDCAシートに記入して、面談前にLINEやStudyplusのメッセージで、先生に提出してもらっています。やり方の詳細は、下記の通りです。

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学習計画に関しては、定期テスト2週間前までに英数を完璧にすることが目標です。定期テスト2週間前までは英数を先行して進め、定期テスト2週間前からは他教科の学習を進めます。

このスケジュールで進めることで理科や社会にも時間を費やせるので、生徒たちの成績も全体的に伸びました。この週間面談の時に講師側は、Studyplus for Schoolのカルテに面談記録を残しています。Studyplus for Schoolは面談記録のテンプレートを登録できるのですが、ここにGoogleドライブに保存した進行表やテスト結果へのリンクも登録しています。

最後にこれからの当塾の方針ですが、我々は特に高等部に関しては、コロナに関係なくオンライン指導をベースに考えています。実際、オンライン指導に切り替えての方が高校生は勉強時間も増えています。ただ、商圏が崩壊すると思うので、地元密着の強みということで対面の授業や面談も残していきたいと考えています。これからも、オフラインのころと変わらず、生徒の成績向上のために注力していきます。

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