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<自立指導向け>学習計画の立て方は生徒の自立度に合わせて臨機応変に対応|ステップアップスタディサロン【Studyplus LIVE!】

Studyplus for Schoolをよりご活用いただくため、2021年10月に「Studyplus LIVE!」と題して導入校様向けに計12回のオンラインイベントを開催いたしました!

今回は、その中から、「【指導形態別】スタプラ活用お困りごと相談会~自立指導編~」をテーマとした回をご紹介します。

なぜStudyplus for Schoolを導入し、どのように活用しているのか。活用していく中で、直面した課題や乗り越えた方法などを、株式会社Y.E.S. ESL International JAPANに所属し、個人としてステップアップスタディサロンを運営されている大庭先生にお伺いしました。

<今回のトーカ―>

大庭先生
【ゲスト】大庭先生:株式会社Y.E.S. ESL International, Inc.JAPAN/ステップアップスタディサロン 塾長
【司会】小川:スタディプラス株式会社 For School事業部 カスタマーサクセス担当

受け身ではなく自ら学習できる生徒を育てるため自立指導の塾をスタート

-本日のテーマは、「指導形態別スタプラ活用お困りごと相談会~自立指導編~」ということで、自立指導に携わっている株式会社Y.E.S. ESL International, Inc.JAPAN/ステップアップスタディサロンの大庭先生にお話を伺います。 また、Studyplus for Schoolを導入したものの、どうしたらもっと活用できるか困っている方に向けて、具体的な事例やアドバイスなどもお伺いできたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

大庭:よろしくお願いします。

-早速ですが、大庭先生はもともと個別指導をされていらっしゃいましたよね。自立指導塾に切り替えた経緯について教えてください。

大庭:ステップアップスタディサロンは自立指導を行うオンライン教室で、現在15名の生徒がいます。

以前は、大手の個別指導塾で教室長をしていました。ただ、個別指導をしながらも「自立した学習者を育てる」ことには注力していたため、当時から自立指導についてはリサーチしていました。

自立について調べていた時に気づいたことは、「個別指導の塾に来ていた生徒は受け身になっていた」ということです。私自身、学生のころは勉強が好きだったわけではありません。留学をすることになったことがきっかけで、真剣に勉強をするようになった経緯があります。

その経験から、本当の意味で実力がつくのは、自分で目標を決めて勉強したときだと知りました。だからこそ、当塾の生徒たちにも自立した学習者になってほしいと思い、模索してきました。

-ご自身の経験から自立指導の重要性を感じていて、個別指導塾から自立指導塾にシフトされたのですね。

大庭:はい。そこで、自立指導にシフトしていくにあたり、生徒の自立性を高める指導をされている学習塾を見学させていただきました。そこでは、仕組みづくりがとにかく徹底されており、自立指導塾を運営するために必要なことを学ばせていただきました。

それは、自立指導ではシンプルさとスピード感を持って繰り返しできることが大切であること。また、自立指導をするうえでは塾全体で生徒のマナーについても教育をしなくてはならないため、信頼関係が絶対必要ということです。

運営の観点からも自立指導は良いと思っています。なぜなら、「講師不足」という重大な課題をカバーできるからです。

-自立指導塾を運営するにあたり、どうしてStudyplus for Schoolを導入いただいたのでしょうか?

大庭:Studyplus for Schoolを導入する以前は、アナログで学習記録をつけてもらっていました。紙に書いてもらっていたため、生徒が家に持ち帰ってしまうと見ることができず、持ってくるのを忘れられるとどうしようもありませんでした。途中から、Excelを共有して入力してもらっていたのですが、スマートフォンやタブレットでは使いにくく、アプリを作るという案も出ましたが実現は難しい状況でした。

そういったときにStudyplus for Schoolを知り、こんなに便利なツールがあるのかと思いました。記録したものを共有できること、いつでも記録を見られることに魅力を感じ、導入を決めました。

Studyplus for Schoolを使うことで、塾にいる間だけでなく、家庭学習で何をしたかなども分かるようになったことはメリットです。

-生徒さんに、「先週何をした?」と聞いても曖昧にしか答えられないので、リアルタイムに記録を見れる点は大きな変化になったのではと思うのですがいかがでしょうか。

大庭:そうですね、無駄な時間がなくなりました。また、紙で管理していた頃は、初めに記録ファイルを配布していたのですが、生徒の人数分探さなくてはならず時間がかかっていたので効率化できていると感じています。

完全オンラインでの指導をするうえでも、アプリとして運用できるStudyplus for Schoolを選んでよかったと思っています。

生徒の自立度にあわせて面談の対応を工夫する

-Studyplus for Schoolを使ってみて、運用においてどんな点が大切だと思いますか?

大庭:自立型指導において「教え過ぎ」は良くないと感じているのですが、これはStudyplus for Schoolの活用においても同じだと思います。最終的には講師があれこれ言わずとも生徒が自走できる形が理想ですが、初めからそうできるわけではありません。しかし、「教え過ぎ」ると生徒が受け身になってしまうため、バランスが重要です。

当塾でも、生徒に「学習計画を立ててみて」と言ってもなかなかできないため、一緒に考えて、こちらから提示してあげることもあります。この際、Studyplus for Schoolのカレンダー機能は、計画の見える化にとても役立っています。

-計画作りは、面談などを通して行っているんですか?

大庭:はい。毎週30分の面談をして、その週に何をするか、どういう時間の使い方をするかをカレンダー機能に入力します。目標や計画を設定してあげて、本人に確認してもらい、承認を得て実行してもらう流れです。

これらがオンラインでもできるのは、Studyplus for Schoolの便利な点です。特に長期休み中は生活リズムが学校ではなく塾に委ねられる時期のため、こうしたスケジューリングは非常に重要でした。

1週間の予定を作ること自体は15分程度で終わりますが、夏休み期間は、始業式までに何をやらないといけないかを整理するのに時間がかかりました。

フローとしては、学校の宿題や受験勉強などするべきことをリスト化して、毎週それぞれどれくらいの時間をかけるか整理しています。たとえば、「数学の宿題は1週間に2時間あれば大丈夫」といった判断を生徒がし、私たちがそれにあわせてスケジュールを入れるといった感じです。

生徒任せの計画では、過密なスケジュールになることがあります。しかし、計画はゆとりがある方が長続きするため、私たちが介入し、7割ぐらいのペースで設定します。ただし、自分で適切に計画できる生徒には任せることもあります。

-計画の進捗を確かめるためにも、面談を毎週行っているんですね。

大庭:はい。自立指導に切り替えたとき、学習計画やその進捗管理のための時間を絶対に取ろうと決めていました。そのため、面談はすべての生徒に行っており、話すことなどは事前にだいたい決めています。

ただ、内容はシンプルにしており、たとえば、定期テストが近い生徒へは、テストの目標点を決め、面談でその目標に近づいているかを確認し、1週間を振り返って自己評価をつけてもらいます。

話の中で、目標に近づくために心がけていることや、前回宣言したが実行できているかなどを確認し、足りないことや新しく見つかった課題も聞いて、自己評価が90点以上と言い切れるようになるにはどんな工夫をしたらいいかなどを質問します。

私からは、生徒たちの回答に関して感じたことや、どうしたらいいのかなどアドバイスをするという流れです。

他には、勉強について具体的な悩みを聞いたり、記録を見て気になったことを私から質問したりもします。面談後は話した内容をLINEで送信しています。

-ステップアップスタディサロンさんでは、面談が非常に重要なカギとなるわけですね。面談で生徒さんの話を深掘りするために、何に気をつけていらっしゃいますか?

大庭:話したい課題が10個あっても、「今日は1個だけ解決しよう」という気持ちで臨んでいます。あれこれ話すのではなく、テーマはあくまで1週間の振り返りと、学習ペースに関することだけです。

毎週行っているものとは、別の面談もいくつかあります。たとえば、生徒には3か月ごとに中期目標を設定してもらっているので、それに対しての進捗を確認するために話す機会を設けています。そこでは、こちらからアドバイスなどもしますが、基本的に本人に中期目標について改めて話してもらうことが目的です。

-面談を通しても、受け身から自立的な学習ができるようアプローチをしているんですね。

大庭:はい。以前、スタディプラスの宮坂CCOが話していた「シチュエーショナルリーダーシップ」の考え方も活用しながら工夫しています。

シチュエーショナルリーダーシップでは、「意思決定はリーダーが行い、部下に具体的な指示命令を与え、仕事の達成までの進捗を細かく管理するS1スタイル」「リーダーは指示型・教示型と同様に指示命令を与えるものの、部下の意見やアイデアを引き出すために援助もするS2スタイル」「意思決定は部下が行い、リーダーは部下が目標を達成するまでのプロセスを援助するS3スタイル」「進捗状況の報告は受けるが、リーダーは意思決定と問題解決の責任を部下に任せるS4スタイル」にわかれます。

これはビジネスシーンで用いられる考え方ですが、自立指導の学習塾でも生徒の自立度に合わせて、どのスタイルで接するか見極めることが大切です。

-面談についてもう少し伺いたいのですが、保護者面談はされていますか?

大庭:保護者との面談は定例では開いていないのですが、もっとコミュニケーションをとらないといけないと思っているため、進路面談は必ず三者で行います。

ただ、不定期にはなりますが保護者面談も開いています。面談時間が1時間ぐらいだとすると、少なくとも30分以上は今の世の中のことや、これからどうなるかについて話します。押し付けにはならない程度にこちらが得ている情報などを伝えていて、何のために勉強するかというテーマにつなげています。

最近では受験制度の変更や教科書の改訂について、なぜそういったことが起こっていて、何が必要とされているのかを話しました。それを中学生の話、高校生の話に置き換え、結果的に通塾の継続の話に繋げています。

-たしかに、たとえば最近は世の中の仕事がロボットに代わられるという話もでてきているので、そこから将来の夢や未来の話に繋げていきそうですね。

大庭:AIやロボット、シンギュラリティの話は分かりやすいですが、職業がなくなるというより、必要とされるタスクとか能力が変わってくる点を伝えていくことが大切です。そうすると、「今やっているこの勉強にはこういう意味がある」と伝えやすくなりますし、この点は、私たちが伝えていくべきことだと感じています。

-「Studyplus for Schoolを導入しても、なかなか記録づけが習慣化しない」という悩みを抱える塾の方も多くいらっしゃるのですが、そのあたりはどのような工夫をしていますか?

大庭:何より、丁寧に話すことが大切です。先日のスタディプラスのイベントで、「記録しなさいというより、君の勉強の履歴を見たいという言い方の方がよい」というお話をされた先生がいて、私も真似しています。

また記録への承認があるとよいので、「いいね」するだけでなく、保護者の方に「お子さんがこういう記録を書いてくださったので、何を考えて勉強したか伝わったよと先生が言っていたとお伝えください」と話すこともあります。これに関しては、保護者からも「褒めることができてよかったです」と返信がありました。

-たしかに、しっかり丁寧に承認してあげることは重要なポイントですね。生徒だけでなく先生を巻き込んでいくことも大切ですが、その点に関してはいかがでしょうか?

大庭:それは、どの塾でも課題になると思います。生徒への対応と同じく、丁寧に話すことがポイントです。特に、見える化と計画が大切で、後から振り返りができることに意味があることを理解していただくことが必要があります。

運用に関してはシンプルに、何をしてほしいか一つだけ絞ってお願いすることがおすすめです。あれもこれもお願いすると複雑になって困らせてしまうので、「まずは生徒の記録を一緒に見ていこう」というように話してみるのはいかがでしょうか。

-Studyplus for Schoolの活用において様々な工夫をしていただいていますが、実際に活用してみてよかった成功事例などはありますか?

大庭:生徒も最近では、Studyplus for Schoolでの記録の付け方や記録をつける意味を理解してくれています。生徒の中には、計画を立てて実行したら力になるということを実感し、部活に活かしたら、そちらでも成果が出たと話している子もいました。勉強以外でも通用する、成長のサイクルが作れてよかったです。

-最後に、来年度の方針について何か考えてることなどありますか?

大庭:当初はとにかくオンラインでやっていくということに注力していたので、来年度は、改めて私たちはどんな価値提供ができるかを考えていきたいです。今取り組んでいることもずれてはいないと思いますが、目の前のことに精一杯になっているかもしれません。私たちの自己満足で終わらせないこと、そしてきちんと売上を作ることも大切です。

そして、「オンラインでコーチングをメインにする」という形態はコロナ禍にフィットしましたが、コロナが終われば生徒や保護者が離れていく可能性もあります。そうならないように、自分たちの価値を再定義して、ビジネスとしての強度も上げていきたいです。

-本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。