Studyplus for Schoolで生徒への声掛けや保護者の巻き込みを実現|むげん学習塾【Studyplus for School Award 2021】
Studyplus for School Award 2021とは、少子化・採用難・地域格差という社会課題が広がる中で、未来の教育の在り方・先生の新しい働き方に果敢に挑戦する教育機関を表彰するものです。
昨年に続き今年も、受賞校によるプレゼンテーションを含むイベントをオンラインで開催いたしました。その模様をnoteでもお伝えしていきます。
今回ご紹介するのは、自立指導部門で受賞された、むげん学習塾(福岡県)の酒見先生の回です。
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Studyplus for Schoolで学習時間不足や科目の偏りなどの課題を発見
昨年もStudyplus for School Awardを受賞させていただいたときに、「今後はStudyplusの機能をフル活用していきたい。学習管理だけにとどまらない使い方をしたい」とお伝えしました。
そこで今回は、その後どのように使っているのかをお話したいと思います。
まずはじめに、当塾についてご説明します。当塾は2010年3月、福岡県久留米市に開校しました。初めは、小学生と中学生のみ指導していましたが、2011年8月から卒塾した新高校1年生たちが勉強できる環境を作るため、高等部を開設しました。
2014年4月からは通信制高校のサポート校を併設し、学校には行けないが塾に来ることはできるという生徒指導を開始しました。2015年3月には、高等部を充実させるため、ベリタス・アカデミーを活用した指導を開始し、2018年には看護医療系の学校への進学者が非常に多かったため、看護医療予備校を併設しました。
現在むげん学習塾で行っている事業は、学校の授業の補習、入試対策・進学指導、高校卒業資格取得のための通信制高校のサポート、入試・就職のための資格・検定の取得サポート、学生・社会人のキャリアアップ・再チャレンジです。
Studyplus for Schoolを導入したのは、2019年7月ですが、導入した理由は、生徒が「家でやってきたから大丈夫です」「家で勉強します」と言っていることが、本当かどうか疑問に思ったことです。同時に、実際の学習状況を知り、そのうえで一人ひとりに合わせたアドバイスをしたいと思いました。そんなときに、Studyplus for Schoolを知り、これを実現できると感じ導入に踏み切りました。
そして、実際にStudyplus for Schoolを使ってみると、生徒の学習時間が不足していたり、勉強する科目に偏りがあることがわかりました。この事実に気づくことができたのは、Studyplus for Schoolの「タイムライン機能」のおかげです。生徒が何の教材を使ってどのぐらい学習したかが一覧になり、塾や自宅での学習を一目で分析できるため、非常に役に立ちました。
その他に、当塾で頻繁に活用しているStudyplus for Schoolの機能は以下の2つです。
1つ目は、「入退室管理機能」です。各自のQRコードが配布され、それをタブレットのカメラで読み取らせて、塾での滞在時間をチェックします。読み取ったデータは保護者にLINEで連携できるため、保護者も子供がいつ塾に行っているのか、いつ帰っているのかを把握できます。
2つ目は、「メッセージ機能」です。課題の配布や保護者への連絡、個別アドバイスなどで使っています。生徒の学習時間を保護者に送ることもでき、学習状況を説明するのに役立っています。
毎週勉強の目標時間を決めてアナリティクス機能で進捗をチェック
また、最近、新機能がリリースされましたが、当塾でも主に3つを積極的に活用しています。1つは、「カレンダー機能」です。これは、生徒の予定や学習計画をカレンダー形式で共有できる機能です。
2つ目は、「コンテンツ配信機能」です。これは、先生が収録した動画や教材などのコンテンツを生徒に配信できる機能で、英検CBTを受験する生徒のスピーキング対策として、英検協会のYouTube公式動画を配信するのに使っています。
3つ目は、「アナリティクス機能」です。これは、学習時間や学習量を、日・週・月別に集計できるもので、上記画像のように生徒たちの学習時間を一覧にすることができます。
私は、学習の質を高めるためには、学習時間の確保が重要だと考えており、アナリティクス機能で生徒の学習時間を集計することが、学習状況の分析に役立つと思い活用しています。
また、当塾では生徒に、今週の目標時間を設定させています。目標時間は、だいたい7時間程度ですが、基本的に生徒自身で考えてもらうようにしています。設定後は、各自で目標時間に合わせ勉強し、進捗状況はタイムライン機能も併用しながら確認します。学習が進んでいない生徒がいれば、塾に来たときに声掛けをしたり、メッセージを送ったりしています。
保護者にも「今週の目標時間はこれくらいですが、今はこういう状況です。ご家庭でも勉強するように声掛けをよろしくお願いします」などメッセージを送り、積極的に巻き込んでいます。
週の終わりには、集計を締め切り目標未達成の生徒には、足りない分の補習を促すなどサポートします。これを続けていけば、きちんと学習記録を付けるようになり、学習の振り返りもしやすくなると思います。さらに、勉強の習慣化も期待できるます。
学習時間確保に注力することで得られた3つの効果
このように目標時間を決め、学習時間の確保にこだわった結果、3つの成果がでました。1つ目の成果は、生徒や保護者との面談に使う資料の充実です。データを実際に見せることで「伸び悩んでいるのは勉強時間不足が理由です」「勉強している科目に偏りがありました」など、説得力のある話ができるようになりました。
保護者自身も「家でもうちょっとやらせなきゃ」「少し意識が変わったのかな」など、生徒の頑張りを評価してくれるようになっています。
2つ目の成果は、これまで記録をしていなかった生徒もきちんと入力するようになったことです。自宅学習は未記入という生徒もいたのですが、記入率が上がり、学習の振り返りや学習状況の分析が向上しました。
3つ目の成果は、勉強が習慣化したことです。実際に、全体の学習時間はかなり延びています。こちらの画像は、ある高校生の勉強時間データです。彼は、初めのうちは記録をつけるのが面倒だと言って未記入が多かったのですが、3月下旬にアナリティクス機能を使い始めたところ、少しずつ学習時間がのびてきました。
それに加えて、スタディプラスが主催する学習時間を競うS-1グランプリに参加したことで、より好転しました。毎週スタディプラスの方から集計されたランキング表が送られてくるので、その全国ランキング表を塾内に掲示をし、勉強時間が少ない生徒に「大学入試で争うときに時間で負けている」と伝えたところ、その生徒はしばらくランキング表を見ていて、トップ層の生徒は100時間も勉強しているのかとショックを受けていました。しかし、その日の帰り、「記録をきちんとつけていきます」と言い、実際にそこから勉強時間がのびました。
5月3日の週には30時間ほど勉強していますが、ちょうどゴールデンウィークがあったこともあり頑張って時間を確保したのだと思います。翌週も同じくらい勉強していて、勉強が習慣化していることが感じられました。
Studyplus for Schoolは塾に合わせて柔軟に使うことができる
最後に、今後のStudyplus for Schoolの活用ポイントについて話します。1つ目のポイントは、学習効果の向上です。「アナリティクス機能」を使ってうまく勉強するよう動機づけできたので、これからもさまざまな仕掛けを作っていきたいと思っています。
2つ目のポイントは、一人ひとりにきちんとアドバイスをすることです。とにかくデータを集め、一人ひとりにデータをもとにした的確なアドバイスをしていきます。
3つ目のポイントは、コロナ禍においても自塾らしさを失わないようにすることです。「メッセージ機能」を使い、塾を身近に感じてもらうように工夫していきたいと思います。特に、当塾では声掛け大切にしているため、タイムライン上でも「いいね」やコメントを継続していく予定です。
また、「メッセージ機能」を使い、「勉強をするときは、いつも塾が近くにいる」という気持ちを持ってもらえるようにしていきたいと思っています。新型コロナウイルスの感染拡大で保護者も生徒も不安を感じ続けているため、つながりを大切にしていきたいです。
私は、Studyplus for Schoolの使い方に正解はないと思っています。言い換えると、それぞれの塾がそのときの状況や生徒に合わせて活用していくことができるツールだと思っています。実際にかなり柔軟性があるツールですし、これからもさまざまな機能が追加されてくるでしょう。
追加されるたびに、この機能をどう使おうかなと楽しんで考えているので、みなさんも楽しみながら、自塾に合った使い方を模索していただければと思います。